紙の本
帯に偽りなし! ラストはあっと驚かされます!
2020/06/04 14:35
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投稿者:のりしおポテト - この投稿者のレビュー一覧を見る
とある文庫で「子供が読むには早い本」として登場していたので、気になって購入しました。読んで納得、なんとも濃厚なストーリー。読む手が止まりません。ラストに謎のすべてが怒涛のごとく解き明かされ、読み終わった後はなんともいえない余韻に浸りました。まだ夢の中にいるようで。
とにかく少しでも興味を持ったならば、予備知識なしで読んでほしい一冊です。
紙の本
章ごとの展開の巧みさに脱帽
2017/04/26 21:49
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投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
ジュンク堂でポップと帯の内容に惹かれて購入。4章立てのストーリーは章ごとに主人公が変わり、視点が変わって常に新鮮な感じで読めます。また、2章では、エッ!どういうこと?とすごく1章の流れからは想像できない展開で見事でした。一方で、官能小説っぽく、何度もHの描写が作品中に出てくるのには若干閉口しましたが(><)。ただそれがまた、この話のキー的要素に!とにかく最後まで一気に読ませられたお話でした!
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投稿者:真 - この投稿者のレビュー一覧を見る
紀子は旅行先で出会った男と一夜を共にする。しかし紀子は翌日、男がひと月も前に殺されていたことを知る。では昨日の男はいったい誰だったのか?
緻密な構成が冴える一冊。
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読後、確かに眩暈はする。タイトルの付け方もいいし、性描写も巧いとしか言いようがない。しかし、人物に全く共感出来ない。「騙し絵」を違和感なく完成させるため、ストーリーに無理があるような感じが拭いきれない。ロス・マクドナルドの「さむけ」を思い出した。共通項は少ないかもしれないが、眩暈とさむけの読後感はよく似ていると思った。
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他の作品とは趣向がかなり違うけれど、読み進めるにつれて深まる謎。消え行く村での伝統の祭や、一夜の甘美な体験。目の前にその情景が見えるような錯覚をおこし、ドキドキしながら読み進めました。同じ趣向の作品「妖女のねむり」もおすすめで。
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同じ「幻影城」出身の連城三紀彦氏が「『湖底のまつり』は泡坂妻夫という幾筋縄あっても縛れそうもない、したたかな作家が、絵筆をペンにもちかえ、文章で描いた一幅の絵-それもただの絵ではなく、どんな小短編でも大ペテン師であり続ける氏が、大掛かりな詐術で描いた巨大な『騙し絵』なのである。」と解説した、氏の第三長編。
騙し絵である以上、内容は語りません。
ただ、より一層、楽しむために、一つだけ。
是非、第一長編「11枚のとらんぷ」・第二長編「乱れからくり」を読み終えてから、こちらを読んでみて下さい。
騙し絵だけに、何も騙りませんよ~(^_-)-☆
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幻想的な舞台で、同じようなラブシーンが二度くりかえされる。これに合理的な説明はつくのか… 結末に賛否両論はあるだろうけど、個人的には「アリ」だった。荒唐無稽なからくりも、筆力と雰囲気作りで物語世界に引っ張り込んでくれるなら大歓迎。もってっちゃって下さい!
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2011、2月読了
初版は1978年だそうです、泡坂氏の作品全てを読んでるわけではありませんが、今のところ全くハズレなし!この『湖底のまつり』も凄いミステリでした。
以下ネタバレあると思いますのでご注意ください。
全4章からなっておりそれぞれの章の書き手が異なります、なんとなく叙述の匂いがプンプンしてました。読み返しながらここが大きなヒントじゃ?とか、ここは伏線になっててここに繋がるんじゃ?とかかなり集中して読んだつもりですが、さっぱりわかりません??新しい事実が露見すると前の事実が否定され、伏線がここに繋がると思えば、また別のとこにくっついて…というような読者を迷宮の奈落へ突き落としてくれる作品です。
それで最後は納得の結末が用意されてるので、唸るしかなかったです。
とまぁミステリとしての完成度は非常に高いと評価するのですが、突っ込み所はあるかもしれません。人によっては相容れないかも?
個人的に特筆すべきは、性描写がまるで官能小説のようなというか…日本語ってスゴイな!と思いました。というか日本語を操ってスゴイ物語を紡ぐ作家さんがスゴイのです。誤謬の多さ巧みさ、立体感あふれる描写にエッチなシーンがとても鮮明に浮かび上がってきます。
官能的な描写がこれほど印象的なミステリはかつて経験したことがなかったです
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ずっと気になっていた作品。ようやく読みました。
読み終えてまず思ったのは、なるほど~、でした。
どうして多くのミステリ作家がこの本の名を挙げるのか。
読んで納得です。
なんといいますか、よく騙し絵にたとえられているようですが、そうではなくて。
終章の前に4章あるのですが、それぞれ視点が違います。
その4章がそれぞれの絵を描いていて、その4枚を重ねて透かして見ると初めて本物の絵が浮かび上がってくるような。
だから章を重ねるごとになんとなく真相の予想がついてきてしまったのはしょうがないのでしょう。
それでもその仕事は職人の技としかいいようのない巧みさ。
まさに溜息のでる美しさでした。
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傷心を癒す旅に出た紀子は、東北地方の山村で急に水量の増した川の岩場に取り残される。しかし、地元の若者・晃二に助けられ、その夜、彼の家で紀子は抱かれる。しかし、晃二は1か月前に毒殺されていたのだ。紀子を助けた人物は何者なのか?
トリック自体は前例もありますし、ややアンフェアな気もしますが、幻想的な雰囲気と、一体何が起こっているのかという不可思議さ相まってがとても魅力的です。まさに「騙し絵」という言葉がピッタリな恋愛ミステリーです。
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『妖女のねむり』と同じく、幻想的な雰囲気たっぷりのミステリです。
一晩を共にした人が、実は1カ月前に死んでいたという魅力的な謎とともに、自身の記憶と一致する部分もあれば、齟齬を感じるといった主人公の不安もこちらに伝わってくるようでした。
途中、明らかに意図的なデジャヴを誘う記述も、読者の目を廻す役割を担っています。
物語も後半に差し掛かると、怪しげな女性の目撃などで、より妖しい雰囲気が漂い始めます。
そして明かされる真相は、やっぱり妖しいものでした。トリックというよりは、イリュージョンを見せられた気分。右手に注目を集めておいて、左手で小細工をするような、まさにマジシャン泡坂妻夫らしい仕掛けです。
『妖女のねむり』に勝るとも劣らぬ傑作です。
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ストーリーは面白いけど、晃二の正体がう~ん。
同じ系の叙述トリックは読んだことあったから3章くらいからなんとなく読めてたし、伏線は張ってるんだけど、ずるい感じがする。
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20170417 最初はなんだか置いて行かれたような気分になった。章が進むにつれ、勘違いだったのかと思わせ、最後に、そういう事か!と納得させてくれる。良い本でした。
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2010年代の今読むならば、台詞回しにしろ情愛シーンの描写にしろ、何とも呑み込み難い陳腐な表現にどうしても感じられるが、執筆当時の流行と風俗に思いを馳せれば腑にも落ちる。
開発が進む昭和の山村を舞台とし、当地の祭りなども小道具として用いて土着民俗ものの匂いすら漂わせている本作は、松本正張作品にも通じる空気を纏っている。
多様性というものが叫ばれて久しい昨今に生きる我々にとっては、使われている叙述トリックのタネやプロットからもはや大きな驚きは得られず、さすがにそらちょっとしんどいやろ! とツッコみたくもなるが、あくまで古典を味わうという感覚で。
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ヤンデレメンヘラこわい。
この話、1978年の作品らしんですが、そのころにゃ「ヤンデレ」とか「メンヘラ」ってことばはなかったよね。いまでこそそういうキャラクタは多いけど、その頃に読んだらきっとものすごい衝撃だったんだろうな。
ミステリだと思って読み始めて、ミステリではあったんだけど、結構な部分でセックスしちゃってるので、あれこれ官能小説? って首を傾げてました。露骨にやってるわけじゃないけどさ。耽美的な。勉強になるなぁ。
途中、粧子のくだりのまんなかあたりで、「あ、これ、Pっての、女だな」とは気づきまして、そうすると、最初紀子が会った晃二が誰かも分かる。まさか漆塗りの小箱のなかがそういうものだとは思わなかったけど。
ラストのオチも好きですが、緋紗江はともかく、刑事さんには幸せになってもらいたい。