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  • カテゴリ:小学生
  • 発行年月:1992.12
  • 出版社: ほるぷ出版
  • サイズ:28cm/1冊
  • 利用対象:小学生
  • ISBN:4-593-56034-9
絵本

紙の本

モンテロッソのピンクの壁

著者 江国 香織 (作),荒井 良二 (絵)

モンテロッソのピンクの壁

税込 1,760 16pt

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みんなのレビュー11件

みんなの評価3.8

評価内訳

紙の本

猫のハスカップの愉快で、不思議な、奥深い旅の物語

2005/05/02 15:24

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:まざあぐうす - この投稿者のレビュー一覧を見る

ハスカップはうす茶色の猫。体の大きさは中ぐらい、性格は楽天的で、金茶色の目をしています。どこにでも居そうな猫ですが、それが違うのです。
小さな洋館の年取ったご婦人に飼われていて、毎日ソファーの上でまるくなって眠っていました。恵まれている猫、そして、怠惰な猫と思われそうですが、それも違います。
ハスカップには繰り返し見る夢がありました。夢に出てくるのは、それはそれはきれいなピンクの壁。それが、モンテロッソのピンクの壁。
「あのピンクの壁のある場所こそ、私がどうしてもいかなきゃならない場所なんだわ。なぜだかわからないけれど。」そして、それが、ハスカップの旅のはじまり。
ご婦人の足をひとなめして、港に向かって雄々しく歩き始めるハスカップ。「何かを手に入れるためには何かをあきらめなきゃいけないことくらい、私はよく知っている。」ハスカップは、賢い猫なのです。
港を過ぎ、気球に乗って、丘を越え、川を渡って、森を抜けて・・・ハスカップのモンテロッソへの旅は続きます。気球研究家や庭師のおかみさん、辻音楽師や運転士に遭いました。屋根を歩き、野原で眠り、市場を横切って、とうとうモンテロッソに着きました。そして、夢の中のピンクの壁にたどり着きました。

「モンテロッソのピンクの壁」はハスカップにとってどうしても行かなくちゃならない場所だったのです。夢の中のピンクの壁に向かうハスカップの愉快で、不思議な、奥深い旅の物語。読み終えた時、ハスカップの決意が並々ならぬものであったことに気が付くでしょう。
「ほのぼの文庫」はこちらです。

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紙の本

絵とストーリーがマッチして、深い世界をつくり出している。

2015/11/25 15:29

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る

鮮やかな色彩の絵、不思議な味わいのストーリー、どちらもいい。
ページを開けると、目に飛び込んでくるのは色、色、色ー様々な色。明るくてはっきりした色が多いこともあるが、何とも惹きつけられる色の使い方だ。内容も、町、気球で空を飛ぶ様子、家の中と色々あるが、わくわくするような、それでいてどこかほっとするような、素敵な絵で、印象的。
ハスカップという猫が、夢で見ていたピンクの壁のあるモンテロッソを目指して旅をするというストーリーもおもしろい。小さな事件が起こったり、ハスカップのひとひねりのある性格がわかったり、読みごたえがある。ラストの複雑な味わいもいい。

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紙の本

メルヘンたっぷり、でもハードボイルド?

2009/03/06 11:13

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:きゃべつちょうちょ - この投稿者のレビュー一覧を見る

絵本はおとなになっても持っていたいもののひとつ。
というか、これはおとなの絵本なのかも。

内容は、ハスカップという薄茶色した猫が
夢の中でみたピンクの壁を探し求めて、「モンテロッソ」に旅立つ物語。

旅の途中で起こる色々なこと。
お腹が空いて、焼きソーセージの屋台に目が釘付けになるけど
ちゃんと自分でねずみを捕まえて、街の奥さんに
肉パイと一緒に焼いてもらって食べたり。
バイオリン弾きのメロディーに心を惹きつけられたり。


「音楽師はうちひしがれていました。
彼の音楽と人々の求める音楽がどうもちがうものらしいからでした。
・・・・・芸術家にはよくあることです」

「人々は・・・・・哀切な音楽が聞きたかったのです。
でも、音楽師は悲しみを売り物にするのは
絶対いやだと思っていました。
喜びだけを奏でたい、と、切実に願っていたのです」


ここの描写から、なんとなく江国さんの文学に対する思いが
伝わってくる気がしました。
ニーズにこたえるということも重要なのでしょうが、
それよりも重要なのは、自分の気持ち。
喜びでも、悲しみでも、表現したいものを表現する。
媚びない姿勢が気持ちいいです。

住み慣れた環境を飛び出して、冒険するハスカップは
ひとつのところに留まるのが苦手な江国香織さん自身なのかも・・・・・。
そんなふうに感じてしまうのでした。



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2012/01/31 18:04

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2012/10/14 17:05

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2015/07/11 06:59

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2017/06/02 21:46

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2019/12/19 22:28

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2022/12/18 07:22

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2024/03/31 00:17

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2023/05/05 05:38

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