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デューン砂の惑星 改訂版 4 (ハヤカワ文庫 SF)
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紙の本
用語集とか補遺を必要とするくらいに物語世界を理解するのは大変です
2005/09/11 18:08
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
読みやすい文章が面白いとは限らないけれども、難解な文章は物語が本来持っている面白さを幾分か減らしはしないかと思います。それが翻訳物となると、文章の難解さがもともとのものなのか、翻訳上の問題なのかわからなくなって、余計物語の面白さに影響してしまうのではないかと、色々余分なことを考えてしまいます。
この『デューン砂の惑星』も、物語は大変面白いのだと思います。大方の本を1回切りしか読まない私が、これで3回も読んでしまったくらいですし、3回も読みたくなる気持ちにさせるのですから、きっと間違いなく面白い本なのだと思います。それでも、何回読んでもやっぱり文章は難解です。今回読んでも、字面を追っているだけのページが何ページもありました。これは一体どうしてなのか?
もちろん上に書いたように、翻訳上の問題もあるのかもしれません。しかし、それよりも大きいのは、このデューンの世界を作り出している様々な概念や造語なのではないでしょうか。この第4巻まで、何度か巻末の「帝国における用語集」をめくってしまいました。
そして、やはりこの物語全体の背景となっている世界観が、読み進めていく上での難解さの原因の一部なのだろうと思わさせられたのが、この第4巻の物語のあとに収められている「補遺」でした。この「補遺」には、デューンのエコロジー、宗教、ベネ・ゲセリットの目的、代表的貴族の紹介が綴られています。これを読むと、これまで苦労して読んできた物語のいくらかを理解するのに役立ちます。だからと言って、先にこの「補遺」を読んでおけば物語を読みやすくなるかというと、そういうわけでもないと思いますが。
「デューン」と名付けられ、日本題で「砂の惑星」と呼ばれる物語は、この第4巻で完結します。それまで比較的ゆっくりと進んできた物語が、様々に展開して結末へ向かいます。結末でようやく役者も出揃ったという感じです。
私たちはすでに知ってしまっているので余計にそう思うのでしょうが、やはりこれで終わりではないですね。ここからようやく始まるという感じです。そして、「ここから始まり」というのは、「補遺」を読んでもわかります。ここで描かれている世界がこんなに簡単に決着がつくわけないですよ。