1973年から74年にかけ、『終末から』(筑摩書房)創刊号~第8号に一部が連載。未完で終わった後、『小説新潮』1978年5月~1980年9月に連載され完結。 「ある(註:物語中には明記されていないが、本文の記述から換算すると1971年)六月上旬の早朝五時四十一分、十二両編成の急行列車が仙台駅のひとつ上野寄りの長町駅から北へ向かって、糠雨のなかをゆっくりと動き始めた」ところから、物語は始まる。三流小説家の古橋健二は、奥州藤原氏が隠匿したとされる黄金探しに熱中している元高校教師を取材するため、雑誌編集者とこの夜行列車『十和田3号』に乗り合わせていた。ところが、一ノ関手前で列車は急停車し、そこから…
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