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紙の本
塩の道 (講談社学術文庫)
著者 宮本 常一 (著)
生活学の先駆者として生涯を貫いた著者最晩年の貴重な話――「塩の道」、「日本人と食べもの」、「暮らしの形と美」の3点を収録した。日本人の生きる姿を庶民の中に求め、村から村へ...
塩の道 (講談社学術文庫)
塩の道
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商品説明
生活学の先駆者として生涯を貫いた著者最晩年の貴重な話――「塩の道」、「日本人と食べもの」、「暮らしの形と美」の3点を収録した。日本人の生きる姿を庶民の中に求め、村から村へと歩きつづけた著者の厖大な見聞と体験がここにはある。日本文化の基層にあるものは一色ではなく、いくつかの系譜を異にするものの複合と重なりである、という独自の史観が随所に読み取れる本書は、宮本民俗学の体系を知るための最良の手引きとなるだろう。【商品解説】
目次
- 1 塩の道
- 1.塩は神に祭られた例がない
- 2.製塩法とその器具の移り変わり
- 3.塩の生産量の増加に伴う暮らしの変化
- 4.塩の道を歩いた牛の話
- 5.塩を通して見られる生活の知恵
- 6.塩の通る道は先に通ずる重要な道
- 2 日本人と食べもの
- 1.民衆の手から手へ広がっていった作物
- 2.北方の文化を見直してみよう
著者紹介
宮本 常一
- 略歴
- 1907年、山口県生まれ。天王寺師範学校卒業。武蔵野美術大学教授、日本観光文化研究所所長を歴任。文学博士。1981年没。主著は、『宮本常一著作集』(全20巻)、『私の日本地図』(全15巻)ほか多数。講談社学術文庫に『民間暦』、『ふるさとの生活』、『民俗学の旅』などがある。
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紙の本
饒舌な民俗学
2005/08/16 21:07
12人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うみひこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
名著として知られるこの『塩の道』の魅力は、何といってもこの著者独特の語り口にあるだろう。ゆっくりと語り出される話に耳を傾けていると、思いがけない場所に連れて行かれる。それは、柳田国男の『遠野物語』のような、冥界の香りのする異国への旅とは違う。手を伸ばせばすぐ傍にある裏山の、その又向こう、歩こうと思えばずんずん入っていける山の中のようで、確かに知っている日本のどこかの話なのだ。すぐ近くにいながら見落としていた風景が語り出される。そして、今すぐ田舎の祖父母に確認すれば教えてくれるかもしれないその身近なその風景の中に、日本を支えてくれた先人の知恵と工夫を著者が見いだしているのを知ることになる。
私にとって最も魅力のあったのは「塩の道を歩いた牛の話」の章だ。簡略に言ってしまうと、塩を運ぶのには主に牛が使われていたという話なのだが、そこから見えてくるものの豊富さと、著者の語りに酔ってしまうようだ。三陸の海岸でできた塩を、牛の背に乗せて北上川をさかのぼり、「塩っこと稗っこを取り替えねえか。」と叫んで、物々交換で交易する風景。「道草」をして、道端の草を餌にして、どんな細い道でも入っていく牛の方が馬より荷運びに便利だったという指摘。石を投げて、山の神に許可を得て、その場所に火を焚き、その回りに輪になって、足を内側に向けて牛を寝かせ、その牛の腹に身を寄せて夜を明かす野宿の風景。鮮やかに目に浮かぶ習俗の描写と、納得がいく解き明かしとの妙が楽しめるのだ。
この他にも、トウモロコシ、蕎、稲作、赤米、サツマイモ等々について古代、平安、中世から現代に縦横無尽に語り明かし、命を繋いでいく工夫をしようと呼びかける『日本人とたべもの』、農具や建築、お膳や畳等の生活用品について、生活の中の美と長い工夫の知恵との歴史の再評価を語りかける『暮らしの形と美』が収録されている。
饒舌で豊かな、めくるめく宮本ワールドへの第一歩として、是非お薦めしたい1冊である。
紙の本
食べ物から見る日本人のルーツ
2015/08/13 21:31
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アルマ - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルの通り半分は日本人と塩について書かれております。
塩はとって欠かすことのできないものですが、内陸部に住んでいる人はいかにして塩手に入れていかなど、塩普通に手に入る現代人にとって非常に興味を引かれる話ばかりでした。
紙の本
講演記録
2023/08/02 15:05
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
「塩の道」「日本人と食べもの」「暮らしの形と美」の三篇からなる講演記録のような本である。講演記録だから当たり前のことであるが、読者に対して語り変えてくるような文章がとても読みやすく親しみやすい。本書が対象としている 時代地域は考えてみたら半世紀ほど前の日本の農村の姿であるのに、遠い遠い昔のような気がするのはなぜだろうか?
第三話の中に出てくる騎馬民族征服説は話としては面白いが、現代ではほぼ否定されていると聞く。著者はこの説に思い入れがあるのだろうか?