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商品説明
会社や家庭に幅広く普及した「未知なる箱」パソコンの構造やその基本的な機能を解説。各パーツがどのような目的をもっているのか、なぜ必要なのかをやさしく紹介する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
小泉 修
- 略歴
- 〈小泉修〉1959年東京都生まれ。フリーのシステムエンジニア等を経て、(株)インテリジェント・リサーチを設立、代表取締役を務める。著書に「図解でわかるLANのすべて」ほか。
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紙の本
パソコンとその部品の仕組みを徹底解説。パソコンというブラックボックスの正体が分かる
2000/07/22 06:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:志賀 武 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は,パソコンを構成する,あるいはオプションで提供される,ハードウエアの仕組みや機能,動作の基礎知識や歴史などを解説している。
はじめに、本書の問題点から指摘を行うことにする。内容が間違っているとか,構成やビジュアルに問題がある,ということではない。最近の本としては地味ではあるが,内容と表現は非常にマッチしてよくできた本だ。カラーで写真を多用した書籍の何倍もの情報が詰まっているし,簡潔にまとめられたイラストや適切に使われた脚注やコラムなど誉める要素はいくらでもあったのだが。
問題はこの本が,「家電と同レベルに普及しているPCは,まだまだ“未知なる箱”」だと思っている人たちに「難しい理屈は最小限にあくまでも便利な道具としてPCを使いこなす点に注目」して書かれているらしいことだ。
まず第一に,「PCの構造やその基本的な機能を理解することにより」,「“未知なる箱”の正体が明らかになる」という考え方。確かに,電子レンジでいえば,おおまかな仕組みを知っておいた方が,使いこなしに便利なこともある。また,濡れた猫を電子レンジに入れて乾燥させようとすることもないだろう。しかし,パソコンにも同じことが言えるのだろうか? 中身の基礎を知らなくても改造や機能強化を自分でできない人でも,メーカーの推奨するハードウエアの使用法を守り,十二分に使いこなしている人は大勢いる。
第二に,「難しい理屈は最小限」という点。ほとんどの部分で,見事な図解と説明で仕組みが分かりやすいように,とてもうまく処理されている。ただ,「論理回路」あたりになると,ほとんどの人は頭を抱えてしまうのではないだろうか。少なくとも,私のまわりの普通の人は,2進法の説明でもまず拒絶反応を示す。
そして何よりも,著者は「皆さんが本書を読み終える」と考えていることだ。一つひとつは,そんなに難しいことが書かれているわけではないが,パソコン初心者でこの本を通読できる人は,そう何人もいないと思う。
ここまで,著者の考え方を否定してきたのは,本書の内容が実は素晴らしいからである。途中でつまづいたときに,「プロローグ(はじめに)」を見る限り,誰でも理解できそうだったのに... やっぱりPCって難しいものなんだ...と思ってほしくないのである。
広辞苑を読むのは面白い,と言った人がいたが,この本は,読むのではなく事典として活用されることを勧めたい。最初は事典として活用し,面白いと思った部分を読んでいく。そして,また事典として活用する。そんな読み方がマッチすると思う。
うんちくが好きな方には,通読も勧めよう。パソコンショップのえらそうな口をきくお兄さんたちでも,この本の半分も知識がある人は多分限りなく少ないはずである。
もちろん,自作派や旧マシンの改造を考えているような人には,最低でも「積読(つんどく)」をお勧めしたい,かなり実用的な本でもある。
(C) ブックレビュー社 2000