もともと、ちょっと特殊な、といったら語弊があるか、キッチュでフェティッシュな美学をお持ちの方だとは思っていましたが、うん、この作品は今まで読んだなかでは一番しっくりきたね、わたしには。 なんとっても主人公が「クリムト専門の贋作者」である、という変な設定がいい。「贋作者」なんてものに専門分野なんかないだろう、と思うのが普通だろうが、クリムトみたいな画家だとそれなりに説得力あるし。 主人公と恋人というか、愛人のキキ、かなり胡散臭い画商の三人の関係が主題で、こう書くとたぶん、容易に予想できるでしょうが、いわゆる三角関係の物語です。でも、いわゆる、単純なメロドラマ的な展開にはならないんだよな。 一番…
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