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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2000.4
  • 出版社: 中央公論新社
  • レーベル: 中公文庫
  • サイズ:16cm/413p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-12-201833-4
文庫

紙の本

失敗の本質 日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

著者 戸部 良一 (ほか著)

大東亜戦争での諸作戦の失敗を、組織としての日本軍の失敗ととらえ直し、これを現代の組織一般にとっての教訓とした戦史の初めての社会科学的分析。【本の内容】

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失敗の本質 日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

税込 838 7pt

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みんなのレビュー638件

みんなの評価4.3

評価内訳

紙の本

日本軍から今なお僕らが学べる事

2006/11/05 11:36

33人中、31人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くにたち蟄居日記 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 今年の正月にたまたま手に取ったが 読み始めるや置くあたわずという経験をするほどに一気に読みきった。


 内容的には第二次世界大戦における日本軍の敗北を 組織論で分析したものである。当然ながら著者達が それを1980年代半ばに世に問うたのは 戦争の分析ではなく 戦争という壮大なケーススタディーを実社会にどのように応用するかという点にある。


 結果として出来上がった本書の出来栄えには実に感銘を受けた。著者達が指摘・分析する日本軍は 2000年代の企業に勤務する我々にして全く笑えない。というか 日本軍が犯したミスは そのまま我々の日常勤務の中にも 同じような形で発生していることが強烈に感じられ 笑うどころか 少々青ざめる位である。


 日本において 第二次世界大戦とは 戦争責任をどう考えるかという文脈で語られることが多い。それは当たり前だ。今なお周辺国との間に発生し続ける戦争責任を巡る問題は 日本が戦争責任を曖昧にしている面はあると思う。


 一方 全く違う視点で第二次世界大戦から「学ぶ」という試みもあってしかるべきだと思う。その意味で 本書は企業の組織論に落とし込む方向で 日本軍を分析している。これは 小生にとっては大変新鮮な視点である。しかも 大変有効なものであると思う。


 非常に抽象化した言い方をすると「ある物事から何を学ぶか」という点で本書は際立っている。そんな風に感じた次第。

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紙の本

東日本大震災という「自然との戦争」で再び露呈した日本型組織の欠陥

2011/04/11 18:48

15人中、13人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:yjisan - この投稿者のレビュー一覧を見る

池田信夫氏が福島原発事故との絡みで本書を紹介したこともあって、この古典的名著の売れ行きが最近、急激に伸びているらしい。
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51692957.html
(この文庫版はネット書店では、現在売り切れになっているようだ)



本書はノモンハン事件、ミッドウェー作戦、ガダルカナル作戦、インパール作戦、レイテ海戦、沖縄戦という、日本軍の著名な失敗作戦を主要な事例として、(日米の物量差ではなく)日本軍の組織的欠陥というアプローチから日本の敗因を分析したもの。戦史研究と組織論を組み合わせた点が斬新であり、軍事組織に限らず全ての組織が心得ておくべき普遍的な教訓を導き出している。


第1章「失敗の事例研究」における個々の作戦の検証も具体的かつ詳細で勉強になるが、やはり圧巻は、第1章での個別検討を踏まえた第2章「失敗の本質」以降であろう。第2章では6つのケースから共通して見られる作戦の性格から、日本軍の組織文化を浮き彫りにする。

すなわち「戦略上の失敗要因分析」として、
・あいまいな戦略目的(作戦に二重の目的が与えられたりするため、中央の意思が現場に十分に伝わらず、作戦の遂行に際して混乱が生じる)
・短期決戦の戦略志向(当初のシナリオが破綻し戦闘・戦争が長期化した場合を想定していないため、その場しのぎの近視眼的作戦ばかりが立案され、戦力の逐次投入という最悪の結果を招く)
・主観的で「帰納的」な戦略策定(科学的検討ではなく情緒や空気によって作戦が決定されるため、楽観論に傾き人情論・精神論に陥りがち)
・狭くて進化のない戦略オプション(奇襲戦法一本槍で、前線部隊の勇気・技量に依存しているため、現場に過重な負担がかかる。また情勢が変化した場合、初期作戦が失敗した場合の計画変更ができない)
・アンバランスな戦闘技術体系(零戦や戦艦大和に見られるように、一点豪華主義の上、その操作に名人芸が要求される特殊な兵器を好んで開発し、標準化による大量生産を軽視)
の5点を、

「組織上の失敗要因分析」として、
・人的ネットワーク偏重の組織構造(硬直的な年功序列型人事、人間関係や情実に左右される集団主義的意思決定のため、人的資源が効率的に配分されない上、公式の命令系統が重視されず、意思決定が不透明かつ不合理で時間ばかりかかる)
・属人的な組織の統合(縦割りで連携が取りにくく、組織間の調整は個人が制度に依拠せずに行うので、原理・原則を欠いた組織運営を助長し作戦の統一性・一貫性が失われる)
・学習を軽視した組織(失敗から学ばず、過去の成功体験に根差した教条的戦法を墨守したため、情報の収集・分析を怠り同じ失敗を何度も繰り返す)
・プロセスや動機を重視した評価(信賞必罰が貫徹されず、軍紀違反よりも敢闘精神が重んじられるため、無謀な突撃作戦が横行)
の4点を挙げている。


第3章「失敗の教訓」では、日本軍が環境に適応する形で極限まで効率化・特殊化した結果、いったん完成された形態を維持する力が強く働くようになり、外部環境が激変する中で自己革新に失敗したことが詳細に論じられる。歴史教育などの影響からか、一般的には日本軍は好戦的だったと思われているが、現実には「平和ボケ」していたことが指摘されており、頗る興味深い。まさに日本軍は、平時には有効に機能しても有事には非常に脆弱という、守旧的・閉鎖的な日本型組織の典型である。



翻って日本の「原子力ムラ」(原発利権によって結びついた政官産学のインフォーマルな人的ネットワークを指す)のことを考えてみると、「常勝不敗」を自負していた日本軍と同様の問題点を抱えていると言えよう。彼等は「日本の原発は世界一安全」「万全の地震対策」と豪語しながら、安全対策はおざなりで、全電源喪失という最悪の事態を想定すらしていなかった。事故発生後も、希望的観測にすがり状況を楽観視、官邸・保安院・原子力安全委員会・東電といった組織間の連絡・調整も不十分で、ベント・海水注入といった意思決定は遅れに遅れた。放水作戦でも、指揮系統の一元化を図らぬままに菅政権が場当たり的な指示を連発し、現場をいたずらに混乱させた。http://news.livedoor.com/article/detail/5443995/ 挙げ句の果てには、後処理について考慮しないまま冷却水を注水し続けた結果、大量の「高濃度汚染水」の移設先に窮することとなり、漁業関係者や諸外国への事前通知無しに「低濃度汚染水」を海洋に流すという暴挙に出た。
結局、後先考えずに目の前の懸案だけを応急的に処理していくから、次から次へと「想定外の事態」が発生してしまうのである。
そして縦割りの弊害は改善されるどころか、対策本部や会議が乱立することで権限と責任の所在がますます不明確になっていき、枝野官房長官の孤軍奮闘ぶりが突出するというイビツな組織構造を呈するに至っている。

本書は次のように述べている。
「軍事組織は、他の組織と比較して組織内外にたえず緊張が発生し、不安定な組織であると考えられるかもしれないが、それは戦時だけのことである。それは、平時には、企業組織のように常時市場とつながりを持ち、そこでの競争にさらされ、結果のフィードバックを頻繁に受けるという、開放体制の組織ではないのである。だからこそ、軍事組織は平時にいかに組織内に緊張を創造し、多様性を保持して高度に不確実な戦時に備えるかが課題になるのである・・・(中略)・・・軍事組織は、平時から戦時への転換を瞬時にして行えるシステムを有していなければならない」

この提言は、「核」を扱う原子力行政にそのまま当てはまる。「日本の原子力技術は世界最先端」などという根拠の無い驕りを捨て、日本の原子力政策はゼロから作り直す必要があるだろう。

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紙の本

組織としての日本軍を失敗事例から、考える本。

2009/06/06 07:31

10人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:龍. - この投稿者のレビュー一覧を見る

組織としての日本軍を失敗事例から、考える本。

ガダルカナル作戦やインパール作戦など、明らかに失敗した戦いを客観的な視点からみています。軍の組織的な要素を重点的に捉えることで、組織論の本として書かれていますが読み物としてもいける内容となっています。

失敗事例のなかで様々な教訓が浮き彫りとなってきますが、現代の日本企業にも当てはまるものが多いように感じました。

日本人の特性として、集団で行動することについてはほかの民族に比べ得意です。ですから、団体競技など団結力を要するものは、個々人の基礎的な能力が劣っていたとしてもカバーできる部分もあります。

しかし、決定的に不足しているのは現場の適応力。

現場の指揮官が、周りの状況を見た上で判断する訓練を受けていない(またはそのような事態を想定していない)ため、予定外のことが起こったときに適切な対応ができないということがあります。

戦争では、それが死につながります。

現代では、そのような現場の失敗が会社の業績に悪影響を与えることになります。

この適応力のもととなるのが論理的思考。

よく考えてみれば義務教育から「考える」という訓練を受けた記憶があまりありません。

論理的思考は、やはり訓練によって培われるもの。

失敗しないための答えは、本書にはありません。

しかし失敗から何を学ばなければならないかはよく分かります。

龍.

http://ameblo.jp/12484/

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紙の本

日本社会の落ち度

2003/06/26 04:48

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:濱本 昇 - この投稿者のレビュー一覧を見る

大東亜戦争の日本軍の失敗(ノモンハン事件、ミッドウェー作戦、ガダルカナル作戦、インパール作戦、レイテ海戦、沖縄戦)を通じて、日米の組織の違いの面から、その原因を明らかにした書である。
 一部で各戦闘の詳細を述べ、二部、三部でその組織論を論じている。その組織論は今日の政治組織、会社組織の日米の違いと相関して面白かった。
 本書で結論付けている日米の大東亜戦争における組織の違いを下表に纏める。
分類 項目       日本軍      米軍
戦略 1.目的       不明確      明確
2.戦略思考      短期決戦 長期決戦
3.戦略策定      帰納的      演繹的
4.戦略オプション 狭い−統合戦略の欠如- 広い
5.技術体系 一点豪華主義 標準化
組織 6.構造       集団主義 構造主義(システム)
7.統合      属人的統合 システムによる統合
8.学習      シングル・ループ ダブル・ループ
9.評価       動機・プロセス 結果
上表のように、軍事的組織の違いを比較した時、現在の政治・会社組織と同様な違いが有る事が面白い。一つ分かり易いい例を示そう。米軍には、陸海空を統合する戦略立案組織が存在し、機能していたのに対し、日本は陸海軍が独自に戦略を立案し、その調整機関として大本営が存在していたが、実際には機能していなかった。声が大きい方の案が通る、いわゆる「空気」が支配してた戦略決定だったようだ。これは、日本の今の行政の縦割りと共通しているように思える。
 ネパールトレッキング中に読み、今、帰って疲れているところで感想を書いているのでこの辺で止めるが、非常に、興味深く読めた一冊である。

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紙の本

失敗の本質 日本軍の組織的研究

2016/12/05 20:32

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:じゅげむ - この投稿者のレビュー一覧を見る

この本を読むと気分が悪くなるのである。何故かというとこんなにも日本軍はいい加減で戦略も戦術もない愚かな組織なのかということが分かるからである。明治維新以後の日清日露の両戦争に偶然に勝ったことからその経験を元にして変な伝統ができて持ってしまったしそれから得た物の考え方がその後の日本の軍隊の根底をなしてしまった。それにより膨大な若者を殺して犠牲にしてしまった。翻って見るとそのおかげで今の日本があるわけである。こんな愚かなことと思うが今の日本でも愚かな判断、愚かな教育、愚かな政治、愚かなメデイアなどが散見できる。この本を多くの若者、多くの経営者、多くの政治家、多くのマスメデイアの人々に読んで欲しい。そして日本の進むべき方向性を間違えないようにして欲しいと思う。過去は良い鏡である。多くの霊に真摯に対面していかないと。

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紙の本

声の大きい人の意見が通る危険

2017/01/31 11:10

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ルイージ - この投稿者のレビュー一覧を見る

今現在でも多くの組織や国家において強硬な精神論や無謀な積極論が高く評価されがちで、自重論者は卑怯者扱いされがちである。そのような態度こそが大きな失敗を招いたということを、我々は本書から学ばなければならない。名著である。

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紙の本

日本軍は何で負けちゃったんだろう

2001/09/09 16:23

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:道成寺 新 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 日本の組織論、歴史に関する学者である著者たちが、日本軍の失敗した作戦とその本質について考察したもの。

 なんでか、というと、アメリカは組織で学習をすることができたので、いろいろと戦略・戦術に関する構想を変えていくことができたけど、日本はアメリカの逆で、組織で学習することができなくて、旧来の戦略・戦術に関する構想にこだわってたんだ、ということになる。例えば、巨砲主義をとって、本格的な空軍をつくらなかったりしたことだ。

 これは、日本軍を振り返って、がたがた言っているセンチな本じゃない。組織、人の集まりをどう上手くやっていくか、についての考察だ。それを、数千万人もの人が動いた日本軍をいうものを通じて考える、というものなのだ。

 組織は、学習しないといけない。でないと、死んでしまう。では、どうしたら学習できるのだろう。そんな観点で多くある野中郁次郎さんの「知」に関する本を読めば、流行の経営論ではない、もっと深い問題意識が見えてくるだろう。その意味でも、まず読んでほしい。文庫で安くもなっているし。

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紙の本

失敗の本質は非自己革新組織

2004/05/14 06:58

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:13オミ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 日本軍は組織構造上、上意下達型機能重視の官僚制を敷きながらも、組織メンバー間の「間柄」に対する配慮も併せ持っていたという。ならば、当時の官僚制の体系図とそれぞれの役職間の間柄について詳述すべきである。組織論的研究というにはその部分の詳細が明らかではない。統帥部長・次長・参謀長・師団長・司令官・提督だとか数限りないポスト名が出てくるが、官僚ポストの相互関連性や誰と誰が密接につながっているのかといったことが全くわからない。

 日本は尻蕾風味が強い。大学入試は入学に意欲を燃やすシステム。大学生というポストを獲得すると自己変革がない。官僚ポストや閣僚ポストもそう。獲得するまでは一生懸命だが、その後は保守。会社もそうだ。当然、これは大きなシステムやポストだけに当てはまるものではない。あたしの前いた会社では、企画・販売のプロジェクトをいくつも抱えていた。さあ、みんなで一緒にやりましょうという掛け声はよかった。計画書もばっちり。そのプロジェクトがうまくいったかいかないか早晩結果がでる。しかしその結果を徹底的に分析してよかった点や敗因を次に変革してつなげるというのをしない。やりっぱなしという奴ですな。これが末端まで浸透している。生き馬の目を抜く市場経済だから、次から次へと新しい何かをしないと追いつけない。そうした漠然とした不安感の中で、検証部門というシステムもなく、個人がそれを行うという矜持もない。急いで闘わないと負けるという戦時中と同じ心理的状況下で、再び日本社会は同じ方法を取っているのだなあと本書を読んでいて思った。

 失敗の本質は、日本軍が自己革新組織と成り得なかったという点であるらしい。戦略>戦術>戦闘という不等式の中で、その全てが一元化や整合性をもたない組織であったという。その部分の詳細は読んでみればわかる。ではなぜ、そんなばらばら状態で闘えたのか? それは「必勝」という精神主義でカバーせよという一丸空気だけは浸透していたからである。精神主義は合理的な革新を妨げる。最後はやる気だよという安易な結論に逃げ込むことを許容するのだ。それを動機・プロセスの重視とも言う。こうしたことが本書ではもっと詳しく語られている。

 それでも日本は戦後経済大国となり、世界的にみても環境に適応してトップクラスにまで踊り出た。負けた原因を解明してよいところと悪いところを整理してここまで来たのだろう。これは当時の日清・日露戦争や太平洋戦争初期の素晴らしい勝利と同じではないだろうか? この後に何がきたか? そう、戦局は負けに傾く。今の日本もそうではないのか? 過去の成功事例に酔いしれ、そこから出ることのできない卑しい保守。組織論は非常に難しいが、私がここまで考えるに至った本書の功績は大きい(笑)

 戦争はしてはいけないなどと観念的な本が多くなっている中、戦争の敗因分析を組織論から徹底的にしている本書は刺激に満ちている。イラク戦争のアメリカ敗因分析本がでればなと思う。

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紙の本

軍事史と経営学を統合した名著

2002/05/19 15:39

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ミスターZ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 歴史に学ぶ経営書は多いが、本書のようにある程度アカデミックな著書はほとんどない。経営学のコンティンジェンシー・セオリーにもとづいて、日本軍が環境に柔軟に適応できない硬直的な非合理な組織であった点に、日本軍の失敗の本質を求めたのは斬新である。また、この本と逆の興味深い主張をしている本が、「組織の不条理」である。あわせてと読むと、おもしろい。さらに、本書は「失敗学のすすめ」とも違う意味で今日でも役立つ名著である。

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歴史上の戦争の内容はさておき、

2023/02/13 18:52

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:びずん - この投稿者のレビュー一覧を見る

現代においても活用できる組織論が記されていた。1同じビジョンを持つ。2風通しよく、誰でも発言できる。3リスクマネジメント、失敗は成功のもと。4主体的な自己革新組織。環境が変化したら臨機応変に取捨選択ができる。こんな要素がそろっていればいい組織になりそうな感じ。これを受けて、私が思い出したのは、高校の部活の仲間だった。そういう組織にいた経験があることは、今の組織で臨機応変に役割を見つけるヒントになっていくと思う。とりあえず「察しの文化」は仕事にはいらない。
上司にお勧めされた本。

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反省のヒント

2022/11/29 23:17

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投稿者:青い鳥 - この投稿者のレビュー一覧を見る

日本的組織の失敗から学び、自身の会社やチームを環境に適応できる組織へと変革する力としてゆきたいと思います。

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敗戦の原因がわかりました。

2018/08/12 12:18

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投稿者:よっち - この投稿者のレビュー一覧を見る

日本軍が、いかに戦略を持たずに太平洋戦争に突入したのかが、よくわかりました。
何十万人の兵士たちが犠牲になったことを思うと、70年以上前の話とはいえ、胸が痛くなります。
自分の仕事でも、常に失敗の本質を考え続けていきたいと実感しました。

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紙の本

国力の差だけではない

2017/04/23 11:52

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:RASCAL - この投稿者のレビュー一覧を見る

「超」入門・失敗の本質を読んだのですが、物足りなかったので元ネタ本も読んでみました。日本側戦死者200万人vs米国40万人、よくもまあここまで負けたものです。物量や国力だけではない、日本軍に組織的欠陥があり、負けるべくして負けた。目的が明確で下部組織にもそれが共有できていること。現場からのフィードバックを受け入れる仕組みがあること。新技術を取り入れる素養と仕組みがあること。思考が論理的で合理的であること。成果主義の人事制度。そんなところでしょうかね。自分の会社に当てはめて考えてみます

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紙の本

歴史から学ぶ 組織論

2017/04/04 21:35

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投稿者:オーケー - この投稿者のレビュー一覧を見る

日本軍 アメリカ軍の組織から現代の企業組織に応用できる本です。現代の会社組織のなかで照らし合わせることで学ぶことも多々ある一冊です。
名著たる内容です。

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紙の本

組織に身をおく方の必読書

2016/12/27 09:59

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:和兄ィ - この投稿者のレビュー一覧を見る

発刊してから30年は経つが、いまだに色褪せない内容です。それはこの30年いや、戦後ほとんど日本の組織は変わっていないということです。成功する企業はさまざまな要因がありますが、衰退する企業はここに共通のものを見出すでしょう。

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