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琉球王国誕生 奄美諸島史から (叢書・文化学の越境)
琉球王国を打ち立てたのは誰なのか。沖縄本島の内的発展によって王国が成立したという通説を排し、奄美考古学の成果や「おもろさうし」を用いて、「北からの渡島者」の存在を浮かび上...
琉球王国誕生 奄美諸島史から (叢書・文化学の越境)
琉球王国誕生 : 奄美諸島史から
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商品説明
琉球王国を打ち立てたのは誰なのか。沖縄本島の内的発展によって王国が成立したという通説を排し、奄美考古学の成果や「おもろさうし」を用いて、「北からの渡島者」の存在を浮かび上がらせる。沖縄研究の新たな鳥瞰図。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
吉成 直樹
- 略歴
- 〈吉成直樹〉1955年生まれ。理学博士。高知大学人文学部勤務を経て、法政大学沖縄文化研究所教授。地理学専攻。
〈福寛美〉1962年生まれ。文学博士。法政大学・専修大学兼任講師。琉球文学、神話学専攻。
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越境する研究
2008/04/01 17:17
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:サマーサスピション - この投稿者のレビュー一覧を見る
奥付を見ると刊行されたのは去年の12月。足繁く書店に通うほうだと思うが、この本については見過ごしていた。著者たちの前著『琉球王国と倭寇』とタイトルのはじまりが同じ、背表紙の配色も前著とまったく同じ(同じシリーズだから当然か)。これでは前著だと勝手に思い込んだとしても仕方ない。で、ようやく買った。
前著は首里王府が16~17世紀に編纂した古歌謡集『おもろさうし』を利用して琉球王国の成立に倭寇が深くかかわっていたという議論。ほぼ文学限定の『おもろさうし』を歴史復元の素材にする試みに興味津々。当たるも八卦、はずれるも八卦の読後感。
今回は考古学を中心に歴史学、文学、言語学、民俗学などの研究領域を総動員して前著の議論を裏づける内容。前著が「当たり」であったことに深く納得。むしろ、内容は先鋭になり重厚になったというべきか。
『おもろさうし』は歴史史料として一級の史料ではないかとの印象さえ持つ。これまで、歴史学者が利用していなかったのはなぜだろうか。単に「史料批判」の問題か。
著者たちが「あとがき」に書いているように、この本を読むと、「学問」の枠組みはどうでもよいのではないかとさえ思われる。蛸壺の中で高度な議論を展開していても、よその領域から見ると「トンデモ議論」でしかないこともあるのではないか。まあ、逆に、研究領域を横断するのも、生半可なことになってしまう危険も多いにあるだろう。しかし、「危険水域」ギリギリのところで議論するのも大人の「遊び」か。これほどセクシーなこともなかろう(「危険水域」の判断が狂えばおしまいだが)。
いやいや、著者たちの策略に嵌ってはいけない。
随所に配置されている「?」と思わせる一文も、よくよく読むと強烈。
色々な意味で刺激を受ける本であることに間違いない。結論の「北からの衝撃」が本書の内容のすべてを象徴する。
本書と軌を一にするように、池田栄史編『古代中世の境界領域‐キカイガシマの世界』(高志書院)が出た。あわせて読めば面白さも倍増。
さてさて、これからの沖縄研究やいかに。