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商品説明
フールとは、豚小屋とトイレが一体になった「豚便所」のこと。いにしえの沖縄にあった摩訶不思議なトイレ文化を写真を交えてひもとく。また、20年以上にわたって調査・収集してきた外国や国内の便所の写真も紹介。【「TRC MARC」の商品解説】
〈身土不二〉という言葉を知っていますか。
これには、「人間と自然は一体である」という意味があるそうです。
さて、いにしえの沖縄には「フール」という世にも珍しいトイレがありました。フールとは、豚小屋とトイレが一体になった「豚便所」のこと。かつて沖縄の各家庭では、豚を飼育しながら同じ場所でトイレを使い、豚はそれを食べて大きくなって、肉となり人間の食べものになりました。
究極のゼロエミッションともいえるこの仕組み。どうしてこのような摩訶不思議なトイレができたのか?
本書『沖縄フール曼荼羅』では、沖縄でさかんな養豚との関わりから、フールの発生から衰退までの歴史をひもといていきます。戦後、フールは一気に衰退していき、今ではかろうじて遺構が各地に残されているのみです。このフールの遺構を沖縄独特の文化を学ぶための文化財として活用できないか。そんなことも本書では提案されています。
時代が進めばトイレ事情も変化します。フール亡きあとの米軍統治時代のトイレから、日本のトイレ、世界のトイレのルポも収録。めずらしいマチュピチュのインカ帝国王のトイレ、モロッコなどイスラム圏のトイレ、湖を利用した東南アジアのトイレは必見です。
わたしたちが毎日お世話になっているにも関わらず、あまり顧みられることがないトイレ。実は曼荼羅のように複雑で、人の生活や文化そのものがあらわれていると思うのです。冒頭で紹介した〈身土不二〉の言葉は、まさにトイレに通じるものだと思わせられます。【商品解説】
目次
- はじめに/古写真に見るフール
- 第一章 琉球・沖縄 トイレ世替わり
- 琉球のトイレ事情とフール
- カルチャーショック! フール初体験
- 琉球弧に残されたフールを巡る
- 各地のフール 国頭村奥/渡嘉敷村/座間味村/粟国村/渡名喜村/具志川村(現久米島町)/石垣市/竹富町/奄美大島/花街・辻
- 新聞等で見るフールの話題
- 第二章 フールをめぐる琉球の文化
著者紹介
平川 宗隆
- 略歴
- 〈平川宗隆〉1945年生まれ。鹿児島大学大学院連合農学研究科博士課程修了。博士(学術)。獣医師。調理師。ノンフィクション作家。著書に「沖縄トイレ世替わり」「ヒージャー天国」など。
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