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岩手県で最大の被害を受けた陸前高田市の市長が語る、震災当日のドキュメントと、現状と復興プラン。市長自身、自宅と妻を失いつつも復旧・復興の陣頭指揮を執り続けているのは有名な話。
中でも、国や県の動きが遅すぎるのに抗議の声を上げているが、ここまで国の対応が酷いのかと暗澹たる気持ちになった。
陸前高田市のことは忘れない。1日も早く町がよみがえることを記念する。
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すぐ読めます。
震災から早5カ月。
被災地ではまだまだがれきがうずたかく積まれ、まだまだ復興への道は険しい。
そんな中、我々にできることは被災地を忘れずいろんな形で応援し続けること。
がんばれ日本
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2011/8月
町田在住だったということに親近感を持ってどうしても知りたかった陸前高田市の 市長さん。
妻が亡くなりながら…という環境もちろん、本当に市民のことを考えた姿勢に感動する。 そしてこうした被災地が東北に溢れてること忘れとはいけない
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【東日本大震災関連・その22】
(2011.08.23読了)(2011.08.15購入)
3月11日の東日本大震災で、岩手県では一番大きな被害にあった陸前高田市の市長さんのつづった本です。市長さんも奥さんを津波で失っています。
市の職員68名も失ってしまいました。
市役所、県立病院、駅、等、市の主要部分が海抜の低い平野部にあったため、多くの家屋が流されてしまいました。
海水浴場のあった松原のづづく海岸線は、地盤沈下で水没してしまいました。
観光名所が完全に失われてしまいました。(盆休みに、大船渡へ帰省した際に車でざっと見てきましたが、海がずいぶん近くなっていてびっくりしてしまいました。)
役所、病院、店舗、が高台に仮設でつくられていました。本格的復興に向けて準備中といったところです。
鳥羽さんは、市長になったのは、2011年2月13日ということですので、就任して1か月足らずで、東日本大震災に見舞われたことになります。
市長としてやりたかったことがあったのでしょうが、全くの仕切り直しということになります。
7月5日現在の死亡者は1526人、行方不明者543人、ということです。
市の人口は、2万5000人ほどということですので、8%の住民が失われたことになります。
「この本では私が体験した一部始終、そして翌日から始まった復旧の日々、さらにはこれから長い時間をかけて構築していく復興の未来予想図に至るまで、今私が皆さんに伝えたいことをすべて書きました。」(9頁)
章立ては以下の通りです。
第一章、あの日、陸前高田市が消えた
第二章、被災地が直面した日々
第三章、「ふるさと」は必ずよみがえる!
第四章、特別対談 佐藤正久×戸羽太
●津波に呑み込まれて(27頁)
「市長!まだあそこにお年寄りがいますよ!」
そう叫んだ若い職員たちは、私がとめる間もなく屋上から再び地上へと下り、救助活動をつづけました。
しかし、彼らが屋上へ戻ってくることはありませんでした。
●険しい道のりが(35頁)
驚いたのは市内随一の頑丈な気仙大橋が流されてしまっていたことです。
この段階では、とにかく瞬間を生き抜くだけで精一杯で今後のことなど考える余裕はほとんどありませんでしたが、さすがにその光景を見たときには、これから私たちが歩んでいかなくてはならない道がとてつもなく険しいものになると、さらなる覚悟をせざるを得ませんでした。
●津波は5回(36頁)
地震のあと、5回ほど押し寄せた津波は、とりあえずは終息したようです
●ライフライン全滅(40頁)
電気もつかない。水も出ない。電話もつながらない。
●子供たちは無事(50頁)
震災当日の3月、長男は小6、次男は小4。まだまだ子供ですが、震災後初めて会った時には気丈にふるまってくれました。
長男に聞くと、連絡が全く取れなかったので、もう両親ともダメなんだ、と諦めかけていたといいます。
●妻の遺体が見つかった(54頁)
4月5日、いとこの警察官から連絡が入り、一人で遺体安置所に向かい確認しました。
4月9日、子供たちに遺体が見つかったことを知ら���ないまま、妻を火葬しました。
5月20日、葬儀の前日、長男に「お母さんの遺体が見つかったんだ」と打ち明けました。
すると長男は「知っているよ。新聞で読んだから」。
●全員生き残って(61頁)
誰一人として犠牲者を出さなかった、本来なら喜ぶべき家の方が「うちだけ全員、生き残ってしまって・・・」と罪悪感を覚えられている姿を見ると、いたたまれない気分になってしまいます。
●子供たちは助かった(62頁)
学校にいた子供たちはみんな一緒に非難したため、その多くが助かっているのですが、悲しいことにたまたまこの日、病欠したり、午前中で早退してしまったお子さんだけが亡くなってしまったケースが多いと聞いています。
●電気・水道(69頁)
地震発生から4日後に発電車が来てくれたので、緊急時の電源は確保できたものの、7月になっても、いまだ復旧率は100%ではありません。
水道はなんとか6月いっぱいですべてが復旧しました。
●戸籍・住民基本台帳(70頁)
戸籍や住民基本台帳といった重要なデータもすべて消えてしまっていましたが、幸い、戸籍に関しては法務局に副本として送信していたデータが残っており、住民基本台帳もサーバーの保守管理をしている業者が被災していなかったため、数か月前にバックアップを取ってあったデータを復元することができました。
●身元不明の遺体(75頁)
どうしても身元の分からないご遺体もありました。
あまりにもご遺体が傷みすぎて判別できないケースもありましたが、家族全員で被災してしまって、探してくれる人が誰もいない、という悲しいケースがあっても不思議ではありません。
そういったご遺体、約300体については市のほうで引き取らせていただき、トラックで関東地方に運んで火葬してもらいました。
●瓦礫処理(78頁)
私は陸前高田市に瓦礫専門のプラントをつくりましょう、という提案を県に出しました。そうすれば、自分たちの判断で現在の何倍もの速さで処理することができるようになります。
返ってきた答えは「いろいろな手続きが必要になるので、建設にOKが出ても、建設開始までに2年は掛かります」というものでした。
「こういう方法はどうでしょうか?」という代案は一切出してくれません。
●買い物ができない(110頁)
今回の震災で多くの市民が不便に感じたのは、自由に買い物ができなくなってしまったことです。
(2011年9月6日・記)
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被災地からの被災者による被災地のための復興提言。前半の被災体験の記述がとてもリアルです。こんな悲劇が、一瞬のあいだに、何千、何万と発生したのだと想像すると、本当に恐ろしくなる。でも、この陸前高田市長は、もう復興のヴィジョンを思い描いている。強い使命感のもとに、エネルギーに満ち溢れている。氏がこの著書のなかで繰り返し読者に訴えているのは、被災地のことを「忘れないでほしい」ということ。市長がここで提言しているプランがどこまで実現できるのか、いつか陸前高田市を訪れてみたい。
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早朝から読み始めたが,往復のアストラムラインの中で,熱くこみ上げるものと激しい憤りを我慢しながら読んだ。で,先ほど近所の大吉さんにて読了。極限状態の中で自らの使命を全うされている市長様の姿には心打たれる。と同時に,ほんとにささやかなことしかできてない自分に恥ずかしさも。。。今年度50冊目。
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陸前高田という市を忘れてはいけない。忘れさせてはいけない。最愛の奥様を亡くされた市長さんの思いがこめられた本。実際に現場に行ったこともあり、実際に見ないとわからないことがあることを感じながら目頭が熱くなりながら完読。これからも陸前高田の力になっていきたい。
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陸前高田に住む高校生に勧められて読んだ本。
重かった。
第一章の最初の数ページで、既に泣きそうだった。
陸前高田で起きたこと、実際にキズナハイスクールで会った高校生たちを襲った天災。
語彙の選択が適切で、シンプルにかつ深く突き刺さる文章。
今日、偶然あるブログで、こんな言葉を見かけた。
「シンプルに考えると、君とは、君が生まれた世界と、君が生まれなかった世界の差なのだと思う」。
親しい人を失くした人が、その死を理解するために発した言葉だ。
昨日、東日本大震災の被害者数を目にした。
今や死者数は15,000人にも上るそうだ。
一人の人間が生まれたことで、世界に生まれた差。
その15,000倍の差が、今後の世界にどんな差を生むのか。
その行方は、生き残った我々に懸かっている。
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あの日、陸前高田で起きた事は私の想像をはるかに超えていた。微力ながら今の私にできる事は何なのか、考え込んでしまう。とりあえず出来ることは、陸前高田を忘れずにいることだろう。
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多くの方に読んで欲しい。
人は当事者でないと痛みを感じないのだろうか。
役人は一体何のためにいるのだろうか。
公僕という言葉を思い出して欲しい。
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津波による甚大な被害を受けた岩手県陸前高田市の戸羽太さんの言葉は、沢山の胸に詰まるものがある。
その一方で、リーダーとして、現状を乗り越えてみせるという強い意思を感じざるを得ない。
私は、陸前高田市を見たわけではないが、津波に壊滅的に被害を受けた地域を目の当たりにした。
その場で被害を受けた当事者が前向きになることすら困難なことだと考えさせられた。
復興に向けて、日本中、いや世界中に目を向けるリーダーがいることをもっと沢山の人に知って欲しい。
それは、この本を読んだ私の使命なのかもしれない。
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陸前高田市の戸羽太市長。津波で奥様を亡くされた悲しみに、じっと耐え、市長としての責任を果たすべく、陣頭に立っている。本には、「忘れられないこと」が一番大切であると書かれている。被災地で暮らす人々にとって、周りの人が「気に掛けてくれること」ほど心強いことはないという。
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あっという間に読破しました。
気がついたらあとがきページまできていました。
被災地から離れた地方に住む自分にとって、とても貴重な情報でした。
震災当日の生々しい状況、家族の消息も分からないまま陣頭指揮を執らざるを得ない市長の苦しみ、復旧・復興への長い道のり・・・
ご多忙を極める中、よくこの本が出来上がったと感心します。
報道ヘリコプターの映像では分からない世界が描かれているので、
まずはご一読をお勧めします。
ただし、巻末の対談についてはやや冗長な印象を受けました。
正直、無くても良かったのでは?と個人的には思いました。
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現場の市長が被災地の生の声を伝えてくれる。現在でも復興に終われ、本来であれば、本を執筆する心のゆとりや時間的な余裕もなかったはずだ。
きっと、ニュースで伝わる状況と現場の実態とが余りにもかけ離れていることに危惧を抱いているのだろう。
改めて「忘れられないこと」を心に留めて、是非、一度、陸前高田を訪れてみたい。
欲をいえば、陸前高田で活躍しているボランティア、特に遠野まごころねっとの活動などにも触れてもらいたかった。
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津波被害がいかに凄惨であったか、行政の長としての彼に課せられた使命がいかに過酷であったかが、よく伝わってきた。陸前高田の復興がいかにあるべきかを、深く考えさせられた。