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商品説明
幕末・維新期に生まれて、日本の近代史を植民地期台湾の銀行家として生きぬいた木村匡。その生涯を、生い立ちから文部省官吏、台湾総督府官僚、三十四銀行台湾総支配人、宮城県町村長会長の時期まで時代展開にそって考察する。【「TRC MARC」の商品解説】
木村匡は、幕末の1860年(安政7年)に仙台藩士の子弟として生まれたが、戊辰戦争での負け組みのため、強い志を持ちながらも中央官庁での立身出世の道を阻まれ、未知の新領土台湾の官界=台湾総督府の官僚となった。が、20世紀初頭、学閥がものをいう官界に見切りをつけ、民間での活動に舵を切り替え、三十四銀行台湾総支配人、台湾商工銀行頭取にまで登り詰め、特に台湾商工銀行を内地の上位銀行に引けを取らない銀行にまで育て上げた。しかし、1923年(大正12年)新高・嘉義両行との合併に失敗し多額の不良債権を生んだ責任をとり、1926年(大正15年)郷里に帰還。その後は郷里のために尽くし、宮城県町村長会長の重責をも担い、1940年天寿を全うした。
本書は、「植民地銀行家」というキーワードに導かれ、経済史家としての著者の目から木村匡の銀行家としての実績を詳細に分析するとともに、帰郷後の生き方までを射程に入れて描いた、一個人の生涯に寄り添った一大伝記である。
そして、その生涯を描くことにより著者は一つの日本近代史を描いた。【商品解説】
目次
- 第1章 生い立ちと文部省入省
- 1−1 生い立ちと青年期の日々
- 1−2 文部省入りの経緯
- 1−3 文部省での活動
- 第2章 台湾総督府官僚への転身と活動
- 2−1 文部省から台湾総督府へ
- 2−2 植民地官僚としての活動
- 2−3 台湾総督府を退官
- 第3章 三十四銀行台北支店長・台湾総支配人としての活動
- 3−1 銀行家への転身
著者紹介
波形 昭一
- 略歴
- 〈波形昭一〉1941年新潟県生まれ。早稲田大学大学院商学研究科博士課程単位取得。商学博士(早稲田大学)。獨協大学名誉教授。著書に「日本植民地金融政策史の研究」など。
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