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投稿者:おおいし - この投稿者のレビュー一覧を見る
乙一先生が別名義で活動していると全く知らず「新作出ないなー、何してんだろ」とずっとスルーし続けたいた山白朝子・中田永一=乙一作品、
最近になって知ったので読み始めました。
奇妙な短編の数々は、温かい話もあれば陰惨な話もあるのに、いずれも胸を突くようなせつなさを感じます。
続けやすいタイプのストーリーだし、綺麗に終わってはいるけど続編書いて欲しいなあ。
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投稿者:のぞみん - この投稿者のレビュー一覧を見る
別名義を含めて初読み作家さん。世界観が好き。昔話をもう少し妖しく切なくしたような。表紙がとても美しくそれだけでも見る価値があります。
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今時の人は安上がりでいいよね。これくらいでハラハラドキドキ♪全くしなかったなー先読める話ばかりだったし。著者もネタがないもんで募集して書いてるくらいやしなー…はーデビュー作は神がかってたのになー
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乙一の別名義と最近知った。怪談のペンネームかな。
今作も面白かった。すげー好き。
前作読み直してみよかな。
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乙一は乙一だが、前作以上に『山白朝子』という名義(=ブランド)の方向性が伝わってくる連作短編集。
舞台は日本の街道が整備され始めた頃で、旅行初心者のための旅本『道中旅鏡』の作者である和泉蝋庵について主人公は旅をするが、迷い癖がある蝋庵といると何故か不可解な現象に出くわすという連作。
一つ一つの話が深い。読む価値がある作品。
・エムブリヲ奇譚
胎児の姿を想像すると少しグロいが、それでも段々と愛着が湧いてくる姿は伝わってくる。
ただ、ラストの再会した時の耳彦に少し違和感。本当に、こんなに淡々としていられるのか。咄嗟に相手の子どものことを考えて、とぼけたふりをしたのか。心情が全く書かれていないので、想像するしかない。そのあたりは描写不足のように思える。ただ、だからこそ様々な想像が生まれてくるのかもしれない。
・ラピスラズリ幻想
あまり多くは語るまい。このラストは泣くしかない。『死者のための音楽』を彷彿させる作品。
・湯煙事変
タイトルを見た時のイメージと読後に抱く感想が全く異なる。正直、この話にも泣かされるとは。読んだ後も謎は残ったままだけど、食事に『砂』が入っているという伏線もすごい。
ラストのその後がとても気になる。あの状況だと、耳彦が突き落としたと両親から疑われないだろうか。ゆのかの両親が耳彦の話に耳を傾けてくれることを祈りたい。
・〆
これはタイトルがネタバレになってしまっている気が。
この中では一番風刺的な作品かもしれない。
同じ『命』のはずなのにね。
・あるはずのない橋
これもある程度、展開が想像出来ていた。内容も風刺的。それでも、『生きたい』という当たり前のことを強く感じさせてくれる。
あの婆は自分の子どものことを本当に考えて行動したのではないってよく分かる。
最後の耳彦の言葉がまさしくそう。所詮、親と子どもも他人。
・顔無し峠
最後があっけないかもしれない。正直、耳彦の決意はどっちだったのだろう。夜の釘打ちの場面で、自分は残る決意だと思っていた。けれど実際はそうじゃなかったから、妻はそう言ったのだろうか。
・地獄
展開がものすごく不条理。他の人の感想に『SEVEN ROOMS』と重なると書いてあった。確かにそう感じる。
SEVEN ROOMSと比べてラストはまだ良かったが、読者としては蝋庵に来て欲しかったところ。でもそれではお決まりすぎるか。
・櫛を拾ってはならぬ
この本の中で一番の怪談テイスト。少しリアルだった気がする。
結局、彼は自分自身が怪談になりたかったってこと?それともそれは、蝋庵がそう思い込みたかっただけ?
関係ないけど、以前に話題になった山白朝子の趣味を思い出させる行為が作中に出てきて、こういう場面の描写をする時にあの趣味が役立つのかと感心したww
・「さあ、行こう」と少年が言った
少年の正体はすぐに分かるわけだけど、不条理な扱いを受ける中で少年の存在により読者も気持ちが良くなる。今までの作品で積み上げた和泉蝋庵というキャラクターの良さがこの作品で出る。
まさにラ��トに置くのにふさわしい作品だし、この作品によって和泉蝋庵という愛されるべきキャラクターが確立したと感じる。
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少し不思議で少し怖くて少しあったかい短編集。
久しぶりに好みの本に出逢えた気がします。
しかし「地獄」は強烈でした。
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(no.12-24) 連作短編集です。一応日本の江戸時代っぽい世界ですが、奇譚ですから・・・・。
『旅をする庶民のための道中記「道中旅鏡」の作者・和泉蝋庵は、他の本に紹介されていない温泉や風光明媚な土地を求め、噂や言い伝えを頼りに旅をしている。自分で確かめたことを書くために。
しかし蝋庵にはとても困った「癖」が・・・。それは迷い癖。真っ直ぐ歩いているはずがいつの間にかもとのところに戻ったり、後少しで着くはずの村にいつまでたってもたどり着けなかったり。そんな蝋庵の荷物持ち・耳彦が語る旅の話。』
ほとんどは耳彦が主人公ですが、蝋庵に関わったほかの人が主人公の編もありました。
もし映像で見せられたらとても正視できない場面も 多いのですが、語り口が淡々としているのでいつの間にかそんな場面もするっと読んでしまいます。何しろ本の題名にもなっている最初の編のエムブリヲは、ほんとにエンブリオ(胎児)ですから。それを世話するって・・・。でもあれは読後感が良かったわ。
9編収録されているので一編はそんなに長くありません。読み始めると後もう少しだけ~とついつい読んでしまい、中断するのが苦痛でした。
読後感が良いもの、辛いもの、いろいろでしたが、「耳彦、あんたはほんとに良い人だ~」とほめて上げたくなりました。耳彦自身の自己評価が低いんですもの。
蝋庵のことがあまりきちんと描かれていなかったのですが、最後の 「さあ行こう」と少年が言った で少し詳しいことが分かってよかったです。
内容と同じくらい素敵だったのが装丁です。繊細な栞紐にうっとり。気持ち悪いけれど美しい絵にうっとり。本をなでたりさすったり・・・。素晴らしい本を造った方たちに感謝したい!
読み手を選ぶ本だとは思いますが、私は嵌ってしまいました。
表紙の絵を見て大丈夫な方は是非読んでください!
作者の山白朝子さんは、O氏の別ペンネームです。
私はつい最近知りました。
とても良かったので、以前出た本も読もうと思います。
中田永一、山白朝子、もう他のペンネームはないよね~。
他にもあるって知ってる方は、教えてくださいね。
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旅先で起こるさまざまな怪異を描く怪談連作短編集。当然怖いのはあるけれど、どこかしらしんみりさせられる物語も多いです。そして和泉蝋庵の迷い癖……ひどすぎるだろこれはっ!と思うのですが。その謎?もラストで明かされます。
お気に入りは「櫛を拾ってはならぬ」。正統派怪談話かと思いきや……うーん、この真相のほうがずっと恐ろしく感じてしまいます。
「地獄」もいいなあ。一番凄惨な物語なのだけれど。最後に残っていたのがいったい誰だったのか、とても気になります。
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『幽』に掲載されていた物語を集めたもの。
基本的に短編集的なカンジ。
もっと、ドロッとしたカンジのイメージしたんで案外あっさり。
短編だからかもしれないけど。
読みやすい。
とりあえず、一人の男性『和泉蝋庵』という旅の本を書く男性。
この人がキーとなってます。
そして荷物持ちの男『耳彦』の二人で話が進んで行きます。
エムブリヲ・・・胎児の話。救われた命。
蝋庵のお供が拾った命。だが、ある日『おじちゃん久し振り』と。
科学的には無理だろうけど、そこは奇譚って事で・・・
ラビスラズリ・・・は何度も転生する話。
母の顔を見ようとする倫。が、何度生まれ変わっても見れない。
最初に、ラビスをくれた人その人こそが母親なのでは・・・?
湯煙
迷い込んだ温泉地。温泉があるのは確かだが・・・
夜に温泉に入ると帰って来れないと。
あの世の人と一緒に温泉に浸かる。
〆
人に懐いて居る鳥。背負って歩く耳彦。
だがしかし、lastにはその鳥を食べてしまう。
本当にそれで良かったのか?
あるはずのない橋
夜にしか現れない橋。どうしてもその橋を渡らなければならないが。
ある日橋が崩れて、老婆が死んでしまった子供に謝りたいと懇願する。耳彦は引きずられそうに。
生きとしいけるもの、全てを憎んだ少年は『生きていたい』と思った本人。
悲しいお話。
顔無し
死んだと思った人が帰って来た。遺族は嬉しい。
怪我をした理由等も合致しているが、本人ではない。
耳彦はある日突然所帯持ちの父親に。
勿論、他人のそら似なんでしょうけど。
地獄
酷い話。本当に酷い話。人を捕まえて、穴に落とす。
一人ずつ助け出すようにしむけて、実は人肉を喰らう。
櫛を拾ってはならぬ
櫛は一度踏んでから拾うようにとの蝋庵の言葉の前に拾ってしまたお供との男。
百物語をしながら旅を続けようと提案される蝋庵。
どこから作り話で、どこからが本当か。
『さぁ、行こう』
小作人の嫁を貰った地主の倉に迷い込む蝋庵(子供)。
嫁は虐められ、迷い込む子供に本の読み方を教わる。
そんな日々を続けているうちに嫁ぎ先の祖父に見つかり蝋庵と合えなくなる。
ひどい仕打ちを受けている時に『さぁ、行こう』と手を取られて家を出る。
本当に酷い迷い癖で、彼方此方にでる。
おかげでお嫁様は違う優しい旦那と子供に恵まれる。
読み書きも出来る。
一瞬、蝋庵に出会うが、話す事も叶わず。
けれど、きっと二人は覚えている。チト感動。
蝋庵の母は子供の頃『天狗』に攫われたそうだ。
が、その記憶が薄れ、凡人となり蝋庵を生んだ。
妊娠していて、蝋庵を残して死んだ母。
その血を受け継いだ子『蝋庵』。
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道中記の作者、迷い癖のある和泉蝋庵と旅をしてたどり着くのは極楽か地獄か。死んだものに会える温泉、天井食べ物全てまで人の顔に見える村、カニバリズムな山賊。蝋庵先生、迷いすぎです!
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奇妙な場所に迷い込んでしまう癖を持つ旅本作者和泉蠟庵と荷物持ちとして旅に同行する耳彦が遭遇した不可思議な出来事を纏めた連作短編集。身の毛もよだつ不気味な話、人間の業の深さを感じさせられる心が痛くなる話、目頭が熱くなる切ない話、多様な色合いの話を堪能。山白さんの生み出す生み出す文章のリズム、独特の世界観に今回も魅せられました。
ご本人のTwitterによると、これからもこのシリーズはまったりと続けていかれるとのこと。続編を楽しみにしています。
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迷ってへんな場所に行く。
日本って狭いはずなのに、異次元へワープするようだ。
髪に纏わる話が不気味でせつない。
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まだ人に知られていない温泉を求めて(たぶん)江戸時代の日本を歩き回る旅の指南書書きの和泉蠟庵。
そっか、この山白朝子という人は、乙一(ということは、中田永一だぁ~~!)なんですね。
独特の怪しい空気の中、蠟庵と荷物持ちの2人は道を迷いに迷って果たして目的地にいつ着けるのか。
蠟庵の道の迷い方は確かに尋常ではないのだけれど、その理由が明かされてしまえば、あぁ、そうだったのか、と妙に悲しく納得できてしまう。
なにしろ、道中、山を登っているはずがいつの間にか海に出てしまったり、家の近くを歩いていたのになぜかある庄屋の土蔵に入り込んでしまったり。その折々に巡り合う人々との話は、怖ろしい時も、おぞましい時も、また、優しい時も。
私が好きだったのは、蠟庵と旅した先で老婆からもらった青い石のおかげで、何度死んでも生まれ変わってしまう輪(りん)の話。彼女は、何度でも輪として生まれ、彼女の生涯を繰り返すのだけど、胎内に戻った時から既にはっきりとした意思を持ち、これまでの記憶を元に禍を避けたり、幸せになる術を模索したり。
そして、自殺だけはしてはいけない、と釘を刺された彼女が最期に選んだ道は??
本についている紐が、赤・濃茶・薄茶の三本の糸となっており、その長さが少々不気味なのも嬉しかった。
凝った造りの本の贅沢さを味わいながら読むことができました。
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乙一氏の別名義、ホラー担当の山白さんの第2短編集。容赦なく空恐ろしい世界もあれば、あたたかな救いも用意されていたりと、深くさまざまに楽しめたお話ばかりでした。軽くユーモアも交えていて、前半はホラーというより幻想話よりだと感じていましたが、「地獄」でがっつり突き落とされました。イマジネーション豊かな人は読まないほうがいい…かも。淡々とした文章なのに、ふいに光景を沸き立たせる描写をするんですよね…。それが味なのですが。
そして、そこからつづく二話も恐いです。本領発揮してました。ただラストの話には救いがあり、ほっと息をついて本を閉じれます。地獄で終わってたら、泣けました。違う意味で…。
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乙一の本も読んでしまったし、気になってたこの本を読もうと思ったら、乙一が別名で書いてた本だったwww
不思議で気持ち悪い描写が気持ち悪くなるのにわくわくするし読みたくなる!!!
人面だらけの村とか好き!!
なんか蟲師っぽい話だったからもっとぐろくていいかもー