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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2008.8
- 出版社: メディアファクトリー
- レーベル: ダ・ヴィンチブックス
- サイズ:19cm/181p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-8401-2398-3
紙の本
初恋素描帖 (ダ・ヴィンチブックス)
著者 豊島 ミホ (著)
甘酸っぱい。ほろ苦い。だけじゃない—あなたの“あの頃”をうずかせる不慣れな恋の物語。“思春期まっさかり”の中学2年生×20人のままならぬ想いを描く連作掌編、全20話。【「...
初恋素描帖 (ダ・ヴィンチブックス)
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商品説明
甘酸っぱい。ほろ苦い。だけじゃない—あなたの“あの頃”をうずかせる不慣れな恋の物語。“思春期まっさかり”の中学2年生×20人のままならぬ想いを描く連作掌編、全20話。【「BOOK」データベースの商品解説】
甘酸っぱい。ほろ苦い。だけじゃない−。“思春期まっさかり”の中学2年生×20人のままならぬ想いを描く連作掌編、全20話を収録。あなたの“あの頃”をうずかせる不慣れな恋の物語。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
出席番号25番 平田葉 | 5−13 | |
---|---|---|
出席番号11番 木村直樹 | 14−22 | |
出席番号33番 吉田美雪 | 23−31 |
著者紹介
豊島 ミホ
- 略歴
- 〈豊島ミホ〉1982年秋田県生まれ。早稲田大学在学中の2002年に「青空チェリー」で“女による女のためのR−18文学賞”読者賞を受賞しデビュー。他の著書に「檸檬のころ」「神田川デイズ」など。
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紙の本
こんなに面白い作品を書いているのに、売れないから、という表面上の理由で休筆宣言をしてしまった豊島ミホ。悪いのはミホじゃなくって、その才能を見抜けない読者の側にある、と思うんです。このお話にしたって中学生の気持ちがよ~く描けてます。読者に媚びた、というか売れ線ねらったYAなんか吹っ飛ぶくらいに楽しい。変身してでもいいから早く帰ってきてくださいね、ミホさん、私、待ってます!
2011/03/03 19:03
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
休筆宣言をしてしまった豊島ミホ、ファンとしては彼女の旧作を読んで渇を癒すしかないというのが何とも残念ではあります。でも、デビュー以来の読者でありながら、追いかけでなかった私には、まだまだ未読のものが残されています。こんないい加減な読者がいるから「思ったより本が売れない」なんていう豊島の言に繋がり、結局は休筆に追い込んでしまったのかもしれません。それはともかく、これはそうした私の未読本の一つ。
で、早速、装幀拝見。浅野にいおの装画は、達者ですがテキトーにチープ感があって、この本の装丁とともにいかにも若者向けのカジュアル感があふれています。素描帖、という言葉にぴったりかもしれません。しかし、この白地にカラフルな線を生かしたカバー、はたしてどれだけ若者の支持を受けるか、私としてはビミョーかな、と言っておきます。
それと値段。1260円ですから、高いとはいえませんが、でも若者狙いなら工夫して1000円を切りたいところ。装丁の芥陽子(note)と出版社にはもうひとふんばりして欲しかった。それにしてもです、この本の目次デザインは上手い。実物を見てもらうのが一番ですが、出席番号簿?を利用した目次というのは、本邦初の試みではないでしょうか。私は一瞬意味がわからず、あれ、目次はどこ? なんて探してしまいました。ここは褒めておきたい。
肝心の小説のほうは、さすが豊島ミホ、14歳の中学生の心を見事に描いています。収められた作品の多くが2007年の発表ですから、25歳の豊島が10年前の自分を思い浮かべながら書いたのでしょう。中村航『あのとき始まったことのすべて』を思い出させる内容ですが、中村の小説は25歳の主人公たちが14歳の頃を回想する恋愛小説ですから、『初恋素描帖』を書いている豊島の姿がダブってきます。ちなみに、HPにはこの本について
*
あなたの“あの頃”をうずかせる、不慣れな恋の物語
●切ないものから、笑えるものまで。色んなカタチの「恋」が味わえ、胸キュン必至!●『ダ・ヴィンチ』好評連載分に、新たに書き下ろし8本を収録。●1話だけ読んでも楽しめるし、読み進めるごとに、クラスメイトの関係性が見えてくる…といった立体的に楽しめる本●浅野いにお氏による、全20人のイラストも必見!
“思春期まっさかり”の中学2年生×20人の男女それぞれの「ままならぬ想い」を描く連作掌編、全20話。片想いの子もいれば、両想いの子もあり、恋愛には縁遠い子もあり……。『ダ・ヴィンチ』連載分に、新たに書き下ろし8本を収録。浅野いにお氏による全20人のイラストも必見!の思春期小説、決定版!!!
*
とあります。全20話について、簡単に紹介しましょう。なお、お話は出席番号順になっているわけではなく、あくまで以下に紹介する順番に載っています。
出席番号25番 平田葉 (ダ・ヴィンチ2007年2月号):私が好きな木村は果歩のことが好き。でも、私は憎いのは・・・
出席番号11番 木村直樹 (ダ・ヴィンチ2007年3月号):俺が好きなのは福田果歩、でもいつも傍にいる平田の目が気にはなる・・・
出席番号33番 吉田美雪 (ダ・ヴィンチ2007年4月号):つまんないので右耳にピアスを開けた。好きな健次は、福田果歩を「彼女」にしている・・・
出席番号30番 師岡康二 (ダ・ヴィンチ2007年5月号):武田が先に告っってしまった安西めいに、それでも俺は恋文を書く・・・
出席番号4番 飯田川理子 (書き下ろし):私が好きなのはアイドルグループ「サンセット」の鹿山くん、武田くんは鹿山くんにちょっと似ている・・・
出席番号22番 千原淳 (書き下ろし):五つ違いの高校生の兄の部屋は溜まり場だった。僕はそこに出入りする年上の真奈に恋して・・・
出席番号5番 猪俣厚志 (書き下ろし):いい人、とは言われるけれど、好きとは言われない俺。そんな俺が好きなのは吉田美雪・・・
出席番号2番 鮎川歌子 (ダ・ヴィンチ2007年7月号):一年の時から同級だった超美人のエリナが、成績優秀、スポーツ万能、ルックスもいい田中晴一と・・・
出席番号15番 佐々木和代 (ダ・ヴィンチ2007年6月号):私が好きなのは西村先輩。でも、先輩は安西めいが好き。めいなら先輩と付き合ってもいい・・・
出席番号3番 安西めい (ダ・ヴィンチ2007年8月号):かずちゃんが好きな西村先輩。毎日のように先輩への思いを聞かされているうちに・・・
出席番号21番 田中晴一 (ダ・ヴィンチ2007年9月号):中二のうちに経験したい、だから選んだのがクラスで一人だけ大人の雰囲気をもったエリナ・・・
出席番号29番 森和也 (書き下ろし):僕が家に帰ると、玄関に現われたのはど派手に化粧をした女の子。従妹で一つ年下のあゆみだった・・・
出席番号27番 松岡鍵太郎 (書き下ろし):僕の秘密、それは男の子と恋したい、という子供の時からの思い。そして、今、僕は和也に・・・
出席番号10番 片山エリナ (書き下ろし):「別れよう」といった私に晴一は「っていうかさあ、うちの学校に俺よりいい男っていないじゃん」・・・
出席番号17番 鈴木悠市 (ダ・ヴィンチ2007年10月号):なぜか木村と隣の席になる俺は、目が悪い美術部員。そんな俺に声をかけてきたのが目のいい平田・・・
出席番号16番 佐原杏子 (ダ・ヴィンチ2007年11月号):好きな武田に告ろうとして口をでたことばが「今度の学祭に漫才コンビ組んで出ない?」・・・
出席番号20番 武田陽介 (ダ・ヴィンチ2007年12月号):佐原に「めいちゃんのこと、切実に好きでしょ」「隠したってわかるんだよ」といわれて・・・
出席番号34番 吉野すみれ (書き下ろし):学祭で武田・佐原のコンビの漫才が大いにうけたあと、思ったのは――武田くんを好きだったのはあたしなのに・・・
出席番号26番 福田果歩 (ダ・ヴィンチ2008年1月号):毎年クリスマスになるとパパが迎えにやってくる。でも、今年はそれを断って・・・
出席番号28番 室崎建次 (書き下ろし):クリスマスから一度も会っていなかった果歩と向かったのは近所の神社。願い事はないかと聞かれて・・・
どれも好きな話ばかりで、こんなに楽しい話を書けるなら、いいじゃありませんか、売れなくたって。また、この世界に戻ってきてください、豊島さん。たとえ、別の名前になっていても、スタイルを変えて、ミステリ作家になっていても、ガチガチの純文学作家になっていても構いません。私は待ってます。