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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2005.7
- 出版社: 現代企画室
- サイズ:20cm/275p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-7738-0412-2
紙の本
失われた記憶を求めて 狂気の時代を考える
韓国社会を覆ったさまざまな形の暴力の生々しい記憶は、どこへ消え去ったのか。「釜山アメリカ文化院放火事件」の「首謀者」として逮捕、投獄された著者が、運動と暴力をめぐる「記憶...
失われた記憶を求めて 狂気の時代を考える
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商品説明
韓国社会を覆ったさまざまな形の暴力の生々しい記憶は、どこへ消え去ったのか。「釜山アメリカ文化院放火事件」の「首謀者」として逮捕、投獄された著者が、運動と暴力をめぐる「記憶」と「忘却」の問題を提起する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
文 富軾
- 略歴
- 〈文富軾〉1959年韓国生まれ。光州抗争の真相を知り、釜山アメリカ文化院に放火。6年半の監獄生活を送る。季刊誌『当代批評』を創刊し、以後、同雑誌の編集に携わる。著書に「花々」など。
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紙の本
日本の社会運動への問いかけとして
2005/09/18 10:12
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:紅衛兵 - この投稿者のレビュー一覧を見る
韓国で民主化という「成功した」闘争を闘った立場からの、「切れば血の滲み出るような」(訳者・板垣竜太さんの評)内省の書。
軍事独裁に抗した民主化闘争——韓国社会を覆ったさまざまな暴力の生々しい記憶はどこへ消え去ったのか。82年の釜山アメリカ文化院放火事件の「首謀者」として逮捕,投獄された著者・文富軾はこの問いを直視し,自省を重ねる——。
「成功した」運動の聖化と闘う文富軾の闘いは,同時にまた,全共闘運動やプロレタリア文化大革命に触発されて,大学へ行かずに下放(肉体労働)についた私の胸にささった。あの時代の熱い運動や闘いはどこへ行ってしまったのだろうか? せめて学問のあり方をめぐって体制にに異議申し立てをしたのならば,思想に生き死にを賭けるとまでは言わずとも,思想の論理と倫理でもってふりかえるべきではないか——文富軾の声は私にはそう聞こえた。
本書は、海の向こうの「革命」は礼賛しても、足元の、自分自身が関わる出来事には傍観者を決め込む——そのような似非革新派、似非進歩派への批判でもあろう。著者の真摯な観点は,文学なき政治は人々の魂にふれえないということを教えている。ある新左翼組織が武装闘争放棄にあたって言明した「日本人民は武装闘争を望んでいなかった」との総括にはどのような内省があったというのだろうか。
「ある時代は,それを記憶する人たちがいる限り,ただあっけなく消え去ることはない」(文富軾)