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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2004.6
- 出版社: 現代企画室
- サイズ:19cm/217p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-7738-0404-1
紙の本
ファルージャ2004年4月
著者 ラフール・マハジャン (ほか著),益岡 賢 (編訳),いけだ よしこ (編訳)
「これが民主主義だって? 平和的なデモ参加者を攻撃することが? 人びとを殺して建物を破壊することが?」 イラク・ファルージャ2004年4月の事態を題材に、自衛隊が加担して...
ファルージャ2004年4月
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商品説明
「これが民主主義だって? 平和的なデモ参加者を攻撃することが? 人びとを殺して建物を破壊することが?」 イラク・ファルージャ2004年4月の事態を題材に、自衛隊が加担している米軍の占領支配の本質をレポートする。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
ラフール・マハジャン
- 略歴
- 〈マハジャン〉テキサス大学オースチン校で素粒子物理学博士号取得。平和活動家。「ノーウォー・コレクティブ」創立メンバー。「ピース・アクション」全国委員。
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紙の本
知ることは諦めることですか?
2004/09/02 08:34
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:植田那美 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は2004年4月に開始され同年9月現在なお続いているファルージャの虐殺をめぐる事実の記録である。日本の主要メディアが行っていることがファルージャを米国の民間人4名の遺体が蹂躙された土地、すなわち住民に対する米軍の報復も正当化されるテロリストの巣窟としてのみ私たちの記憶に留めようとすることなら、本書に関わるすべての人々が証言しようとしているものは「テロとの戦い」という名のもとで突然に、あるいは緩慢に殺されていくイラクのごく普通の人たちの肉声だ。
ブッシュの戦争を支える米国の大メディアに対する弾劾でもあるドキュメンタリー映画「華氏911」には、イラクで息子を亡くしたライラという名の米国人の母親が出演し、その反戦運動とともに全米で話題を呼んでいるという。が、作中においては、私の最も聞きたかった言葉が彼女の口から発せられることは最後までなかった。米国の「敵」であるイラクの人々もまた、誰かの息子であり娘であるという当たり前の事実、つまり彼らに対する共感、が。
「アメリカ人は死者たちをこぎれいな棺に入れ国旗で覆う。対して私たちは、死者たちの断片を床からかき集めなければならないのだ。そしてアメリカの銃弾が、愛する人の遺体を誰だかわからないほどめちゃめちゃにしていませんようにと願うのだ…。」
私たちの想像力が国境によって断ち切られてしまう限り、イラクで、パレスチナで、アフガニスタンで、チェチェンで殺されていく人々は「テロリスト」と呼ばれ、彼らの主張は「プロパガンダ」と言われ続けることだろう。まるで、アメリカの経済制裁によって62万人ものイラクの幼児が死んでしまったこともまた、サダムの「プロパガンダ」だった、とでもいうように。
本書が「ファルージャ 2004年4月」なら、読者に問われているのはここに描かれていない「2004年4月以前」と「2004年5月以降」を正視できるか否かであると思う。そうした意味では、ファルージャはごくありふれた、しかし私たちの目からは巧妙に隠されている無数のゾーンの一例にすぎない。いつか、イラクで起こっていることが独立戦争であったと歴史に記されるときが必ず来るだろう。知ることはつらいかもしれない。だが、「イラクで不足していないわずかなものの一つ、それが尊厳なのである」と言い切る本書には、真実から目を逸らし続けていては決して得られない本当の希望がある。
紙の本
ファッルージャの惨劇
2004/07/18 03:17
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:妹之山商店街 - この投稿者のレビュー一覧を見る
執筆陣は米英の学者、ジャーナリスト、NGO活動家の4人です。
・3月31日:民間傭兵会社ブラックウォーター社員4人襲撃
イラクの人々にはこれら「民間軍事会社の社員」と「米軍兵士」とを区別する
ことは不可能であると思います。「民間人」を意図的に狙ったわけではないと
思います。
「バグダッド・シュアラ地区から米軍が撤退させられたのは、スンニ派とシーア
派の人々が団結して闘ったからであり、サドル師のマハディ軍ではなく、地元
の組織化されていない人々の力であった」
「ファッルージャを救え!」という合言葉がイラク全土で巻き起こりました。
ファッルージャへ向かう筆者達の車にも、沿道の人々が次々と食糧などを投げ
込んでいました。
ファッルージャでの停戦、しかし、実は、『停戦』とは、500ポンド爆弾を
投下していないという意味ではあっても、狙撃兵は狙撃を行っていました。
ファッルージャでの被害の多くは、狙撃兵による狙撃です。
しかも、家の前で狙撃された家族の遺体を、更なる狙撃を恐れて葬ることがで
きず、放置したままの状態が長く続く…まさに修羅場です…
現地の診療所でボランティア活動を行っていたアメリカ人NGOの証言:
「米軍の攻撃の犠牲者がひとりまたひとりと診療所に運び込まれていたが、
そのほとんど全員が女性と子どもだった」
「私がファルージャから報告できるのは、停戦など現在されていないし、おそら
くはこれまでにも一度もなかったということである。イラク人の女性や子どた
ちが米軍の狙撃兵に撃たれている。」(4/13)
電気が通っていないファッルージャの真っ暗な夜、サイレンを鳴らし、ランプ
を点滅させている赤新月社の救急車が何度も銃撃を受けています。
救急車を他の何かと間違えたなどとは考えられません。
救急車が狙撃兵に撃たれ、女性と子供達が撃たれている光景に、
「私は47年間、バカだった。ヨーロッパの文明とかアメリカの文明といった
ものを信じていたんだ」という悲痛な言葉には衝撃を受けました。
パレスチナでイスラエル軍が赤新月社の救急車を何度も銃撃していることを想起
せざるを得ませんでした。アラブの人達も同じようにアナロジーしたのではない
でしょうか? ここもパレスチナと同じになったと。
ファッルージャの医師達は、米軍がクラスター爆弾と国際法違反と言われる
ダムダム弾を使用していると訴えています。
スンニ・トライアングルはフセイン政権を支えていたとよく言われます。
ファッルージャもまた多くの軍将校等を輩出していたのですが、1995年、
ファッルージャのドゥレイミ族が反乱を起こし、鎮圧され、処刑者を150人も
出しました。
そのため、ファッルージャの人々は、イラク戦争終結時点では、決してフセイ
ン支持ではなかったのです。むしろフセイン政権への怨念が深かったと言えるか
もしれません。また、フセインにとっても信頼できない地域だったのではないで
しょうか。
少なくとも、フセイン政権の復活を願う勢力が多数を占めるとは思えません。
つまり、米軍はそんなファッルージャの人々をむしろ味方にできたとも言える
と思います。
世論は日々刻々変化していくものだと思います。
<米軍への評価>、<イスラム原理主義各派への評価>等々…
しかし、ファッルージャでの件の時点では、イラクの世論は、
「『サドル師の信奉者はならず者だ』と言っていたのと同じ人が、今では『彼ら
は我々のならず者で、残忍な占領者の手から我々を守っている』というような
言い方をするようになっている」
というように変化していたと思われます。
米軍への評価は最悪となり、イスラム原理主義への否定的評価が相対的に弱ま
ったのではないかと思われます。少なくとも、この時点では。