「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
紙の本
なぜ科学はストーリーを必要としているのか ハリウッドに学んだ伝える技術
知見の共有と積み重ねの上に成り立つ「科学」。学究の世界からエンターテインメントの世界へと飛び込んだ著者が「伝える」という行為を通じて科学の本質に迫り、科学界全体に改革をも...
なぜ科学はストーリーを必要としているのか ハリウッドに学んだ伝える技術
なぜ科学はストーリーを必要としているのか
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
知見の共有と積み重ねの上に成り立つ「科学」。学究の世界からエンターテインメントの世界へと飛び込んだ著者が「伝える」という行為を通じて科学の本質に迫り、科学界全体に改革をもたらすための「物語の文化」を提唱する。【「TRC MARC」の商品解説】
科学はストーリーに満ちている。科学研究の手法も、科学を伝えることも、何かを語るためのプロセスだ。にもかかわらず、ストーリーの持つ力と構造は、広く教育されておらず、公に主張されてもいない。科学はいま、数々の重大な問題に直面している。それらの問題は、ストーリーの力と構造を見過ごしていることに端を発するものだ。問題は多岐にわたる。科学の現場の中で偽陽性の研究結果が急増していることに始まり、現場の外で科学への拒絶感が高まっていることに至るまで。助けが求められているが、本来なら支援の手を差し出すべき文系の専門家たちは、自分たちの抱える問題に忙殺されていて、実践的な視点にも欠けている。著者が主張するのは、現実社会における「物語(narrative)」の力を一世紀にわたって学び、応用してきた人々に対して、科学者が目を向け、その助けを求めるべきだということ──つまり、作家たち、監督たち、役者たち、編集者たちなど、ハリウッドにいる熟練の強者たちにである。
物語によって脅かされるものは、何もない。物語は、人間の文化のあらゆる側面に浸透している。科学者たちは、科学が物語のプロセスであること、物語はストーリーであること、したがって、科学にはストーリーが必要であることを認識しなければならない。【商品解説】
科学はストーリーに満ちている。科学研究の手法も、科学を伝えることも何かを語るためのプロセスだ。にも関わらず、ストーリーの持つ力と構造について広く教えられてはおらず、公に提唱されてもいない。だから「物語の力」を熟知している人たちに学び、伝える技術を科学者も身につけよう、というのが本書のメッセージである。【本の内容】
目次
- 日本語版序文
- ・第1部 序論
- なぜ科学にストーリーが必要なのか
- ・第2部 正(テーゼ)
- 1 科学は、「物語」の世界から逃げられない
- 2 そして、人文学は科学の助けになるはずだ
- 3 しかし、こういう面では人文学は役に立たない
- 4 したがって、ハリウッドが救いの手を差し伸べる
著者紹介
ランディ・オルソン
- 略歴
- 〈ランディ・オルソン〉ハリウッドを拠点に数々の映画の脚本執筆を行うほか、米国各地の大学、企業、政府機関などにおいて情報発信・プレゼンテーションのトレーニングプログラムを実施。
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
科学以外にも使える「伝え方」の極意、たった3つの接続詞がカギ
2018/09/04 06:37
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Benzene - この投稿者のレビュー一覧を見る
専門家が聴衆に向けて語るとき、どうすれば相手がその話を理解し、夢中になってくれるだろうか?元大学教授である著者は映画監督へと転身し苦難を経験する中で、人気映画に共通する「物語の構造」に気付き、それを科学プレゼンテーションに応用した「ABT方式」を提案している。このユニークな着眼点とメソッドの簡潔さが、他のプレゼン技術本には無い、本書の最大の売りだと感じた。
この「ABT方式」とは、A (And, そして) B (But, しかし) T (Therefore, したがって) という3つの接続詞をつかって話を組み立てる技術。会話がこの構造をとると、聞き手の脳は活性化し、話を理解しやすくなるそうだ。一見単純で、そんなの当たり前に聞こえるが、大抵の専門家はこれがうまくできないために、話が「退屈」または「複雑」になりがちだという。私自身、研究者としてこの問題に悩まされてきたが、著者の解説を読んで目からウロコが落ちる思いがした。
本としては、軽妙な語り口で興味をひきつつ、テクニックの要点を絞って紹介してくれるので、分量の割に苦労せず、楽しく理解しながら読み進められた。本書の真ん中辺りに登場する「ABT方式」やその前後にあるテクニックをおさえれば、少々難しくなる後半部(科学論文をつかった検証)は読み飛ばしても大丈夫だと思う。
紹介されているテクニックは単純だが、実践し身につけるまでには多くの鍛錬が必要だ。私もさっそく知人を相手に試してみたが、驚くほどスムーズにいかず、肩を落とした。それでも、上記のような著者の失敗談や人間味あふれるエピソードに勇気づけられ、著者と共に頑張ろうという気持ちが湧いた。
若手研究者として、著者のやってきたこと(大学教授としての成功、その後の映画監督への転身、異業種への発表技術の伝導)には正直なところ圧倒される。しかし、それぞれは自慢話でなく(むしろ失敗談が多い)、本書のコンセプトが生まれるきっかけ、メソッドの意義の裏付けとして興味深く読めた。
「ABT方式」の適用範囲は科学に限らず、著者は多数の企業や政府団体に向けて講演を行っている。科学者だけでなく、仕事内容を伝えるどんな業種の人にも、広くおすすめできる本だ。また、専門分野が決まっていない学生の頃から、本書に沿って「物語の構造」を意識して訓練することができれば、どんな分野に進んでも強力なアドバンテージになると思う。大学や大学院で、積極的に取り上げてもらえればと願う。