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- カテゴリ:研究者
- 発売日:2017/11/18
- 出版社: 慶應義塾大学出版会
- サイズ:22cm/312,59p
- 利用対象:研究者
- ISBN:978-4-7664-2480-5
- 国内送料無料
紙の本
好古の瘴気 近代奈良の蒐集家と郷土研究
著者 黒岩 康博 (著)
近代奈良の蒐集家たちの営為−柳田国男のいう「郷土で研究」すること−を詳細に追い、そこに立ち現れる強烈な現場・現物主義と、場所(踏査)とモノ(収集)への飽くなき執着とから、...
好古の瘴気 近代奈良の蒐集家と郷土研究
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商品説明
近代奈良の蒐集家たちの営為−柳田国男のいう「郷土で研究」すること−を詳細に追い、そこに立ち現れる強烈な現場・現物主義と、場所(踏査)とモノ(収集)への飽くなき執着とから、地域の知的構造を明らかにする。【「TRC MARC」の商品解説】
▼「大和にアンマリ物が多いからだ」。
アカデミズムの視線を撥ね返す、
あくなき蒐集・踏査と人々のネットワーク。
「郷土で研究する」(柳田国男)ことの
意味を近代奈良に探る。
1870年代に廃県・廃仏毀釈による大変革を蒙った奈良県(大和国)。19世紀後半、中央のアカデミズムから、国威発揚のための良質な素材を抱いた地として熱い視線を受けながら、しかし現地で圧倒的に親しまれたのは、モノや場所を媒介にして強固に社会へと根付いた、体系性に欠け整合性も怪しい知識、すなわち「土着」した知であった。アカデミズムは、知の黒船とはなり得なかったのである。
郷土研究者たちは、平城宮跡や南朝史蹟という土地の由緒を掌握・顕彰すべく格闘した19世紀をへて、20世紀に入って訪れた雑誌の季節(読書社会)には、師範学校を軸とするネットワークを駆使して、民俗研究を土俗研究に、考古学研究を金石研究に読み替えつつ盛んに研究を行った。それらは1930年代以降の郷土教育運動へもつながってゆく。そして、「帝国日本」を所与の背景に、仏教文物や実用マレー語といったモノと知識を求めて海外雄飛する者も現れる。
本書は、近代奈良に充満する「好古の瘴気」に中てられた郷土研究者たちの、時に常識はずれで不道徳にすら見える興味深い営為――柳田国男のいう「郷土で研究」すること――を詳細に追い、そこに立ち現れる強烈な現場・現物主義と、場所(踏査)とモノ(収集)への飽くなき執着とから、地域の知的構造を明らかにする。【商品解説】
近代奈良に充満する「好古の瘴気」に当てられた郷土研究者たちの、時に常識外れで不道徳にすら見える興味深い営為――柳田國男のいう「郷土で研究」すること――を詳細に追い、そこに立ち現れる強烈な現場・現物主義、場所とモノへの飽くなき執着から、地域の知的構造を明らかにする。【本の内容】
目次
- 序章 郷土に何が起こったか
- 顕彰のモニュメント
- 第一章 平城神宮創建計画と奈良
- はじめに
- 第一節 明治三四〜三八年の創建計画
- 第二節 明治三八〜四二年の創建計画
- おわりに
- 史料 「平城宮址顕彰会趣意書」
- 第二章 南朝史蹟の考証と地域社会
- はじめに
著者紹介
黒岩 康博
- 略歴
- 〈黒岩康博〉1974年京都市生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学。京都大学人文科学研究所助教を経て、天理大学文学部歴史文化学科講師。博士(文学)。
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