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- カテゴリ:研究者
- 発売日:2016/10/06
- 出版社: 慶應義塾大学出版会
- サイズ:22cm/439,27p
- 利用対象:研究者
- ISBN:978-4-7664-2368-6
- 国内送料無料
紙の本
ジャン=ジョゼフ・スュラン 一七世紀フランス神秘主義の光芒
著者 渡辺 優 (著)
【渋沢・クローデル賞(第34回)】17世紀フランス最大の神秘家スュランの信仰と思索の境地を、大航海時代や科学革命の到来がもたらした信と知の変動とも照らし合わせ、斬新に描き...
ジャン=ジョゼフ・スュラン 一七世紀フランス神秘主義の光芒
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商品説明
【渋沢・クローデル賞(第34回)】17世紀フランス最大の神秘家スュランの信仰と思索の境地を、大航海時代や科学革命の到来がもたらした信と知の変動とも照らし合わせ、斬新に描き出す。新たな神秘主義理解を提示する意欲的な書。【「TRC MARC」の商品解説】
▼現前の体験を超え、赤裸な信仰へ
▼これまでの神秘主義理解を刷新する力作!
本書の主人公イエズス会士ジャン=ジョゼフ・スュラン(Jean-Joseph Surin, 1600-1665)は、
祓魔師(エクソシスト)として派遣された〈ルダンの悪魔憑き事件〉において悪魔に憑かれた神父として知られる。彼は、この事件を発端に、15年以上にも及ぶ心身の危機的状況を通じて、その身に数々の超常の体験を被った。
それは、近代以降の神秘主義理解において、まさに神秘主義の究極目的とされてきた〈神の現前〉への直接参与を可能にした、特権的な〈現前の体験〉であった。
しかし、ついにこの魂の暗夜を潜り抜け、絶望の深淵から生還したスュランは、晩年、出生地ボルドー近郊の農村地帯を中心に、宣教と司牧活動に奔走することとなる。
市井のキリスト教信徒たちと過ごすなか、彼がその波乱に満ちた人生の果てに辿り着いたのは、すべてのキリスト教信徒に共通の、すなわち一切の超常の体験を拭い去った、純粋な信仰(foi pure)、赤裸な信仰(foi nue)の境地であった。
本書では、キリスト教霊性の黄金時代と目される17世紀フランスのなかでも、最大の神秘家として近年注目を集めるスュランのテクストを、「語りえぬもの」をそれでもなお語ろうとした神秘家の言葉として、あるいは「信への呼びかけ」を発する「証言」として、リクールやレヴィナス、セルトーなど、現代思想の知見にも学びつつ、精緻かつ大胆に読み解く。
また、デカルトやパスカルが輩出した17世紀フランスに「経験の学知」として登場した神秘主義(ラ・ミスティク)の展開を、大航海時代や科学革命がもたらした信と知の地殻変動にも照らし合わせ、転換期西欧に固有の歴史的現象としてダイナミックに捉える。
同時代における十字架のヨハネの影響や、世紀末のキエティスム論争をめぐっても、
新たな宗教史的発見が説得的に提示される。
中世と近代のはざまの時代を駆け抜けたスュランという神秘家の、劇的な魂の道程を
たどりなおすことで、従来の神秘主義理解を刷新し、宗教哲学・思想研究の水準を一段押し上げる野心的論考。【商品解説】
これまで日本では未開拓であった研究分野の豊かな広がりを照らし出し、フランス最大の神秘思想家スュランのみならず、17世紀フランスが輩出した数多の神秘家の存在を知らしめることにより、今後の神秘主義・宗教思想研究の進展に大いに寄与する内容となっている。【本の内容】
目次
- 序章 一七世紀フランス神秘主義とジャン=ジョゼフ・スュラン
- 1 一七世紀フランス
- 2 ジャン=ジョゼフ・スュランの生涯
- 3 神秘主義とは何か
- 4 スュランの読み方
- 5 先行研究批判と本書の主題
- 第Ⅰ部 近世神秘主義の地平
- 第1章 「経験の学知」《la science expérimentale》
- 1 中世末期における神秘主義の自立化
- 2 近世における経験/体験概念の新たな構成
著者紹介
渡辺 優
- 略歴
- 〈渡辺優〉1981年静岡県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了、博士(文学)。天理大学人間学部宗教学科講師。専門は宗教学、とくに近世西欧神秘主義研究、現代神学・教学研究。
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