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商品説明
ワイルド、フォード、ストーカー…その内に深淵を抱えつつ、それぞれの旅路を歩む作家たち。人々が不安と焦燥感にかられた19世紀後半から第1次世界大戦までのイギリスを、作家たちの「旅」から読み解く。【「TRC MARC」の商品解説】
作家たちの「旅」からイギリスを読む。
大都市ロンドンがゴシック小説を生んだ。
伝統と常識への反発が新しい悲喜劇を作り出した。
深い塹壕と泥沼の戦場が、絶望と希望をあわせもつ小説の誕生の場となった。
——人々が不安と焦燥感にかられた一九世紀後半から第一次世界大戦までのイギリスを、ブラム・ストーカー、スティーヴンソン、オスカー・ワイルド、フォード・マドックス・フォードなどの作家たちの「旅」から読み解く。
【商品解説】
目次
- はじめに
- 第I部 一九世紀末イギリスのゴシック・ワールド
- 一九世紀末の英国の危機意識と文学--ブラム・ストーカーとオスカー・ワイルドを中心に--
- 境界の破壊者としての吸血鬼--ブラム・ストーカーの『ドラキュラ』を読む--
- 一九世紀末ロンドンの旅人たち--旅行記としてのゴシック小説を読む--
- 第II部 危うい旅人、オスカー・ワイルド
著者紹介
河内 恵子
- 略歴
- 〈河内恵子〉1953年兵庫県生まれ。慶応義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。同大学文学部助教授。専攻は19世紀末から現代までのイギリス小説。
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紙の本
流行作家の栄光と挫折をたどる
2018/06/01 23:28
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なお - この投稿者のレビュー一覧を見る
盛者必衰とは古今東西どこでも、いつでもあてはまる普遍の原理なのでしょうか。
時は19世紀末のロンドンは世紀末ということもあり、ゴシック小説が流行していた時期であった。こうした背景のもとブラム・ストーカー、R.L.スティーヴソン、オスカーワイルド、フォード・マドックス・フォード等の作家が登場してきた。その作品として今でも名前があげられるのが「ドラキュラ」「ジーキル博士とハイド氏」が有名であろうか。どちらの作品も根底にあるのが、表と裏、明と暗という二重構造的な展開が見られる。
本書では第2部、3部でオスカーワイルド、フォード・マドックス・フォードがとりあげられていて、その作家の人生が作品とともに紹介されている。どちらの作家ともども本書のタイトルが示すとおり人生において栄光の時期もあるが、その反動としての凋落もまたすざましい。まさに深淵の旅人である。いつの時代でも調子の良い時ばかりではなく、
自分を見失ってしまい思わぬ方向へ行ってしまうこともある。
こういった流れはマクロ的に見ると人だけに限ったことではないことも筆者は述べています。その時代のロンドンである。繁栄と謳歌を誇っていたが、時代の波は徐々に衰亡を予感させるようなものがあらわれてきて、その都市内部でも裕福な地区とそうでない所といったように明暗がくっきりし始めてきた。
その時代背景を敏感に感じ取ったのがこの本書で紹介されている作家ということになろう。まさに小説とはその時代を表す鏡と言えるかもしれない。
残念なのはさすがに100年以上経過していることから、すべての作品が翻訳があるわけではないことである。