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収録作品一覧
訓蒙窮理図解 | 1-62 | |
---|---|---|
世界国尽 | 63-160 | |
童蒙教草(抄) | 161-340 |
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紙の本
全編これ七五調。まるで歌舞伎の口上のような福澤先生による世界各国紹介
2011/08/21 13:06
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本語を悪くしたのは岩波書店だと山本夏彦さんは言った。至言である。その衣鉢を継いだ丸山真男の文章なぞ、読めたものではない。「であることとすること」という丸山の有名な文章があるが、これがBeingとDoingの翻訳であると気がつくまで私は30年近くかかった。つくづく明治大正昭和の西洋かぶれインテリはアサハカであったと思う。こうした岩波知識人とおよそ正反対なのが福澤諭吉先生である。彼の日本語力は半端でない。本書は福澤先生が世界各地の地誌国情を全編七五調で語りつくしたものである。以下は、福澤先生がチャイナの状況について語りつくしたものである。福澤節を存分に味わい尽くしてほしい。「そもそもシナの物語、往古陶虞の時代より年を経ること四千歳、仁義五常を重んじて人情厚き風なりとその名も高く聞こえしが、文明開化後ずさり、風俗次第に衰えて、徳を修めず知を磨かず、我より他に人なしと世間知らずの高枕、暴君汚吏の意にまかせ、下を抑えし悪政の天罰のがるるところなく頃は天保12年、英吉利国と不和を起こし、唯一戦に打ち負けて和睦願いし21百万、五処の港を打ち開きなおも懲りざる無知の民、理も無きことに兵端をみだりに開く弱兵は負けて戦いまた負けて今の姿に成り行きし、その有様ぞ憐れなり」。名文といっていいだろう。
日本の小中学校の歴史教科書をすべて七五調にしたら、教育の効果も飛躍的に向上するかもしれない。本書を読んで、ふとそんなことを思った。