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19世紀フランス文学事典
芳醇にして多産な19世紀フランス文学に関する総合的案内書。歴史的背景はもとより、思想や政治経済、宗教、社会などを概括する中に個々の作家の活動を位置づけ、さらに代表的作家の...
19世紀フランス文学事典
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商品説明
芳醇にして多産な19世紀フランス文学に関する総合的案内書。歴史的背景はもとより、思想や政治経済、宗教、社会などを概括する中に個々の作家の活動を位置づけ、さらに代表的作家の生涯と作品を紹介する。【「TRC MARC」の商品解説】
芳醇にして多産な19世紀フランス文学の総合的な案内書。文学を成立させたその時代背景を問題にして文学を解説するとともに、スタール夫人を筆頭に作家33名の人と作品を紹介している。写真・図版600余点を収録。【商品解説】
目次
- <b>第Ⅰ部 概観</b>
- 第一章 十九世紀の歴史と社会 高山鉄男
- 一 近代化
- 二 人口の増大
- 三 社会生活の変化
- 四 貧困
- 五 市民階級
- 六 ナポレオン
- 七 王政復古
- 八 七月王政
著者紹介
古屋 健三
- 略歴
- 〈古屋健三〉1936年東京都生まれ。慶応義塾大学文学部教授。著書に「永井荷風冬との出会い」など。
〈小潟昭夫〉1944年生まれ。慶応義塾大学経済学部教授。著書に「幻視と断片」など。
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類書はなく、大部な『事典』(600点もの写真・図版も載っている)にしては廉価
2000/08/23 00:15
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投稿者:安原顕 - この投稿者のレビュー一覧を見る
類書はなく、大部な『事典』(600 点もの写真・図版も載っている)にしては廉価なので、全国の図書館は、ただちに1冊購入して欲しい。「目次」を書き出しておくと、第1部は「概観」で、第1章「十九世紀の歴史と社会」、第2章「思想」、第3章「文学」。第2部「作家の顔」にはスタール夫人からピエール・ロティまで33人の代表的作家が取り上げられている。ここではジュール・ヴェルヌ同様、レーモン・ルーセルが、愛読した作家ピエール・ロティ(1850〜1923) の項を簡単に紹介しておこう。ロティについては、ルーセル研究家岡谷公二の『ロティ』が近い将来、作品社から出ると聞いている。ロティ(本名はルイ=マリ=ジュリアン・ヴィオ)は、フランス西南部の小都市ロシュフォールに生まれる。この地は当時、重要な軍港で、彼の先祖にも船乗りが多かった。父親は市役所に勤める公務員で、音楽や詩を好み、郷土史の著書もある人だった。また彼は、結婚の際、妻の宗教「新教」に改宗しもする。ロティが生れた時、すでに姉マリ(18 歳、画才あり)、兄ギュスターヴ(13歳)、父方、母方双方の祖母、叔母も同居、9人の大家族だった。ロティが8歳の時、兄は船医としてポリネシアに渡り、4年後に帰国する。兄からの便りや土産品からロティの異国への憧憬は強まり、宣教師の道を考えたりするが信仰を失い、後に回教、ヒンドゥー教、仏教にも興味を示す。15歳の時、兄が死に、その翌年、市の収入役だった父が公金横領の嫌疑をかけられクビになり、一家は路頭に迷う。二年後、父は無罪を勝ち取るが巨額の不明金の弁済を強いられ、仕方なくロティも多額の借金を背負う。16歳で故郷を離れた彼は海軍を志し、海軍兵学校に入学。この頃より「日記」を付け始める。19歳で軍務につくや、世界各国を巡行しつつ見聞録を雑誌に寄稿し始める。そしてトルコ在勤中、『ララユ』(後に『ロティの結婚』)などを匿名で出版。やがて筆名をロティとして流行作家になり、エミール・ゾラを押さえ、41歳の若さでアカデミー・フランセーズの会員になる。大佐で退役するまでの42年間、海軍生活をし、スペイン国境バスクの町の別荘で、73年の生涯を閉じる。国葬だった。彼は海軍士官として数回訪日し、最初の滞在時(1885年)、長崎で日本人女性と同棲、その体験をもとに『お菊さん』(87年。後にオペラ『蝶々夫人』のモチーフに使われた)を執筆、15年後の再訪の折は、『お梅さんの三度目の春』(1905年) を書く。他に紀行文『秋の日本』などもある。ロティは相当奇妙な男と聞いているが、この『事典』には、そうした記載はない。