紙の本
日本で知られていなかった人物
2016/09/17 22:56
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投稿者:Freiheit - この投稿者のレビュー一覧を見る
キング牧師は知っていてもルイスミショーを知っていた日本人はいないだろう。彼が黒人の意識と知識の向上のため、本屋の経営を通して闘った記録である。
紙の本
アメリカ黒人の厳しい現状
2015/11/13 05:00
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投稿者:シンジー - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本にいては分からないこと、やはりこのような本を通じて学ぶことができる。特に、公民権運動の頃の話、我々40代後半の世代でも、知らないことが多い。
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マルコムXらとともに、黒人の地位向上に努めたハーレムの黒人書店主・ルイス・ミショーの伝記。
若い頃は窃盗などで逮捕されたこともあるミショー。子沢山の家庭に生まれ、教会の伝道師の親兄弟の家庭に育ち、次第に世の中の不合理に対するには、知識を得ることが近道と考え、ハーレムの真ん中に本屋を開店する。
キング牧師の暗殺、マルコムXの台頭。
徐々にアメリカの黒人文化を支える人となっていくミショー。
黒人文化だけでなく、アメリカの抱える大きな人種社会を改めて感じた。
R・グレゴリー・クリスティの挿絵がいい!
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1939年頃、黒人は本なんか読まないと言われた時代のアメリカで、黒人が書いた黒人の本を黒人に売る本屋を開いた黒人店主の生涯。
綿密な取材を元に、本人や関係者のひとりがたりを重ねてルイス・ミショーとその時代をうかびあがらせていく。
朗読劇にしたらおもしろそう。
これは攻めの本屋。文化の発信をこころざした。
白人との戦いではなく、奪われた誇りを自分たち自身にとりもどすための闘い。
「ミショーの本屋」にはたくさんの人がつどい、知識を得て議論する。
利用者が自分で人生を選べるように、力(知識)を身につける機会をつくる。
これは図書館(本屋)のあるべき姿だ。
マルコムXもここに入り浸った客のひとり。
私はマルコムXとキング牧師に不良と優等生的な印象をもっていたけれど、「怒りを妥協しない理想主義の人」と「アサーティブに長けた現実路線の人」なのかもしれない。
こんど自伝を読んでみよう。
本のサイズとレイアウトが読みにくい。
想像で書くしかない昔の部分は、100年以上前の人の価値観にしては現代的すぎるような気がするのが気になる。
でもしばらく読むうちにのめりこんで、むさぼるように一気に読み終えた。
いい本だった。
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造本が70〜80年代風なのでかなり前の本だとなんとなく思いながら読んだら、なんだ最近の出版じゃないか!
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フィクションとされているが、ぜひノンフィクションと捉えて読みたい。
現代よりも更に更に有色人種への差別が色濃かった時代に、たった5冊の蔵書から本屋を始めた男の物語。
志の高さ、信念の強さに感動。
今、これほどの大義を抱いている本屋はどれくらいいるだろう。
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本は何よりも力になる。だから、白人は黒人から本を取り上げる。
そして、自分の敵は、いちばん身近にいる人たち。とくにまわりが貧困だったら、敵なんてうじゃうじゃいる。貧しいと、人間なんてみんなだいたいどうしようもなく悪くなる。そこから飛び抜けようとする人がひとにぎりしかいない。それに本がひと役買うなんてすてきだ。
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アメリカの公民権運動、というと、キング牧師の名前とバス・ボイコット運動がまず頭に浮かぶけれど、この本を読むと、たった一人の人の功績ではないんだと思い知らされます。本当に多くの人が自らの闘いをそれぞれのやり方で闘い続けてきた結果として今があるんだなぁ、としみじみ思います。
本のタイトルの人物、ミショーさんは、教育、啓蒙、の側面から闘いを続けてきた人のようです。教育って、簡単に結果が出ることではないので、誰もすぐには彼のしていることが理解できず、バカにされたり、援助が受けられずお金に困ったり。さらには家族すら障害となって立ちはだかってきます。それだけに、ミショーさんの活動が徐々に実を結んでいく過程、彼の声を聞いて大きく目を開かれた人たちのエピソードの数々は感動的です。彼のやってきたことがどんなにすごいことか伝わってきて、読んでいて何度か涙がこぼれそうになりました。
原題の「No Crystal Stair」、この言葉の引用元のラングストン・ヒューズの詩は、この本だけでなく、他の多くの文学で引用されています。知っている人なら、この原題を聞いただけで、長いでこぼこの階段をゆっくり一歩ずつ昇る女性の姿が思い浮かぶと思います。
ミショーさんの物語の中でも、全文が引用されています。一遍の詩が、誰かの人生を変えることすらできるという「ペンの持つ力」に驚かされる場面です。いろんなところで何度も読んでいる詩ですが、読むたび毎回激しく心揺さぶられます。タイトルになっているとおり、ミショーさんを始め、多くの黒人たちの歩んできた道と重なって感じられます。
ミショーさんの訴えてきた「とにかく知らないことには話にならない」という教育の大切さを、私たちは当然のように享受していますが、それは先人たちの闘いのおかげであること、そして今もそれを得るために闘っている人たちが世界中にいることを忘れちゃいけないと思いました。
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#ハーレムの闘う本屋 読了 A4ハードカバーの判型に、図鑑か!と。「知識こそ力」と信じ、ニューヨーク、ハーレムに黒人に関する本ばかりを扱う書店を1939年に開業したルイス・ミショーの生涯を追ったドキュメンタリーノベル。マルコムXを精神的に育んだのがこの本屋とは!読み応えあり。
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自分自身が何かを成し遂げた人はもちろん素晴らしいものを後に残していきますが、自分以外の誰かに知識を与えたり、学ぶことの大切さを気づかせたり、自身の大切さや可能性に気づかせることもまた、後に多くの人という種や芽を残していけること。ミショーは豊かな実りを後に残していった人だったと思う。
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こういう本を読書感想文の課題図書にするのはいいことだと思う。
この大きさと内容の見た目では、今どきの日本の若者が進んで読もうとすることはなさそうだから。
(この大きさで、イラストも写真も入って1800円に抑えられたのは、もしかして早くから課題図書になることが決まっていたのではないかと思ってしまうが。)
公民権運動やアメリカの黒人文学に詳しければ、より興味深く読めるが、知らなくても面白く読めるし、読めば知識も得られる。キング牧師は日本でも子供向けの本が多く出ているが、マルコムXに関しては少ないので、当時の二人の立ち位置がわかり、支持する人たちの熱気が伝わるのもいい。
挿絵はベン・シャーン風でしゃれているし、FBIの文書や新聞、広告や遺言書などを入れつつ、様々な人物の証言で物語を構成するのもユニークだと思う。(この証言に架空の人物やフィクションが混じっているため、この本は小説の扱いとなっている。)
あえて欠点を言うなら、持って読むには重い。
黒人が書いた文学を読んだことのある日本の中高生は少ないので、いまひとつ「ああ、あの作家が、詩人が!」という感慨を持てない。(トニ・モリスンが一番今手に入りやすいとは思うが、一般的な中高生が気軽に読めるようなものではない。)
この本自体が、公民権運動を歴史で学ぶアメリカの若者向けなので、ある程度知っていることを前提に書かれており、全く知識のない者にはわかりにくい部分もある。
最後に注釈があるのに、本文に印がついていない。
戦争のことにほとんど触れていない。(日本にとっては本土の一般人も攻撃された、たいへんな戦争だったけど、アメリカ本土の人たちはごく普通に生活していたのだろうか?黒人も徴兵されて戦死した者もいただろうに。)
まあ、それでも、読む価値のある本。
犯罪を犯したり、片目を失ったりなどの紆余曲折を経て、ルイス・ミショーが本屋を開いたのは40過ぎてから、というのは、大人にも勇気を与える。
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ハーレムで初めて、黒人のための本屋を開いたルイス・ミショーの物語。ルイス・ミショーの弟の孫が15年以上かけて書いた本。
ルイス・ミショーや彼の周囲の人達の独白や写真、新聞記事や広告、FBIの記録などで構成された珍しい小説。小説なのかは正直分からないけど、たぶん小説だろう。
黒人はまず自分自身を知らなくてはならない、という信念に一生を捧げた人。
ニッキ・ジョバンニもこのお店の常連だったし、ボールドウィンの本も扱っていたんだって!それを思うと、そんなに昔の話でもないんだなぁ…。
この本は信念を持った超人的な普通の人だらけだ。原著も読みたい。
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公民権運動の隆盛と時を同じくして……というより、そのムーブメントを黒人専門書店という形で支えたルイス・ミショーの生涯の物語。ウォルター・ディーン・マイヤーズと同じく、少年時代は自分の頭脳や機転を何に使ったらいいか分からず、また黒人に開かれている道もなかったから、悪に手を染めたり、逮捕されたりしたことも一度や二度でなく……しかし四十近くなってから、本を売ることを思いついて、5冊の本を手に書店の仕事を始めた。それがやがてハーレムで、二万冊の蔵書を備え、なおかつ黒人作家や指導者達がつどう文化的拠点を築くにいたる。
なかで引用されるハワード・ヒューズの詩が素晴らしかった。ミショーの情熱や慧眼、博識、強気だけど傲慢ではない人柄が、周囲の人たちの証言から浮かび上がってくる構成もいい。感動的な生涯だと思った。
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一気読みして号泣。なんで泣いたのか思い出せない。
ルイス・ミショーの時代、アメリカの白人はまだ国家の形成に躍起で、黒人も一枚板ではなかった。みんながみんな自分の正義のために闘っていた。ルイスも、ルイスの兄のライトフットも、マルコムXも、キング牧師も、FBI長官フーヴァーでさえも。そんな歴史の一側面を、主流とはいえない視点からかいま見られるのが魅力。
著者はルイスと血縁関係にあるヴォーンダ・ミショー・ネルソン。これだけのことを調べ上げ、まとめるのは、ずいぶん骨が折れたことだろう。残された資料や取材相手の発言をもとにしているようだが、いくらかはフィクションで補っているという。筆致はかろやかで、ところどころ引用されている黒人作家による詩が、全体をいっそう輝かせている。伝記的作品としても虚構としても良質で、ぜひ手元に置いておきたい。
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マルコムXも通ったという、ニューヨークに実在した黒人の為の書店とその店主、ルイス・ミショーについての本。なんでこんなに大きな本なんだと思ったら、児童書扱いだった。作者はルイス・ミショーの弟の孫。ある意味で、公民権運動を支えたともいえるその功績は小さくない。なんでこんなに知られてないんだ?