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- カテゴリ:一般
- 取扱開始日:2012/04/25
- 出版社: みすず書房
- サイズ:20cm/231,27p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-622-07675-9
- 国内送料無料
紙の本
老化の進化論 小さなメトセラが寿命観を変える
生物はなぜ老いるのか、なぜ寿命があるのか? 老化を「徐々にせり上がってくる死の壁」と捉える従来の寿命観は、まったくの間違いだった! 分野のパイオニアが研究の現場と理論の発...
老化の進化論 小さなメトセラが寿命観を変える
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商品説明
生物はなぜ老いるのか、なぜ寿命があるのか? 老化を「徐々にせり上がってくる死の壁」と捉える従来の寿命観は、まったくの間違いだった! 分野のパイオニアが研究の現場と理論の発展を活き活きと描く。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
マイケル・R.ローズ
- 略歴
- 〈マイケル・R.ローズ〉カナダ出身。カリフォルニア大学アーヴァイン校スクール・オブ・バイオロジカルサイエンス、生態学・進化生物学部門教授。老化の進化論検証への道を拓いた第一人者。
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問題提起としては興味深いが、考えを理解するのは難しかった。
2012/11/03 16:56
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投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
なぜ年齢とともに老化していくのだろうか。老化するとはどういうことがおこっているのだろうか。世界有数の長寿の国の住民としては、老齢になっても元気で過ごしたいというのは切実な希望でもあろう。本書の著者はショウジョウバエを実験材料にし、「老化は進化による」と提唱する。邦訳副題の「メトセラ」は、著者らがみつけ研究した普通より二倍長生きするショウジョウバエの一群である。
原著の副題は、直訳すると「進化生物学の進歩は、どのようにして我々が老化を遅らせることを助けられるか」である。「老化が進化によってコントロールされる」という考えは、なかなかすぐには理解しづらい。
一般向けの本としてあるので、この主張のもととなる研究の話が分かりやすく説明されているかと期待したのだが、あまりすっきりしなかった。一般向けに書いたということで、本書には詳しい実験の説明や図・グラフなどは出てこない。カバー裏には「老化の進化論が検証される過程をスリリングにたどる」とあるが、こちらの頭が従来の「老化観」に縛られているからか、あるいは著者の説明が「できるひとにありがちな、知らない人には渡れない幅の」飛躍をしているからか、主張の説明を結論までうまくつなげられなかった。家族の話や研究のきっかけなどの回顧的な話(結構多い)の部分が少し冗長に感じたというのも正直なところである。逆に言えば、研究者の回顧録として読めば面白い、ということになるのかもしれない。
読んでいて「寿命が延びる」ことと「老化を遅らせる」ことがところどころ混乱しそうになると感じた。「寿命が延びた」という実験の結果が「老化を解明した」ということにはつながらない場合もあるのではないだろうか。根本として、「老化とはなにか」の定義もかなりあいまいな気がする。著者の「老化」定義から入ってほしかったところである。
本書でも触れられているが、「アンチエイジング」という言葉での老化防止は商業的なターゲットにもなってきている。「痩せる」薬と同様、怪しげな偽科学の入り込む余地のある「きわどい」領域でもあるのだろう。だからこそ、本書のような取組を真摯に読み、自分の考えをはっきりさせることは大事だと思う。老化についての研究はまだまだ不明なことも多いというのが現状だと思う。かなり読みづらかったが、問題提起としてはよい本だったと言っておきたい。