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家にあったから読んでみた。何年か前に同じ著者の本で、「図解相対性理論がみるみるわかる本」を読んだことがあったから、光の速度が一定とか、空間が歪むとかそんな話は何となく聞いたことあったけど、この本を読んで、アインシュタイン以降の物理学がどうやって発展してきて、今どういうことを研究しているのかってことが少し分かった。
多世界解釈とかブレーン宇宙論のマルチバースとか、今まではSFの世界の話だったことが、ひょっとしたら真理なのかもしれないとか思うと、物理学ってすごいことやってんだなと感じる。
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数学、理学からは高校途中でドロップアウトしたワシですが、物理学は興味ある分野で、高校三年生まで履修、その後もたまーに関連書籍は読んでいる、という感じの興味。で、そんなワシも、当然のごとく量子論も相対性理論も「なんとなくこんなもの」って概念をうっすら把握しているだけなので、平易な解説書ってないかな、ってのは常に思っています。
そこで本書を知り、読んでみましたが……残念、やっぱり厳しい。というか、かつて読んだことのある「平易な解説書」と言いつつ、結局(少なくともワシには)分からない、という結果でした。ま、それは本書が悪いので派無く、ワシの理解力が悪いのかもしれません。
日本人でアインシュタイン好きや相対性理論好きが多いのは(多いですよね?)、ワシが子どもの頃にやっていたNHKスペシャル「アインシュタイン・ロマン」の影響が色濃いのでは無いかという仮設を唱えていますが、本書の解説はその番組を超えるものでは無く、さらに言えば映像がない分理解の幅が減ってしまいました。
また、ワシの期待とずれた部分として、著者の主観が強く働いていて、そういう本としてとらえればどうということはないのですが、ちょっと端々が気になりました。細かく言うなら、日本人の学者には「先生」と付けて海外の学者には付けない(学会内の人なので)とか。なんか、贔屓目があるように感じてしまうんですよね。
理解を助けようと簡素化して書いている部分も、結果的に因果関係を分かりにくくしたり……まぁ、全体的に何かと、物足りない(その割に理解も深まれなかった)本でありました。
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二回目だが、読み進めるうちにどんどんわからなくなっていく…。
でもこないだのニュースは、ヒッグス粒子が見つかると思ったら、ニュートリノが光より速かったでござる、ってなっちゃった、ということでいいのか?
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相対論,量子論,素粒子論,宇宙論の20世紀をコンパクトに紹介。とてもイイ。素粒子の標準模型や,未完成の超ひも理論,大統一理論,量子重力理論,どのくらい短い距離まで重力が逆二乗則に従っているかどうか検証する短距離重力なんかにも触れてる。
人間原理の濫用は物理学の放棄だ!という見解に共感。宇宙,生命,人類が生まれた奇跡に近い現実を,人間原理はこう説明する。「だって,人間くらいの知的生命が生まれる条件を宇宙が備えてなければ,それを観測する主体がいない。宇宙が奇跡的にうまくできてるように見えるのは,そう感じる人間がいる以上あたりまえ。」
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宇宙は十次元あるというのが最近有力な学説らしい。超ひも理論って何。その理論がまとまれば宇宙の全てを説明できるとか何とか。謎だ。
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分かっている人の手のひらで話が転がされているので、安心して読み進めることができる。現代物理学に関して、相当、欲張りな本。用語や概念をひととおり、押さえられる。物理をパブリックなものにしたいという良心を感じる。
・ヒルベルト:アクションを最小にしようとすると、アインシュタイン方程式が導き出される。
・グラショウのウロボロスの図
・宇宙の膨張は銀河団レベルで初めて分かる。
・宇宙背景放射と地平線問題。空間が光の速度よりも早く膨張するのはOK.
・密度揺らぎが宇宙の大規模構造をつくる。
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相対性理論から宇宙論を導き出し、さらに量子力学を説いていき、そこから素粒子論へ、そしてやはり宇宙論へと展開していきます。非常に平易に説明してあり、分かりやすく、その結果、宇宙論ってなんて分かりにくいんだ!と分かる一冊です。
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相対性理論や量子論に興味はあるけどとっつきにくそう、といい人におすすめです。わかりやすくおもしろいです。
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「宇宙インフレーション理論」提唱者の一人である著者による、「ここまでわかって、ここまでわかってない」ことを分かりやすく教えてくれる本。相対性理論や量子論を、ちょっと疑いながらも、その成果をしっかりまとめてくれている。ただし「入門書」ではないので注意。「他の本を読んでも相対性理論や量子論がわからない」という人が読むのが適。
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前半の,物理学の歴史の御解説は何故,どうして,の部分が大変理解し易いが,後半の最先端素粒子物理学の御解説は淡々とした現状が語られるだけのため,取っつき難い.モチベーションの部分が詳らかにされたい.
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インフレーション理論の提唱者による20世紀以降の物理学の解説書。物理が全くわからない人のために、できる限り丁寧に平易な言葉で説明してくれており、とても楽しく読めました。これから先、どんなことが新たにわかってくるんだろう?と、ワクワクしてきました。
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佐藤勝彦先生の本はたぶん読んだことがなかった。佐藤文隆先生の本は数冊読んでいるのだけれど、勝彦先生の方がなんとなく難しいと思って読んでいなかった。ところが本書を読んでみると、勝彦先生の方が数段わかりやすく(この本は特にそういうつくりになっているのだろうが)おかげで、宇宙論・素粒子論の全体像がなんとなくつかめた。もっとも、読んでしばらくたつと全く記憶から飛んでしまうのだけれど。本書で最もしっくりと理解できたのは、対称性の自発的な破れと相転移の話だった。ノーベル賞を受賞された南部先生の考え方が以下のような具体例をもとに紹介されていた。棒磁石の中の鉄原子はもともとミニ磁石になっている。ふつう、そのミニ磁石は向きがそろっている(「どこから見ても同じ状態」ではない=対称性は破れている)。ところが棒磁石を高温にすると磁石の性質を失う、つまりミニ磁石の向きが熱運動によってバラバラになる(どこから見ても同じような状態=対称性がある)。次に温度を下げていくと、ふたたび磁石の性質をとりもどす(対称性が破れた)状態にうつる。また、特殊相対性理論と一般相対性理論の違いとか、シュレディンガーの猫の話とかも理解が進んだ。基本的な内容で、何度も読んできたはずなのだけれど、やっと、そこそこ人に説明できるくらいになったような気がした。(相対性理論自体を説明することはもちろんできない。)さて、本書では物理の理論的な話だけではなく、それ以外に、ところどころで書かれている、勝彦先生の本音がよりおもしろかった。終わりの方で人間原理の乱用を危惧されているところなど興味深く読んだ。そして最後には、本書を書かれた動機が・・・事業仕分けで研究費が削られるなか、この膨大なお金のかかる宇宙や素粒子の研究に一般の方々の理解をえたいという思いがよくよく伝わってきました。
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インフレーション理論を提唱し、ノーベル賞候補とも言われる日本の宇宙論の第一人者が、相対性理論、量子論、素粒子論、宇宙論についてシンプルかつ包括的に解説している。
19世紀末には、ニュートン力学など既に確立した物理法則を使えば、身近な物体の運動から天体の動きまで予言できたことから、物理学は完成した学問だと思われていた。それでも僅かに残されていた問題は、20世紀に相対性理論と量子論が解決したと考えられているが、一般相対性理論と量子論を融合する理論は未だに完成してはおらず、著者の直観では、量子論がいずれ書き換えられると言う。
また、相対性理論と量子論は、それまで自分の身近なサイズの物理法則しか知らなかった人間に、マクロとミクロの極限である宇宙論と素粒子論の世界を開き、かつその相反する二つが実はその極限で「ウロボロス」のように深く繋がっていることを示した。そして、最新の宇宙論によれば、宇宙は単一(ユニバース)ではなく、限りなく多数(マルチバース)あると証明されつつあるのだと言う。
著者は、上記の研究の歴史における、日本の歴代ノーベル賞受賞学者、湯川秀樹、朝永振一郎、益川敏英、小林誠、南部陽一郎、小柴昌俊らの実績についても丁寧に触れている。
専門外の私にも、物理学の過去100年間の大まかな流れ、考え方を感じることができた。
(2010年10月了)
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極小世界の理論が広大な宇宙の解明と密接に結びついていることに驚く。最新理論に基づく計算によって宇宙誕生の原理がここまで解明されていたのかと興奮した。物理学者同士の交流の様子が紹介され現場の雰囲気がかいま見えるのも良かった。
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2010年刊。著者は東京大学名誉教授。◆20世紀物理学は(一般)相対性理論と量子論で言い尽される。未だ交わらない二つの理論は、超ミクロの素粒子論と超マクロの宇宙論に大きく結びついている。本書は、該四大テーマについて、その史的な流れを踏まえ、現代の議論、すなわち超ひも理論やM理論、マルチバース宇宙論まで言及し解説。◇多くのノーベル賞受賞者の功績と軌跡にも触れつつ、数式を用いずに、判りやすい比喩を用いて密度濃く解説するのは、この分野の先駆けらしい。殊に「対照性の破れ」がそれ。とはいえ、素粒子論は難しい。
◆本筋とは離れるが、南部陽一郎氏の才を彼方此方で叙述。某物理学者が理論物理学の10年先を見据えるべく南部氏と議論したが、その議論が理解できたのは10年後だったという笑い話に始まり、南部氏の着想の鋭さやアイデアの閃きが、例えば超伝導の物性物理の知見、ひも理論が弦振動の古典物理からの援用だった事実を著者は開陳する。まさに専門分野を超えた知識や知見が有用(というより不可欠)ということを強調する。◇南部氏ほどの力量如何を問わず、多くの人の示唆に富む叙述のよう。