紙の本
グリーンな地球とお金儲け
2009/04/28 12:55
5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
『フラット化する世界』などでピュリツァー賞を
3回受賞しているフリードマンによるベストセラーの翻訳。
本書はオバマ大統領が読み、グリーン・ニューディール政策に
反映させたこともあり、日本語訳版が待たれていました。
かつて「レッド」がアメリカの主要な作戦、議題の
コードネームであったように
現在は「グリーン」がコードネームに取って代わられる転換期です。
上巻では主に世界の現状を述べています。
エネルギー、気候、絶滅していく生物、
世界が直面している諸問題などについて
現状と原因を解明していきます。
7年間干ばつが続くオーストラリアでは
6歳の子が夏に降る雨を珍しがり、
中国では珍しく淡水に住むイルカのヨウスコウカワイルカが
絶滅した可能性が高い。
(中国では古代から神様のように思われていた生物)
しかし環境破壊の波はやみません。
京都議定書は決まるだけでこれだけ揉めているのですから
実行するにはもっと時間がかかるでしょう。
しかも、その間にも地球はひどい状態へ進みます。
レジ袋を節約したり
エアコンの設定温度を冬は低く、
夏は高くしても、焼け石に水です。
その解決策を示唆する下巻では
結局のところ、グリーンエネルギーシステムのほうが
「儲かる、金になる」という技術革新とインセンティブに
ゆだねています。
それがいちばん進んでいるのはもしかしたら日本かも知れず、
それを本書でも指摘しています。
さらに
「アメリカがいま自国や中国や国際社会のためにできる最高の仕事は、世界でもっともグリーンで、エネルギー効率がもっとも高く、エネルギー生産性がもっとも高い国が、繁栄し、安全で、イノベーションにすぐれ、尊敬されるという見本になることだ」
とアメリカ(主に大統領)に語りかけます。
先進国が汚れたエネルギーを使い続けてきた年月と同じだけ
汚れたエネルギーを使わせてくれという中国に対しては
10年先をゆくグリーンエネルギーシステムを
中国に売りつけるようになればいい、と言います。
おそらくグリーンシステムは
「次世代の偉大なグローバル産業」となり
このシステムを実現しないと、
取り返しのつかないことになってしまう。
環境問題は市民レベルを超えて、
ようやく政治や経済のレベルになりました。
そしてそれは新しい競争の始まりでもあるのですね。
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読んでいて、グリーンではなく、非常にブルーになってしまった。
このまま行くと、我々の子供達の時代はどうなるのだろう。。。
冨、2009.4.23
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読んでから時間が経つので記憶があいまいだが、、、
グローバル社会、フラット化社会により燃料消費が莫大に増えている。
そして、その結果地球がいたるところで悲鳴をあげている。
温暖化はその一例だ。
確かに、身の回りにハイテク製品が増えれば増えるほど、
何かが減っているわけだからそのとおりだよねー。目に見えないものが世の中多いから。
そして、だからこそ今こそグリーン的なことをしまくらないと!という内容。
ただし、巷で行われているエコちっくなものはまったく的をえていない。
本当のグリーン革命をしないといけない。
その詳細は下巻。
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「将来、グリーンにシフトしてくだろう。いや、しなければならない。」
という内容。
まぁ、それはそうなんだが・・・。
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地球温暖化の脅威について書かれている本。
フラット化する世界の方が、役に立つし面白いと思う。
第1部 現状
第1章 鳥も飛ばない場所
第2章 エネルギー気候紀元
第2部 現状への道のり
第3章 アメリカ人が多すぎる-エネルギーと資源の需要と供給
第4章 独裁者を満タンにしつづけるのか-石油政治
第5章 地球惑乱-気候変動
第6章 ノアの時代-生物の多様性
第7章 エネルギー貧困
第8章 グリーンこそがアメリカの新しい旗印
第3部 全身の道すじ
第9章 地球を救う205の簡単な方法
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これは面白かった!現代のグリーン化、フラット化、人口過密化した世界について考察した本。現代においては以前では考えられないくらいの速さで、環境破壊が進んでいるため、環境に負担がかからない形でエネルギーを生み出す仕組みを早急に作り出さなくてはならないことが警告されている(グリーン化)。また、こういったエネルギーの格差は、フラット化してITなどにより一気に情報を仕入れることが出来るようになった現代において、とても大きな情報格差、経済格差につながるとも述べられている。エネルギー貧困の問題にもっと焦点を当てることの必要性を痛感した。筆者も言っているけれども、現代は20世紀始めの産業革命くらいに世界が一変する境目の時代だからこそ、チャンスがたくさんある時代だというのがスリリングだと思った。私も何かしたくなった。
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デンマークは税制をうまく使ってエネルギーを割高にしエネルギー効率を高め再生可能エネルギーを利用している、物事が変わり始める時それが持つ深い意味を人々は最初はきちんと理解していないもの、移住の大部分は超巨大都市ではなく人口50万人くらいの都市に向かっている、環境にとって注目すべきは地球上の「アメリカ人」の数、持続可能なエネルギーと資源の有効利用に関するイノベーションが難問から脱する唯一の方法、すべての製品の部品を繰り返し回収し再利用できるように設計する、消費者は有り余る品物をどうすればよいかわからなくなっている、アメリカの石油中毒が地球温暖化を促進し石油独裁者の勢いを強めきれいな空気を汚し民主主義国の勢いを弱め過激なテロリストを富ませる、サウジアラビアは石油によって突然とてつもなく裕福になった、石油価格が上昇すると石油主義者の指導者が国際社会の評判を意に介さなくなる、原油価格が下落した時は自由化の度合いが早まりより透明な政治と社会を志向せざるをえなくなる、石油・金・天然ガス・ダイヤその他の天然資源が発見されるとその国の商品価格が高くなり輸出向け製品の競争力が落ちる→外国製品は安くなり国内の製造業は全滅し国全体の産業は衰退する、輸出収入の大部分を原油と天然ガスに頼っている23ケ国の中に民主主義国は1ケ国もない、アメリカが民主主義を産油国に広めるためにどんな戦略をたてようと原油価格を下落させるエネルギー計画がない限り成功はおぼつかない、最近では環境保護組織とウォルマート・スターバックス・マクドナルドのような世界的企業との連携が多くみられる
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この本を読むと、グリーン運動が重要だと言う事も分かるけど
アメリカ視点での世界状況が分かるので面白いです。
でもこの本を読んでいる途中でNASAが地球温暖化に人間の行為は無関係だと認めた記事を出したので、
なんだか、なんだかなぁと思いました。
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(090920読了)
第一部 現状
第1章 鳥も飛ばない場所
・世界もまた難問を抱えている。世界は暖かくなり、平らになり、人口過密になってきた。地球温暖化と、急速な人口増加が一気に重なり、私たちの地球は極めて不安定になっている。
第2章 エネルギー気候紀元
第3章 アメリカ人が多すぎる
第4章 独裁者を満タンにし続けるのか?
第5章 地球惑乱
第6章 ノアの時代
第7章 エネルギー貧困
第8章 グリーンこそがアメリカの新しい旗印
第9章 地球を救う205の簡単な方法
第二部 現状への道のり
第三部 前進の道筋
第10章 エネルギー・インターネット−ITがETと出会うとき
第11章 石器時代が終わったのは、石がなくなったからではない
第12章 グリーンは退屈なもの
第13章 100万人のノア、100万隻の方舟
第14章 アルカイダにグリーンで勝つ(一つ買えばおまけが四つ)
第四部 中国
第15章 赤い中国はグリーンになれるか?
第五部 アメリカ
第16章 一日だけ中国になる(でも二日はダメ)
第17章 民主的な中国か、それともバナナ共和国か?
参考「フラット化する世界」
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フラット化する世界の著者の最新作。
地球温暖化の深刻性を明らかにし、その解決策や私たちが本当に考えなければいけないことを述べている。
地球温暖化は、コンビニの袋を節約たり、そんな小さなことで解決できることではないし、まして自分はエコな生活をしていると思いこんで、問題の本質をとらえられていないのではないか。
地球温暖化の裏には、石油エネルギーの依存があるし、そのことがアラブ諸国、はたまた世界の秩序にどんな影響を及ぼしているのか。
今もものすごい速さで暖まっている地球の中に生きている自分はいかにちっぽけな存在であるかを思い知らされるし、環境先進国に生きる日本人として、世界に向けて本当にしなくてはいけないことは何かを考えされられる本。
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【09/11/10】
大きなテーマは2つ。
* 「アメリカはほんとうに真のグリーン革命を先導できるのか?」
* 「中国はほんとうにそれに倣うのか?」
上巻の内容は新しい時代と著者が定義したエネルギー気候紀元と、その時代に適応するためのグリーン革命の説明である。
------------------------以下内容------------------------
これからは新しい時代だ。3つのキーワードで時代を切り取る。
* 人口過密化
国連によると、世界人口は2007年67億人から2050年90億人となる。
増加のほとんどは途上国の人口。
* フラット化
これはパソコンの発明普及、インターネットの登場、ソフトウェアと通信プロトコルの革命によって起こった。
また共産主義とベルリンの壁が崩壊し市場経済が世界に広まった。
* 温暖化
産業革命で石炭パワーの利用開始、内燃機関の発明と自動車の普及によって温室効果ガス排出増。
CO2は1750年280ppm→2007年384ppm、地球平均気温は1750年から0.8℃上昇。
世界は5つの問題に直面している。
* エネルギー需給(新興国の需要増)
* 石油政治(産油国は非民主主義的な傾向を強めている)
* エネルギー貧困(貧困国ではエネルギー不足が起こる)
* 気候変動(異常気象による自然災害発生)
* 生物体養成の喪失(生態系の破壊)
これらの問題に対応するため、アメリカでグリーン革命が必要なんだ!まずアメリカをグリーンにしなくちゃいけないんだ!
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最近読書しなかった理由がこの本にある。
①仕事のこと考えちゃう
②英語コンプレックスを感じる(たぶん言語で読んだほうが面白い)
③大学時代に勉強しなかったことが悔やまれる(大学時代に前作「フラット化する世界」がゼミ課題で出た)
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『フラット化する世界』や『レクサスとオリーブの木』で有名なジャーナリストのトーマス・フリードマンさんの最新作。題名の通り、環境問題、特にCO2による温暖化にフォーカスを当てた本です。原題"Hot, Flat, and Crowded"の通りです(日本ではこれが副題になっています)。アメリカでもオバマ大統領が「グリーン・ニューディール」を提唱していますが、原著はそれ以前の2008年夏に出たものです。
前著の『フラット化する世界』を読んだときに、持続的な成長と環境問題について扱いが少ないのでは、と感じて、書評でも以下のように書きました(mixiレビュー抜粋)。この本ではそのポイントに対して、『フラット化』⇒(温暖化、人口増加)⇒『グリーン』という問題意識が著者の中で大きくなり、世間に向けて(主にアメリカに向けてですが)問うてみた、ということになるかと思います。
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フラット化のもたらす環境と認識を共有すれば、インド、中国、アフリカ、アラブの人がみな幸せになる、というような論の進め方を、ビルゲイツの慈善活動の話などを交えてしているところでは、最近読んだJ.ダイヤモンド氏の『文明崩壊』を思い出して、「60億人の先進的な生活を支える資源が絶対的に不足するのでは...」と考えながら読んでいました。すると、そのまま『文明崩壊』を引用して、エネルギー問題についても触れていたので、ちょっとうれしくなりました。ただし、この点に関しては根拠なく楽観的な部分がある上、文脈上でも扱いがまだまだ軽いような感があります ("グリーン"な考え方が重要だとは強調されていますが)。少し長めのスパンで考えると、この問題は『フラット化する世界』では非常に重い課題になってくるように思います。
http://mixi.jp/view_item.pl?id=506319&reviewer_id=4764753
(少し文章変な気がしますが、原文ママということで...)
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さて内容ですが、第一章の「鳥も飛ばない場所」は、エピソードの使い方含めて文章の冴えが見られます。内容の豊富さや面白さは前著『フラット化する世界』に軍配が上がるように思います。CO2の排出が地球の温暖化に影響を与えているという理論的根拠が詳しく書かれていない(それは答えの出た議論として進めている)ところは若干残念ではありますが、石油に頼ることで、独裁国家の力を強めてしまうとか、環境破壊で生物の多様性が失われてしまうとか、温暖化以外の帰結も含めて「グリーン」を進めることが大切だと強調しています。
とりあえず下巻へ。
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前作ほど面白くなかった。
ただ、2点ほど面白いなと思ったことがあった。
一点目。石油を買い続けることが、産油国のオープン化を抑制するということ。
もうひとつは、エネルギー貧困、つまり電力の安定した供給がないために、フラット化した世界へ接続できず、機会を生かせない貧困があるということ。
1/8~1/11
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『第1部 現状』
『第1章 鳥も飛ばない場所』
・イスタンブールのアメリカ領事館は,警護全般を強化する一環として,郊外に移設された.さらに,建物から30メートル以上はなれた防壁があり,「鳥が飛ぶのも許されない」防御だ.
・鳥も飛ばない場所では,人々が交わらず,思想がひらめかず,友情が結ばれず,固定観念が打破されず,共同作業が行われず,信頼が築かれず,自由の鐘は鳴らない.アメリカをそういう場所にしてはいけない.
『第2章 エネルギー気候元年』
・温暖化,フラット化,人口過密化が重なっていることが,こんにちの世界を形作るうえで,もっとも重要な力学となっていることが明らかになった.
・本書では,5つの問題に的を絞っている.①供給が細りつつあるエネルギーや天然資源への需要の増大,
②産油国と石油独裁者への膨大な富の集中,③破壊的な天候異変,④電力を持つものと持たざるものを二分して起きているエネルギー貧困,⑤動植物が記録的な速さで絶滅し,生物多様性の破壊が急速に進んでいることである.
『第2部 現状への道のり』
『第3章 アメリカ人が多すぎる』
・いまやアメリカ人があらゆる場所に出現している-ドーハから大連まで,コルカタからカサブランカやカイロまで,アメリカ風の車に乗り,アメリカ風のファストフードを食べ,アメリカ並みのゴミを出している.中国その他の国が別の手法を選ぶ時間は,まだ残されている.しかし,私たちが道筋を示さなければ,それは実現しないだろう.それに,想像以上に事態は逼迫している.
・私たちは,エネルギーと資源消費の面での「アメリカン・ウェイ」のありようを,デザインし直し,作り直す作業を率いて行かなければいけない.
・国民のエネルギーや想像力や企業化精神を引き出さなくても,地面に穴を掘るだけで政府が歳入を増やすことができる国では,自由は狭められ,教育予算は不足し,人間の発展が阻害される.
『第5章 地球惑乱』
・気候変動論者は,主に三種類いる.①石油会社に雇われて地球温暖化を否定している連中.②ごく招集の科学者.③予想される結果-政府の規制と干渉-を嫌って,気候変動という現実を受け入れるのを拒んでいる保守派.
・最新のIPCC報告書は,こう結論している.地球温暖化は「明白」であり,気温上昇の大部分の原因は1950年以降増加している「可能性が極めて高い」と.
『第6章 ノアの時代』
『第7章 エネルギー貧困』
『第8章 グリーンこそがアメリカの新しい旗印』
・後半では,すでに述べた難問を解決することが,やりがいのある困難案課題に立ち向かう国にとって,巨大なビジネスチャンスになることを示したいと思う.なぜビジネスチャンスなのか?①産業革命以来ずっと進化してきて,私たちをエネルギー気候元年に突入させた化石燃料を基本とするシステムを,人類はもはや成長の原動力にはできないからだ.
『第3部 前進の道すじ』
『第9章 地球を救う二〇五の簡単な方法』
・私はあらゆるパーティに招待されている.だが,アメリカの場合は,ほ��んどが仮想パーティでしかない.グリーンを装っているだけだ-そして,全員が勝者だ.敗者はどこにもいない.アメリカの農民は勝者だ.グリーンだから.エタノール用の穀物を栽培し,政府から巨額の助成金を得ている.
----------以下感想----------
要するに,現在生じている問題は,産業革命から続く「進化」の副産物だ.
そして,その副産物を生み出す「進化」を各国が追随してしまうと,地球はもたない.
だから,アメリカが先導して「グリーン革命」を行おう,というもの.
(その結果,アメリカも復活できるというのだ)