人間の尊厳と八〇〇メートル

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日常のささいなミステリー（謎）を集めた短編集。
一部、国家規模のことが起こってますが（笑）
一番気に入ったのはおもちゃ屋さんのミステリー。

それぞれ、厄介な謎ではないですがオチが分かると
あぁ～そういうことか！とうなずけます。
量もそんなに多くないので軽く読みたいときにオススメ。

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このこぢんまりとした酒場に入ったのは、偶々のことだ。そこで初対面の男に話しかけられたのも、偶然のなせるわざ。そして、異様な“賭け”を持ちかけられたのも―。あまりにも意外な結末が待ち受ける、一夜の密室劇を描いた表題作ほか、極北の国々を旅する日本人青年が遭遇した二つの美しい謎「北欧二題」など、本格の気鋭が腕を揮ったバラエティ豊かな短編ミステリの饗宴。第六十四回日本推理作家協会賞受賞作を含む、五つの謎物語（「ＢＯＯＫ」データベースより）

メフィスト賞を取ったデビュー作は読んだけれど、その後の作品を読んでいなかった深水さん。
今回の新作は、タイトルに惹かれて借りてみました。
日本推理作家協会賞を取った表題作は秀逸です。
量子力学についての小難しいやり取りがかなり続きますが、その果てがこんなラストになるとは！
人間の尊厳を証明してみせ、「まだまだ僕等の人生はこれからですからね」と颯爽と去っていった彼の姿が胸に残ります。
「北欧二題」は「老城（ガムラ・スタン）の朝」も「北限の町にて」もオチが素敵。おもちゃ屋さんにおもちゃを買いに来る○○って！！
あ、片仮名表記が一切ないのも面白い趣向でした。
「特別警戒態勢」、犯人とオチは読めますが、それでも十分楽しめます。よくこんな話を思いつきますね～。アイデアがすごい。
「完全犯罪あるいは善人の見えない牙」はアンソロジーで既読。犯人の独白で進められる物語に引き込まれました。
「蜜月旅行」は面白いんだけど、主人公の男性の蘊蓄にヒロインならずともややうんざり。ヒロインのくせもちょっとよろしくはないでしょう。多分その受け入れ辛い部分も計算の内だと思うのですが、他の作品と比べるとやや面白さが劣るかなーという短編でした。

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面白い。どの作品も動機がユニーク。表題作については、非常にユニークな理論が展開され、オチもキレイに決まる。他の作品の動機もニヤリとさせられる。是非オススメ。

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とあるバーで出逢った男にもちかけられた奇妙な「賭け」の顛末は……。

深水黎一郎、初の短篇集。特に表題作が素晴らしい。「南から来た男」を連想させる発端に始まり、”人間の尊厳”と”八〇〇メートル”が奇妙な論理で結び付けられたとき、予想外の結末が……。まさに”人間の尊厳”を思わせるラストが見事。
他にも、真相が美しい「北欧二題」、皮肉すぎる結末の「完全犯罪あるいは善人の見えない牙」などなど、どの作品も技巧が凝らされ，著者のミステリ観も窺える一冊。

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表題作が秀逸。ハッカーのお話はありがちだったかも。新婚旅行のお話は、途中までにきっと読者が持つだろう、うっすらとした不快感をヒロインが開いて見せてくれる、若い二人のお話。
「BOOK」データベースより
このこぢんまりとした酒場に入ったのは、偶々のことだ。そこで初対面の男に話しかけられたのも、偶然のなせるわざ。そして、異様な“賭け”を持ちかけられたのも―。あまりにも意外な結末が待ち受ける、一夜の密室劇を描いた表題作ほか、極北の国々を旅する日本人青年が遭遇した二つの美しい謎「北欧二題」など・・・

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スタイリッシュな印象のミステリ短編集。特に表題作は突飛な発想で、「これってミステリなんだろうか」とやや思うところはあるにしろ。なるほど、謎はありますね。
お気に入りは「北欧二題」。日常の謎だけれど、それが紀行文のような「日常」の中にまさしくさりげなく差し出された謎で。でも印象に残りました。雰囲気のある文体も素敵。

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「北欧二題」の王様のお買い物のお話が好きです。行ったことのない外国の空気の感触とか壁いっぱいのムーミン(森の魔物)ぬいさんとか。解もすとんと腑に落ちる感じが好きです。他の作品は解に向って一直線で後ろを振り向かない感じだけど後から読み返してなるほどなるほど、と思えます。あと「蜜月旅行」のパリの新婚夫婦のお嫁さんがかわいいです。どうです、うちにお嫁にきませんか！と口説きたくなるくらい。お嫁さんの方が自由ですね。

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正直最初のは少しピンとこなかったですが、「北欧二題」はなかなかピリっとした作品でしたし、「完全犯罪あるいは善人の見えない牙」もピリっとした作品でしたね。

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ちょっとしたオチのある短編集。
取っ付きにくさもあるけれど、著者のこだわりが感じられて好きかも。
着想もおもしろいし、これからも要チェックだな。

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好きではないなぁというのもあったけど，北欧二題が好きだ。蜜月旅行も予想と違う展開で読後感よし。ただ朝日の書評ほどではないと思う。

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どのお話も読み終えてから唸らされます。
表題作はもちろんのこと、「北欧二題」や「蜜月旅行」も秀逸！

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「ウルチモ・トルッコ」が全くの不完全燃焼だったので不安だったが、どの短編も楽しめた。
癖のある話しの進み方。もやっともすっきりともする締め方ではなく、ちょっとにやりとさせられてすっと腑に落ちる。

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表題作のほか、「北欧二題」「特別警戒態勢」「完全犯罪あるいは善人の見えない牙」「蜜月旅行　LUNE DE MIEL」の５編収録。

表題作が何といっても見事。
理系の蘊蓄ぐだぐだのいけすかないストーリーなわけ？と少々斜に構えたものの、文章が非常に洗練された雰囲気をもっていて、そんな後ろ向きの第一印象もどこへやら、なかなか悪くないな、と思いつつ読み進める。ところが、ラストのあまりの鮮やかさ、一口では言い表せない読後感の良さに舌を巻いた。日本推理作家協会賞を受賞したそうだが、それも納得だ。
あとがきにも「受賞にあたり、読後感やラストのオチに高評価をいただいた」とある。そうでしょう、そうでしょう。
最近人気の作家諸氏で、このような雰囲気の文章を書ける人はあまりいないのでは、とさえ思わせる出色の出来である。

「北欧二題」「完全犯罪～」も思わぬオチでなかなか面白かったが、どの作品もやや蘊蓄っぽいところがちょっと鼻につくかなあ。
プロットとしての演出なのかもしれないが、あとがきを見る限り、わりと粘着質タイプの人にも思える。その部分を、どう演出の一部として面白く見せ処理出来ているかが、彼の作品を楽しめるかどうかの境目かも。あくまで私個人にとって、ですが。

でも総じてよかった。ほかの作品も読んでみよう。

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短編集。蘊蓄ある語り口も嫌みでなく、落としどころもすっきりして読後感もとてもいい。表題作ももちろん、蜜月旅行も新妻理沙の魅力にやられました。

2017.9.25　再読

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表題作が一番良かった．(他の短篇集に入ってて既読でしたが…)
ミステリなのか？って印象は受けましたが，話は面白かった．作者の実体験を活かした(？)海外の話がリアルで○