紙の本
表紙の暖かい絵に惹かれて。
2022/07/03 12:38
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投稿者:どらやき - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルと表紙の絵が、とても良かったので図書館で借りました。 予想外に、ドキドキする設定で、一気に読みました。 主役の助産師さんの、人間らしさが良いので、軸がブレずに読み進めやすく、考えさせられる事が多々あるストーリーでした。
紙の本
現実を考えさせられる一冊
2021/03/30 22:44
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投稿者:優乃 - この投稿者のレビュー一覧を見る
生を受けてこの世に生れてくる、それだけで尊いはずなのに、現実は望まれる命、そうでない命がある。
人間、他の生き物もそうだけれど、生まれてくる環境にどうしても左右されるのが事実だと思わされる。
著者が実際に医療関係者ということもあり、とても現実味のあり、訴えるものがあります。
決して軽い内容ではないけれど、先が気になり読み易い小説だと思います。
一度は手に取って欲しいお勧めな本。
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助産師は生をむかえる人。
生まれてくる子の幸せを祈るばかりでなく、生まれてこれなかった子のことも蔑ろにしない気持ちを持って奮闘する。
病院内の許せない話もあるが、誇りを持って仕事する助産師、医者に心惹かれる。
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助産師さんのお仕事小説。
途中、不倫や犯罪が出てくるが、だからこそ命の大切さが伝わってくるところもある。
助産師さんや産婦人科医の、命をむかえるという仕事が、よくわかる話。
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生命について考えさせられる本。
望まれて生まれてくるしあわせいっぱいな生命もあれば、この世に生まれ出てくることなく終える生命もある。
出生前診断も答えは出せない難しい問題。
医療倫理に触れる問題も登場してくるのだが…
不倫や医療知識を悪用した犯罪行為など…あれこれ盛り込んで全体に薄くなった感が個人的には気になりました。
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赤ちゃん誕生の感動の物語かと思ったら、普通に産むことが出来ない大変な事例が出てくる物語であった。
妊娠中の人が読むと不安になりそうである。
印象に残った文章
⒈ どんなものにも代えられない命だと思い知らされた。
⒉ いつかまた戻っておいでー
⒊ 子供はあなたの人生のために生まれてくるわけじゃないですよ。
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出産の記憶が新しいうちに、と手に取った一冊。
産婦人科医、助産師さんたちの日常を書いた本。
お産はいつ始まるか、どんなお産になるのか予測がつかない所が恐ろしいと思う。
何が起きても不思議ではないし、赤ちゃんが無事に産まれるのって本当に奇跡に近いと言うか、何だか神がかってる気がする。
そんなお産の手伝い、母親のケアをしてくれる助産師さん。
初めて赤ちゃんと対面する彼女たちを『むかえびと』と言う言葉を使って呼んでいるのが何とも素敵。
話の中に出てくる事件は実際にあった事件ですよね。
ニュースで事件のことを聞いた時に、酷いなぁ…と色々考えてしまったので物凄く鮮明に覚えている。
出生前診断など、答えが出ない問題も沢山あるけれど
命が出てくる瞬間に立ち会う彼女たちの仕事はやはり素晴らしいと思う。
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「母親は自分の命を懸けて、新しい命を産むじゃないですか。でも命を葬る選択もする。その違いってなんなのかな?生まれる意味のある命、ない命、そういう違いがあるんでしょうか」
毎日、産まれる命と真剣に向き合う助産師の心情を的確に表現している台詞だと思った。命を守りたい、そんな高い志で助産師となり、様々な現場に直面する。
この世に産まれ出て、その手の中に1番最初に受け止めてくれる助産師。彼女たちのリアルな現場を覗き見たような、泣きながら夢中で読めた一冊でした。
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助産師を描いた医療小説+お仕事小説。最近メキメキと頭角を現している藤岡陽子さんの作品で、なおかつ生命の誕生を扱ったものなので、「泣かせにくるいい話なのだろうな」と思っていたのですが、いい意味で裏切られた感があります。
主人公である若手の助産師、有田美歩。彼女の勤める産婦人科病院はなかなかにクセがある。先輩や後輩の助産師は頼りになるものの、院長は腕は不確かなのに尊大。さらに看護師長は院長の愛人で、この師長も仕事は満足にしないのに、部下にはヒステリックに当たり散らす。
描かれるテーマも主人公が壁にぶつかって、そこから成長して……、というお約束の感じではなかった気がします。美歩自身、障害をもった姉がいて、親の世話を一身に受ける彼女に複雑な感情を抱いた過去があり、その経験ゆえ生命倫理や出生前診断に悩む妊婦たちの苦悩に真剣に対応する。そんな彼女の真摯な姿は、応援しやすくて、また描かれる問題は難しいからこそ読み応えがありました。
他の描かれる事象もなかなかに重たい。若い女性のお産とネグレクト、そして中絶といった臨まれない子どもたちの話も心に迫る。作中で中絶手術の時、取り出した胎児の声が母体に聞こえないよう、助産師がガーゼで胎児の口をふさぎ、動きが止まるまで待つ、という描写があり、そんな心理的に厳しい手術の話も初めて知りました。
優秀ではあるが、ストーカー疑惑のある同僚の医師。真面目だったはずなのに突然、仕事を欠勤しがちになった美歩の後輩助産師。それぞれのエピソードを回収しつつ、物語は進んでいきます。結末としては、完全なるハッピーエンドではないかもしれないし、物語全体としてみると、少し詰め込みすぎな感じも否めない。
でも一方でシリアスな物語の展開に対しての、登場人物たちの新しい生命に対する想いには心を打たれました。母になるということの意味であったり重さであったりも、考えさせられます。
そして何よりネグレクトや、障害を持って産まれた子、そして中絶でお腹の中だけで命を終えた子。そんなすべての命に対する慈しみが感じられて、それが本当に良かった。藤岡陽子さんも、折に触れて追いかけていきたい作家さんになりそうです。
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良かったです!
助産師という「命」に関わるお仕事について。
生まれてくる命はどれも尊い命に違いはないけど全てが喜びにあふれて迎えられるわけではない。悲しい現実も命の選別に苦悩する場面もある。
妊婦さんに寄り添い「命」を預かる「助産師」という職業の重みみたいなものを改めて感じました。
出産のリアルな現場だけじゃなくミステリー要素も楽しめます。
身勝手な男に気分の悪い思いや医療の闇の部分を見た気もしますが、今後も追っていきたいと思わせてくれる作品でした。
シリーズ化して欲しいなぁ♪
『仕事をするって、生きることなのよ。真剣に働くってことは、真剣に生きるってこと』
『真実を知って、ようやく動き出す時間がある。それはきっと、誤魔化したまま堆積していく時間よりも本人にとっては重要なはずだ』
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さらに1年後のエピローグがあるのなら、理央さんが佐野先生の病院で皆んなと一緒に働いていると描かれていることを願っています。
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大好きな作家さんのおひとりです。
現役の看護師さんでいらっしゃる藤岡陽子さんの描く"新しい命"に向き合う助産師(むかえびと)の物語は、リアルで厳しい、でも、美しい。
懸命に働く、ひたむきさ、高き志が、眩しくて羨ましくて。そして、わたしの心の底の清らかなるものを刺激します。
藤岡陽子さんの医療小説を読むと、"誰かのために役に立つ自分でありたい"と、想うことしばしば。
その気持ちがきっかけで、小さなボランティアを始めました。
感動的シーンの一つを・・・
七年間におよぶ不妊治療を経て妊娠に至ったが、胎児に異常が見つかった妊婦に、主人公・助産師の美歩の脳性小児まひを持って生まれた姉・美生の話、過去に染色体異常の子を取り上げた時の話をする。
姉への思いも素敵なのですが、過去の出産の話が更に心を打ちます。
『赤ちゃんは出産から三十時間後になくなったが、息を引き取る瞬間まで、家族の時間を三人で過ごしたのだ。』
生まれてすぐに赤ちゃんは亡くなってしまいましたが、産むと決めた時の妊婦さんの台詞が凄い。
『子供を産まなかったら、一生後悔で苦しむかもしれない。それなら悲しむ覚悟をしようと思う。わが子に会って、抱きしめて、ありがとうを伝えるために、悲しみを受け入れようと思うーーー。』
"悲しむ覚悟(悲しみを受け入れる)"・・・言葉が見つかりません。
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思わぬミステリ要素が入っていた。祝福されて生まれてくる命ばかりじゃないんだなって思った。
「くよくよらしたってしょうがないのよ。生まれてきたら、ただ、懸命に生きることだけ考えていたらいいの。辛いことも悲しいことも、生きていたら誰にでもあるの。無傷のままではいられないの。それが当たり前」
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主人公の美歩は6年目の助産師。むかえびととも呼ばれ、メインテーマは出産。後半はその中で巻き起こる同僚や院内の問題に話が移っていく。
1年以内に9割が亡くなってしまう13トリソミーの赤ちゃんを出産した女性の話があった。中絶を悩んだが「悲しむ覚悟」を決め出産した。天くんと呼ばれ30時間を家族3人で過ごした。その後弟が産まれ「私たちは4人家族なんです」で涙が止まらなくなった。
後半は問題を抱えた病院内での話に移る。出産の話からは若干遠のいたが、過酷な環境で働き続けた助産師と医師たち。改善させるツラいきっかけを作った後輩の理央だったがそれも若さ故。失敗を成功させて欲しい。
先輩助産師の草間さんはカッコいいし、若い理央も頑張っている。佐野医師も意志が強い。とても思いやりのある主人公の美歩も草間さんのようになるんだろうな。
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「むかえびと」いい言葉だな
生命について、いろいろな立場から考えることができる
テレビドラマ化しやすそうな、そんなストーリー