紙の本
地味にハマる。
2012/10/17 01:34
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投稿者:ponta - この投稿者のレビュー一覧を見る
お薦めかと言われると難しいです。感性や好みは人各々なので…個人的には買って正解。と言うか、前作の[腕貫探偵]が好きならこちらも間違いなく好きだと思いますよ(笑)なので、この本からでも支障はありませんが前作から読まれた方がより楽しめると思います。
我らが地味なサポートヒーロー腕貫さんが今回は時たま[葬儀屋さん]に呼び名が変化しプライベートな時間で推理しつつ美人な大学生と仲良くなりつつ主人公達を地味に助けて行きます。進化した所は、好意を寄せる女性を挟んだ事とプライベートな時間故に腕貫さんが人間味を少し帯びたこと(笑)
やはり前作同様テンポ良くさくさくっと読めるし、主人公視点に統一の文章は読みやすいし、読後感がスッキリして好印象でした。
紙の本
前作よりも物語性が向上して面白かった
2018/08/20 16:15
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投稿者:koji - この投稿者のレビュー一覧を見る
腕貫探偵シリーズの2作目です。
今回も6編の短編からなる連作短編集です。
1作目が300ページで7編だったのに対して、
本作では6編で390ページと1編あたりの紙数が増えて、
その分物語性が格段に向上しており前作では感じなかった面白さがありました。
また、各話ともグルメを描写したところがあり、
これが中々美味しそうでちょっとした読者サービスにもなっています。
6編ともかなり後味の悪いストーリーですが、
どんな人間でも持つ悪意がほんの些細なことで犯罪となるのを
整然とした筆致で淡々を描かれたおり物語に引き込まれました。
中でも第4話「青い空が落ちる」は見事な作品だと思いました。
あと、前作の感想で書いた登場人物たちの難読苗字が本作では改められ、
ごくごく普遍的な苗字になっていたのにも好感を持ちました。
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腕貫探偵の変化
2016/09/12 01:49
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投稿者:読書はじめました - この投稿者のレビュー一覧を見る
前作で毎回ウェイティングリスト「ご利用者氏名一覧表」に名前を書かせ、相談者以外他には誰もいないのに「順番が来たらお呼びしますので」のルーチンが無くなっただけで、異次元からきた人のような雰囲気が無くなってしまった。
そのせいか、融通がきかなく物静かな美味しい店を知っている普通のおじさんみたいな印象に変わって、別人のように感じたのが残念だった。
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2012/6/7 Amazonより届く。
2022/1/2〜1/5
究極の安楽椅子探偵、腕貫探偵シリーズの第二弾。前作を読んでからかなり間が空いたので、設定を忘れていたが、読んでいくうちに思い出してきた。櫃洗市の市民サービス課員である腕貫氏。今回は仕事場である市役所外での活躍。美人女子大生に付きまとわれても飄々と相手をしながら、難事件を話を聞くだけで解決していく。次回シリーズ作品が楽しみである。
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なんか、前作より良いです。グルメとロマンスのエッセンスは、アームチェアディテクティブ物にも、華を添えます。
腕貫氏とはお店の趣味が合いそうで、一緒に呑んで会話したくなります。まだ、女子大生なのに、ユリエちゃん(今回登場の腕貫氏に密かな想いを寄せる)なかなか渋くて男性の趣味良いなぁ~
最近西澤作品を読んでも思うのですが、新本格系作家は案外近くに住んでいるのでは無いかと。。。
著者近影からでは見つけられない~っ
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シリーズ2作目でした。
先にこっち読んじゃった。
チャレンジのつもりで買ったけど、成功でした!
最近成功率が高い( *`ω´)
キャラが濃くて、でも話しも分かりやすいし、なかなか良かったです!
ただ、話の途中で遮られちゃった時、例えば
「こんにち。あれ?」
みたいな表現になってて、それが分かりづらかったかな。
言いかけたんなら、
「こんにち…あれ?」
とかにしてくれた方が、分かりやすいかな、と。
余とか利とかのあとに。がついてて、最初全然わからなかった(ーー;)
でも、面白かった!!ので、これから1作目買いに行こうー!
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シリーズ2作目 短編集 6編収録
前作同様市役所職員の“うでぬき”さんが見事な安楽椅子探偵ぶりを発揮します。相変わらず、名前も出てこないですが、推理するには問題なし。日常の謎を(殺人や強盗も出てきますが)解決しながら、プライベートな部分もチラチラ。肩も凝らない、読後感も悪くないライトなミステリです。
「人生、いろいろ。」がいい。「青い空が落ちる」もなかなかです。
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続編です。こちらの方が緩いかも。腕貫探偵がグルメであることが明らかになったり、人間性が少しずつ見えてきて面白いです。
短編集(連作)なのですが、「青い空が落ちる」という話は心にとつんって響きました。忘れられない小説になりそうです。
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神出鬼没、大学の中や病院の中、はたまた路上に現れる市民サーヴィス課臨時出張所。待つのは腕貫をはめた年齢不詳の男性一人、の前に白紙のこともあるウェイティングリスト。今回は残業というか時間外労働だけあって、ウェイティングリストがなくてお食事つき。前作よりグルメ分多めで、おなか空くというより羨ましい。時間もお金もお店見つける勘もさることながら、味がわかるのが羨ましい。小豆羊羹がとても食べたい気がしたけれど、脳裏に浮かんだものは小豆羊羹ではない気がする…すっとほどける甘味を、ものすごく欲している。
口語体はクセがある、地の文は年齢不詳な感じ。長編だとムキーッてなるかもな。短編が心地よい。事件の中の人でない女性はなんだかとてもさっぱりとしている印象。
愛情とお金が人生を変えてしまうものなのかねぇ、とぼんやり。
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腕貫探偵の続編は、残業だそうで。残業と言うよりはオフタイムストーリーじゃないのかなーと思ったけど、ま、それはいい。
1巻では徹底して事務的な必要最小限のアドバイス(ああ、お役所仕事!)だった腕貫探偵が今回は、プライベートではグルメ、しかもかなりこだわりの食通であることが発覚。そして最初の事件でたまたま遭遇して彼に一目ぼれしたビジン女子大生まで出てくるわで、1巻に比べるとおっとかなりのカラフルな展開。なんかずいぶん、人間くさい。これだったらドラマとかにもなりそうね。西澤先生、なんか意識してますか?(笑)
この巻を読んでそれ以外に気になったことはと言えば、あれだけこだわっていた珍しい苗字がぱたりとなりを潜めたことでしょうか。いやでも一部踏襲されていたりもして。なにか意味があるのかと考えたけれど、ここはよくわからず。うーん残念。
でもそれ以外はいつもの洒脱でクールで、ちょっぴり残酷ででも優しい西澤節は健在。やっほい。もともと西澤先生は、小難しい苗字の羅列で半分日常から乖離させたような、あたしたちの日常の半分上のような宙ぶらりん世界に思わずよぎる、ちょこっと覗く悪意を掬い上げるのがとても上手だと思っている。しかも今回も前回も同様で、完全に論理の組み立てだけで事件がクローズするから、読者も静かに座ったまま、一緒に事件をたぐれるのがいい。心臓どきどき、サスペンスで息あがってぜえはあ、そんな肉体派の作品ではないのだけれど、おなか一杯のランチのあとに、静かに瞑想しながらたゆとい読書には、ちょうどよいかと思います。
暑い夏もそろそろ終わり、日中はともかく夜はずいぶんとすごしやすくなった今日この頃。体力温存でまったりと読書するには、お勧めなんじゃないかなって思うのです。
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あー、よかった。
登場人物の名前が普通だった。
覚えやすい。
残業というよりはサービス残業だな。
女子大生達が面白かった。
「青い空がおちる」がよかったなぁ。
まぁ、私にも捨ててもいいようなお金が
5千万ほどあったら、誰かにあげてみて
観察日記でもつけてみたい。
どうなるだろう・・・
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腕貫探偵、続編。プライベートでは腕貫をしていないらしく、纏う雰囲気から葬儀屋と呼ばれていたり。
前作より登場キャラの影響でコミカルになっているが、苦いというか、黒いというか、結末も一筋縄ではない。
「体験の後」
カフェレストラン<てあとろ>で起きた立て篭もり事件。事件の全貌について、偶然巻き込まれ人質となっていた葬儀屋が解明する。
「雪のなかの、ひとりとふたり」
住吉ユリエは偶然、ある事件の反証となる写真を見つけ、<てあとろ>で謎を解き明かした葬儀屋を探し求め<囲炉裏亭>へ。
「夢の通い路」
二十一年前に撮ったと思われる覚えの無い想い人とのツーショット写真と当時起きた事件の謎について悩んでいた藤木美智夫は、業務を終えた腕貫男と居酒屋で食事をすることに。結局悩みを相談することに。
「青い空が落ちる」
囲櫃学園の教員である松嶋充子は生前五千万もの金を動かしていたことが判明した。恩師である松嶋の為奔走する刑事水谷川は腕貫男と共に<カットレット・ハウス>にて囲櫃学園事務員である幅茂美と食事をすることに。
「流血ロミオ」
蒲原真美子と和久井貴恵が死に菅谷直紀が負傷した事件について、真美子の家庭教師であった阿藤江梨子は同学の住吉ユリエの話を聞き葬儀屋に相談するため戸次楼村の露店に。
「だーりん」って。ユリエさん…。
「人生、いろいろ。」
井原健介は木戸佐和子殺害を占部珠美企んでいたものの、失敗する。
後日、実家に泥棒が入っていたことを知り、祖母の三千万が盗まれたらしいことが判明。そんな時、居酒屋<つや>で同学の阿藤江梨子と出会う。話をするうちに、一つの可能性に思い至る。
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1より続編のこっちの方が面白いのは、腕貫き探偵さんのプライベートがちょろっと見えたり、一つの都市の中での話らしく、登場人物が繋がってきて、それぞれのキャラクターが楽しいものだったから。
楽しく読んだんだけど、この作者はなかなか人が悪いのかもしれないと思ったりした。
犯人を描くにあたり、勝手に人を恨むとかって事じゃなくて、しでかしておいて忘れてしまったりと、人間はいかに自分中心な生き物なのかって視点があるんじゃないかと思ったから。
保身のためには自分で自分をだませるのが人間って生き物ですよって、言われてる気がした。
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西澤保彦『腕貫探偵、残業中』
(2008年4月・実業之日本社 / 2012年6月・実業之日本社文庫)
「市民サーヴィス臨時出張所」で、市民の相談に乗る腕貫着用の男。明晰な推理力を持つ彼のもとへは、業務時間外も不可思議な出来事が持ち込まれる。レストランに押し入った強盗の本当の目的は? 撮った覚えのない、想い人とのツーショット写真が見つかった? 女教師が生前に引き出した五千万円の行方は? “腕貫男”のグルメなプライベートにも迫る連作ミステリ6編。
画一的なイメージが拭えなかった前作と違い、残業中と銘打った本作は、腕貫さんの人となりが垣間見えて面白みが増したように思える。準レギュラー的な位置どりの脇役を配したことも良い味付けとなっている。
そのぶん、ロジックに重きを置きつつもケレンの入り込む余地ができ、話に奥行きが出たこともまた良し。それでいてそれぞれのエピソードに現代社会の殺伐さも描かれていて絶妙なバランスが成り立っている。
残業中だからか、腕貫さんの推理がやや手抜き加減なのはご愛嬌ということで。
80点(100点満点)。
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■有能な公務員探偵はオフタイムも大忙し!
「市民サーヴィス臨時出張所」で、市民の相談に乗る腕貫着用の男。明晰な推理力を持つ彼のもとへは、業務時間外も不可思議な出来事が持ち込まれる。レストランに押し入った強盗の本当の目的は?撮った覚えのない、想い人とのツーショット写真が見つかった?女教師が生前に引き出した五千万円の行方は?“腕貫男"のグルメなプライベートにも迫る連作ミステリ6編。