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乙女の港 少女の友コレクション (実業之日本社文庫)
舞台は昭和初期、横浜のミッションスクール。新入生の三千子に、ふたりの上級生から手紙が届く。品よく儚げな洋子と、負けず嫌いで勝気な克子。ふたりの間で揺れ動く三千子だが—昭和...
乙女の港 少女の友コレクション (実業之日本社文庫)
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商品説明
舞台は昭和初期、横浜のミッションスクール。新入生の三千子に、ふたりの上級生から手紙が届く。品よく儚げな洋子と、負けず嫌いで勝気な克子。ふたりの間で揺れ動く三千子だが—昭和12年、伝説の雑誌「少女の友」に連載された本作は一大ブームを巻き起こした。少女時代特有の愛と夢、憧れとときめきに満ち満ちた、永遠の名作。雑誌初出時の中原淳一の挿絵を全点収録。【「BOOK」データベースの商品解説】
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紙の本
乙女は必読
2012/02/04 08:10
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:胡柚子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書を読んで、乙女と女子の違いを思い知らされました。
女子とは、単に「十代の女の子」というだけ。なんとなく学校に通い、部活や受験やらで精一杯……まさに私の青春時代です。
一方、乙女はとにかく純粋。ここまで純粋で大丈夫か。この先、生きていけるのかと心配になるほど。乙女たちの世界ははかなく美しく、ある意味、別世界だな……と感じました(トシのせいでしょうか)。
物語は、昭和初期のミッションスクールが舞台。新入生の三千子に、2人の上級生から手紙が届くところから始まります。2人の上級生との間で揺れ動く乙女心が、じつに繊細に描かれています。
いわゆる三角関係なのですが、どろどろした感じはありません。
人気ライトノベル『マリア様がみてる』ファンの方にもおすすめ。乙女の気持ちは、今も昔も変わりません。
瀬戸内寂聴さんの特別寄稿もあり、当時の少女たちが、いかにこの作品に夢中になったかもわかります。
中原淳一氏の絵は、作品にぴったりの夢のある雰囲気で、非常に魅力的でした。
「少女の友」に掲載されていた作品を、もっと読んでみたいなと思います。
紙の本
学生時代の憧れ
2012/01/23 19:05
3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:文野 - この投稿者のレビュー一覧を見る
川端康成の本は大切に読んできたので、この本の発行も楽しみにしていた。思い起こせば自分自身も小学生時代には憧れの先輩がいたなぁと思ったりして、懐かしい気持ちにさせられた。安心して読め、川端氏の美しい文章に酔うことも出来るすばらしい本である。
紙の本
乙女の港
2018/08/06 00:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:海南浪士 - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分は男ですけど少女同士の友情とも恋愛ともつかない、この作品で描かれているような関係性にめちゃくちゃあこがれるんですよね。手紙と好きな花を送って告白なんてとてもロマンチックじゃないですか。
中原淳一の挿絵も最高すぎる。
紙の本
美しい世界
2015/08/09 09:31
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:愛美 - この投稿者のレビュー一覧を見る
美しい言葉に美しい中原淳一さんの挿絵で、最高に美しい世界でした。
克子さんのアグレッシブなストーカーっぷりも大好きだし、洋子お姉さまの愛情にもキュンときます。
三千子の言動には時々噴き出してしまいます。
癖になりそうな感じの本です。
吉屋信子さんの本も読んでみようと思います。
紙の本
読む度ごとに新たな発見
2012/02/06 16:49
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BH惺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
再読です。初読は子供の頃。偕成社ジュニア版日本文学名作選に収録されていたのを読んだ覚えが。
その時は「わ! なんか古くさ!!」って、作品の価値も知らずにまったく気にもとめなかったのですが……大人になってからこの作品が単独で出版されていると知り、どこかで読んだことあるな……と思い出しました。
まさかあの文豪がバリバリの少女小説を書いていたなんて! とやたら驚きました。
文庫化になったと知り、即座に図書館に予約。2人の「お姉さま」に言い寄られて想い惑うような三千子チャンの悩ましげポーズがなんともはや。この中原淳一のジャケ画の素晴らしさには言うことありません。
横浜のミッションスクールを舞台にした、新入生三千子と上級生の2人──儚げで美しい洋子と勝気で活発な克子。この3人の少女達が繰り広げる三角関係と友情を描いた作品。
少女小説のある意味典型的なスタイルを踏襲した……というかベースとなっている名作。
この作品の大前提である、当時の少女達間で流行ったという親密な関係「エス」。親友以上恋人未満──的な微妙な関係。上級生×下級生であったり、女教師×生徒であったり、同級生×同級生であったりとバリエーションは様々。男女交際などもってのほかの当時において、憧憬の念を抱く対象は必然的に身近にいる素敵な同性になるのはごく自然なこと……だったらしい。
上級生の洋子からモーションをかけられた三千子は出逢った瞬間からお互いシンパシーを感じ合い、すぐさま仲の良い「エス」となる。まるで姉妹のような関係の2人はあくまで微笑ましく、三千子は無邪気で洋子はあくまで優しい。そんな2人の関係が少しずつ変化してゆくのが、夏休み。
三千子は軽井沢へと避暑にゆき、そこで偶然出逢ったのが洋子のライバルというべき克子。以前から三千子を狙っていた彼女はここぞとばかりに三千子に猛アタック!
三千子も洋子に申し訳なく思いながらも克子の活発で強引な魅力には抗えない──ここのエピソードはそのまま男女間の三角関係のようで、良く出来てるなあと。誘惑する克子に、いけないと思いつつも誘惑されてゆく三千子。特に洋子に対して後ろめたさを感じる三千子の葛藤がとても繊細に描写されていて秀逸。
読んでいてこの先3人の少女の関係は一体どうなるの? ととっても気を揉んでやきもきさせられるのも、もう完全にこの作品の魅力にハマッてしまっている証拠。
そしてクライマックスは運動会。思わぬハプニングで負傷する克子。その彼女に天使のような広い心でかいがいしく看護し接する洋子。克子は今まで三千子をめぐって洋子のことをライバル視していたけれど、その掛け値無い優しさにを目の当たりにしてついに心を開いてゆく──。
とまあ、典型的な少女小説展開なのですが、少女達の心の流れが嘘臭くなくとても自然に描かれていて読ませます。さらに白眉はラスト。
実は片親で没落しかかった家の娘である洋子。クリスマスを背景に、恵まれない子供達にボランティアとしてクリスマス会をセッティングする彼女の姿を生き生きと描き、学校卒業後もただ単なるかよわい女性──結婚という男性の庇護を受けて生きるのではなく、仕事を持ち生きがいを持って生きてゆこうとする、自立心に溢れた少女として描写しているエピソードがとても感動的だった。
本編も大変面白かったのだけど、さらに興味深かったのが解説。
実はこの作品には中里恒子さんという原作者が存在していたという事実。この方の原稿に川端康成がかなり手を加えて発表したとのこと。なるほど頷けるなと。男性で少女のこういう繊細な心の綾を描くのはなかなか至難の業だよね、と思いながら読んでいたし。
さらに、三千子の「お姉さま」である洋子のモデルとなった方の写真も載っていたりと裏話にお腹いっぱい。
当時の少女達の独特で儚い素敵な世界と文化を知る貴重な作品でもあり、資料だと思いますね。面白かったです!
紙の本
挿し絵がよくて
2021/10/28 10:31
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ホント - この投稿者のレビュー一覧を見る
中原淳一好きな母へのプレゼントに。