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商品説明
花簪職人・忠吉は、和尚たちや少女さきと、麻布の大中寺で暮らしている。辛い体験に心を塞がれたさきは、耳が聞こえず、言葉を発しない。忠吉はさきの心を開く方法を思案するが…。『月刊ジェイ・ノベル』掲載を単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
料理上手で心優しい花簪職人・忠吉が、お客が抱える恋の悩みと少女の心の傷を解きほぐす。気鋭女流が贈る、傑作人情時代小説。【本の内容】
収録作品一覧
藍の鳥 | 5−50 | |
---|---|---|
小菊、揺れる | 51−96 | |
藤結び | 97−141 |
著者紹介
田牧大和
- 略歴
- 〈田牧大和〉1966年東京都生まれ。明星大学人文学部英語英文学科卒業。2007年「色には出でじ風に牽牛」(「花合せ」に改題)で小説現代長編新人賞を受賞しデビュー。ほかの著書に「八万遠」など。
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書店員レビュー
優しすぎて人を傷つけてしまうけれど、 優しさで人を救うこともできる。
ジュンク堂書店福岡店スタッフさん
優しすぎる男の奮闘を描いた連作時代小説。
仕事場を失い、住んでいた長屋も追い出されてしまった花簪(はなかんざし)職人の忠吉。
そもそもは優しすぎるから。
途方に暮れているところに手をさしのべてくれたのは、子どもの頃に世話になっていた寺の杉修(さんしゅう)和尚。
花簪職人としての仕事はもちろん続けるが、寺に住まわせてもらうかわりにやらねばならぬこともある。寺男として料理をすること。そしてもうひとつ、さきという少女の心をほぐしてあげること。
寺にひきとられているさきは十歳ばかりの少女。心を閉ざしていて耳も聞こえず、声も出せない。そんなさきに忠吉はゆっくり受け入れてもらおうと優しく語りかけ、飯をつくる。
さきが少しずつ忠吉に心を許していく様子は本当にかわいらしくて、自然に顔がほころんでしまう。
寺に持ち込まれるちょっとした悩みや愚痴。かつては和尚がやっていたその聞き役を命じられてしまった忠吉。厄介事が絡んでいても、聞くだけでいいというより聞くことしかできない。優しすぎて動けない。かわりに動くのは幼馴染みで住職の以風(いふう)。こちらは気が短すぎて怒りっぽく聞くことができない。すぐ口や手が出てしまう。二人でようやくなんとか一人前。なんとかことを収めても実は杉修和尚の掌の上転がされている。そんな三人の関係性も楽しい。
こじれてしまった心は容易にはほぐれないけれど、忠吉はまわりの人々の手も借りて、気持ちを一歩踏み出す手助けをしてくれる。読後あたたかな気持ちになれる一冊。
紙の本
美しい花かんざしと美味しそうな食べ物
2018/11/30 13:16
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
田牧作品特有の美味しそうな食べ物描写が秀逸。かんざし作りの描写も素敵。
ちょっと主人公が田牧作品によくあるタイプな事、おりょうの動機が少々弱い事が物足りなく思った。