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商品説明
「性と生」を描く暗黒の恋愛小説。【「BOOK」データベースの商品解説】
堕落した元ミュージシャン、パチンコ通いの母、風俗でしか働けない娘…。「性と生」を描くカリスマによる暗黒の恋愛小説。『月刊ジェイ・ノベル』連載を大幅に加筆修正し単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
堕落した元ミュージシャン、パチンコ通いの母、風俗でしか働けない娘。No.1官能作家、初の単行本。究極の恋愛犯罪サスペンス【本の内容】
著者紹介
草凪 優
- 略歴
- 〈草凪優〉1967年生まれ。東京都出身。日本大学芸術学部中退。脚本家を経て、官能小説家としてデビュー。「桃色リクルートガール」などで「この官能文庫がすごい!」大賞を受賞。
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紙の本
草凪優を読んでみる
2015/10/27 07:28
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投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
闇というのは黒いものだ。
それをあえて「黒闇」というぐらいだから、闇の中の闇。自分の手すら見えない闇のことであろうか。
この作品の著者草凪優は『どうしようもない恋の唄』で2010年「この官能小説がすごい!」大賞を受賞し。今もっとも人気の高い官能小説家である。これまでに120冊を超える著作がありながら、単行本化されたのはこの作品が初めてという。
草凪もそんな闇を経験したのだろうか。
何をやってもうまくいかない迫田修一は離婚寸前の妻が付き合っているスター手塚から奇妙な依頼を受ける。手塚が若い頃付き合っていた女に産ませた娘を探しだしてもらいたいという。
迫田は杏奈という娘が風俗で働いていることを突き止めるが、その母美奈子につよく魅かれる。手塚の依頼をないがしろにして、美奈子と結婚する迫田。平安な暮らしを願った迫田だが、若い杏奈の魅力に負けて、身体を重ねることになる。そして、それが美奈子にばれることで、迫田は闇へと堕ちていく。さらに、迫田はもっと深い闇を味わうことになる。
官能小説というジャンルでくくるには、さほど情愛の場面が描かれるわけではない。もし、この作品にそれを期待しているなら、きっと期待はずれとなるだろう。
官能よりもっとドロドロとした、逃れられない世界。
きっと普通の人なら経験することのない世界を味わうことが官能であるならば、それはそれで成り立つのだが。
小説という架空の世界であれば、何を描いてもそれは真実かもしれない。しかし、それを拒む読者もいるだろう。それでも、草凪は書かざるをえない。
それが、官能作家草薙優の宿命だ。
「セックスはやはりセックスだ」、それでどこが悪い。セックスこそ、「言葉のいらないコミュニケーションだ」。
性も暴力も草凪にとってはひとつの地平線だ。そんな作品で溜飲を下げる読者はいる。
作者と読者は、荒くれる文章によって、コミュニケーションを持つのだろう。
この本をきっかけに、草凪優という、作家を知ることはけっして悪くはない。