紙の本
存在理由と水平飛行
2016/08/24 05:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:neko - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初に読んだ後、ブルーハーツの終わらない歌をきいて、感動しました。これを、女の子たちに歌わせるなんて、やっぱり、小説家って感覚が凡人と違う。
で、男の子は「生まれてきた意味なんて、ないよ。」と思えるけど、女の子は、母親から、少なくとも2つの存在理由を受けついでいる。1つめは、血筋を保つ、2つめは上昇志向、つまり、一番になる事ですね。1つ目の存在理由があったので、東城さんは北陸の街に移ったし、両親もそれを受け入れたんでしょう。
厄介なのは、上昇志向で、これは青天井を想定している。でも、現実は、どんなに一芸に秀でていても、いつかは水平飛行に移る時が来る。つまり、水平飛行に移るのを見据えて、人生を組み立てないと、どんなに成功しても、満足が得られない。歌う人だったら、作曲や脚本を創るとか、サポートにも回るとかですね。そいった点で、怜と千夏はいいペアになれるようなきがします。女の子同士だと、気が向けば子供もできるし、2人いるから、ペアレンツ(複数形)になれる。
読み返すたびに、新しい発見があって、何回も読み返してます。
投稿元:
レビューを見る
くそ、よろこびの歌読み返してば良かった、、、とめちゃくちゃ後悔した。こんなにも続きものだとは思わなかった。2010年7月によろこびの歌を読了してたから思い出すことがほとんど難しく、御木本玲ちゃんのことをぼんやり思い出した程度で、新規の小説として読んだ。
よろこびの歌はそこまで好みではなかったんだけど、これはなかなか良かった。なりたい自分、これからの自分、まだまだ成長途中の彼女達が素敵です。
投稿元:
レビューを見る
『よろこびの歌』続編。
若い頃の悩み、迷い、夢。まさにきらきらしている感じ。
どう生きていけばいいのか。
最終章の盛り上がり方は、本当にうまいなって思う。興奮が伝わる。
彼女たちの輝かしさは、微笑ましくも、疎ましくも、羨ましくも感じる。
コスモスの章が良かった。これだけ他と異種で、若さから少し離れた人から見た話だからかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
ちょっと期待度が高すぎたかな~と思っていたところ、後半で一気にというか、見事に盛り返していただきました!w ハイロウズもいいけど、やっぱブルーハーツが好きっ♪ もー、読んでるだけで、鳥肌立ちましたわ、マジでっ!!!
投稿元:
レビューを見る
『よろこびの歌』でキラキラと輝き、その存在自体こそが「よろこびの歌」そのものであったあの子たちが、20歳になって戻って来たのですね。
20歳なんて、オトナの私から見たらまだまだまるごと可能性とエネルギの塊でどこを切っても「希望」があふれ出している年頃だと思うのだけど。
それでも本人たちにしてみれば、うつうつもやもやした毎日なんですよね。
根拠のない自信で支えられていた高校生時代とは違い、そこに「現実」が入り込んでくる、まさにオトナの入り口。読みながら、ああそうだったそうだった、と自身の20歳のころを思い出し苦笑い。
それにしても、どうして宮下小説ってこんなにもさらさらの湧き水のように心にしみこんでくるのだろう。
こういう言葉が欲しかったんだ、と気になる文章を書き出してメモしてポケットにしまう。きっと何度も取り出して読み返す。読み返してほっとする、まだまだ大丈夫だ、とほっととする。
そして、玲たちと同じ年頃の人にとってはきっとこの小説そのものが自分への慰めでありエールでありバイブルであるだろう。
あぁ、そうか、この小説は、僕や君や彼等が明日には笑えるために生まれてきたんだな。
投稿元:
レビューを見る
大変感動し,宮下作品の中でも大好きな「よろこびの歌」の続編ということで,期待して読みました。
自分の壁にぶつかって,あれこれもがく日々…。
物事はそんなに単純に思い通りに進まないけど,それでも歩み続ける
等身大の女の子たちの姿に共感し,元気をもらいました。
最終章は,思わず落涙。
映像化されて,本の中の観客のような,歌を聴いて魂が震えるような
体験をしたいですね。
文庫化されたら,「よろこびの歌」とセットで手元に置き,
家族に勧めたい作品です。
投稿元:
レビューを見る
「よろこびの歌」から、彼女たちはどうなったんだろう…と思ったら、みんなまだモヤモヤしてた(笑)
高校生の頃のちょっと屈折したモヤモヤとはまたひと味違って、折り合いの付け方もまた違って。
キラッキラに輝くタイプではない、リアルな希望が描かれています。
投稿元:
レビューを見る
+++
「覚えてる? 今、あのときの未来だよ」
高校二年の春、卒業生を送る会の合唱で、未来への願いを託した調べに心を通わせあったクラスメイト。
御木元玲、原千夏、中溝早希、佐々木ひかり、里中佳子、東条あや。三年の月日が流れ、少女たちは二十歳になった。
玲は音大の声楽科に進んだが、自分の歌に価値を見いだせなくて、もがいている。
劇団でミュージカル女優をめざす千夏が舞台の真ん中に立てる日は、もう少し先みたいだ……。
ぐるぐる、ぐるぐる。道に迷っている彼女たちを待つのは、どんな明日なんだろう――。
小説誌「紡」で発表された四編(「シオンの娘」「スライダーズ・ミックス」「バームクーヘン、ふたたび」
「Joy to the world」)に、福井のタウン誌連載「コスモス」、そして、書き下ろし「終わらない歌」の全六編を収録。
傑作『よろこびの歌』待望の続編!
+++
自分の存在意義を自分自身に問いかけ、ぐるぐると堂々巡りをするのは高校生だけではない。二十歳になったってそれは変わらないのだ。立っている場所があのころよりほんの少しだけ、あのころの未来に近づいたというだけで。それでも、あの高校時代があったから、それを糧とすることができるから、そしてあのころの友人たちがいるから、ぐるぐるしながらでも何とかやっていけそうな気がするのである。思い悩みながらも自分なりの何かを掴みかけた喜びにあふれた一冊でもある。
投稿元:
レビューを見る
今年読んだ本の中で文句なしのベスト1。久々に宮下さんらしい作品で、収録されている作品全編が感動的。
前作の「よろこびの歌」は、女子高生だった主人公たちの音楽とのかかわり合いが、作品を通して流れる「ザ・ハイロウズ」のサウンドと呼応する内容だった。
今回の作品はそれから3年後、20歳になった彼女たちの今の姿と音楽とのかかわり合いを、「ザ・ブルー・ハーツ」のサウンドに託して届けてくれる。
音楽大学へ進学し、自分の歌の力を忘れかけている御木元玲が復活するきっかけは、ミュージカル・スターを目指す同級生の原千夏からの誘いだった、、、
それにしても、たたみかけるような感情が言葉になってほとばしる場する女の子たちの心理描写が見事。
かなわないこととは知りながら、誰もをはっとさせる玲ちゃんの奇跡のような歌声を聴いてみたいと思う。
投稿元:
レビューを見る
大学で歌を学ぶ玲とミュージカル女優を目指す千夏の物語から始まって、最後も玲と千夏の物語で終わる、高校のクラスメイトたちの、その後の物語。高校生の頃から歩みを進めているとはいえ、まだはたちの、まだこれからの彼女たち。これからって、そういえば、心許ないものだなぁと思う。それでも、それぞれ、確かなものの尻尾を掴みつつある姿に、励まされる気持ち。
投稿元:
レビューを見る
よろこびの歌の続編、と聞けばどうしても期待してしまいますが、期待以上に良かったです
期待がその通りになる、ということがどんなに難しいか
20歳、みんなきちんと悩んでます
投稿元:
レビューを見る
迷いながら悩み、寄り道して自分のことを見つめ直す可能性がいっぱいある20歳前後のキラキラした女の子たちの感情を思い出しました。私は割となんでもすぱっと決めてしまう方なので、あー友達はこんな感じだったなぁと思い出に浸りました。曲をYouTubeで検索して聴きながら読んで楽しみました。
投稿元:
レビューを見る
高校の同級生が、それぞれの夢を追いかける。もちろん、挫折は当然のようにやってくるけど。
こーゆー青春ものって、読んでいて元気づけられる。
何歳になっても困難な問題が押し寄せてくるのが現実。その問題に立ち向かっていく元気、勇気をもらえるような気がします。
投稿元:
レビューを見る
自分らしさってなんだろう…
大学生の頃、私もずいぶん
悩んでいたこと、この本を読んで
懐かしく思い出しました。
夢・希望を持って、前向きにチャレンジする気持ちはいくつになっても
大切にしたいですね( ^ω^ )
投稿元:
レビューを見る
やっぱり宮下さんには泣かされる。
皆、自信なんてなくて、自分の居場所を見つけられず不安。
でも、それの不安をどこかで切り捨てて、進むしかない。
進んでいくことで得られる何かが必ずあるのだから。
読み終わって、表紙の絵をじっと見ると、話の内容がまたぐっときた。