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商品説明
お笑い芸人予備軍コンビ・カナ&タクロウの霊視相談がインターネット掲示板で話題騒然に!!タクロウ扮する霊能者“大仏卓郎”はあれよあれよと政財界をも巻き込む大プロジェクトへと化していった。タクロウは混迷する現代日本と人の心を救うのか…。【「BOOK」データベースの商品解説】
お笑い芸人予備軍コンビ「カナ&タクロウ」の霊視相談がインターネット掲示板で話題騒然に。タクロウ扮する霊能力者“大仏卓郎”は、あれよあれよと政財界をも巻き込む大プロジェクトへ…。『ジェイ・ノベル』連載を書籍化。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
原 宏一
- 略歴
- 〈原宏一〉1954年長野県生まれ。早稲田大学卒業。コピーライターを経て、97年「かつどん協議会」でデビュー。他の著書に「床下仙人」「東京箱庭鉄道」など。
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紙の本
上昇志向だって悪くない
2010/06/10 04:51
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:野あざみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
参院選が近づいてきた。各党そろって、人寄せパンダとして有名人候補の擁立を表明。アピール合戦を繰り広げる。恒例行事とはいえ、毎回滑稽だ。担ぐ政党と担がれる人物は、“純粋でひたむきな上昇志向”をてこに、使い、使われ、果てていく。そんな哀愁漂う現実のひとコマを、本書から、つい連想してしまう。
売れないお笑いコンビ「カナ&タクロウ」の成功物語。持ちネタのつもりの霊視相談が、ネットで評判となる。大仏然としたタクロウの風貌に、カナの巧みなリーディング術をミックスした霊視相談「大仏卓郎プロジェクト」で再出発。政官財へ食い込んだまでは良かったが、次第に肥大化していく。
プロジェクトに群がる人物は、まるで上昇志向の見本市さながら。名声、出世、事業拡大。プロジェクトに協力しながらも、ひと皮向けば、欲望を前面に「勝つため」の利用に飢えている。
一方、カナ&タクロウも上昇志向が原動力。しかし、出発点は「生きるため」。干し上がりそうな生活に直面したことから、反転攻勢に出る行動は一概に責められない。
霊性、占い、談合、癒着と、怪しさを存分にたたえつつ、物語は進行する。だが怪しい行為にも、「存在理由」は必ずあると、タクロウはつぶやく。著者が時代に向ける真摯な眼差しを見た。
翻って参院選。有名人候補の立候補に胡散臭さを感じても、出馬理由に生活上ののっぴきならない状況を見出せば、十分検討に値するかもしれない。探し出すのは難しいだろうけれど。