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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2006.9
- 出版社: 実業之日本社
- サイズ:20cm/508p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-408-53497-8
紙の本
百年の亡国
著者 海道 龍一朗 (著)
走れ、逓信八一五号!—ポツダム宣言を受諾、連合国による占領統治下にある日本。厚木飛行場に降り立ったGHQ総司令官マッカーサーはただちに大日本帝国憲法の改正を示唆した。大国...
百年の亡国
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商品説明
走れ、逓信八一五号!—ポツダム宣言を受諾、連合国による占領統治下にある日本。厚木飛行場に降り立ったGHQ総司令官マッカーサーはただちに大日本帝国憲法の改正を示唆した。大国のパワーゲームに翻弄される日本に残された道は…!?おんぼろ自転車で奔走する内閣法制局・立木一郎が目撃した新憲法草案をめぐる日米ソの壮絶なる攻防!!マッカーサーの野望。白洲次郎の気骨。瞠目の歴史小説巨編。【「BOOK」データベースの商品解説】
ボツダム宣言を受諾、連合国による占領統治下にある日本。GHQ総司令官マッカーサーは、ただちに大日本帝国憲法の改正を示唆した−。内閣法制局・立木一郎が目撃した、新憲法草案をめぐる日米ソの攻防を描く歴史小説巨編。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
海道 龍一朗
- 略歴
- 〈海道龍一朗〉1959年生まれ。「真剣」でデビュー。他の著書に「乱世疾走」「後北條龍虎伝」など。
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紙の本
昭和21年、新憲法制定とマッカーサーの闘い
2006/10/11 14:21
8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:としりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公・立木一郎は内閣法制局勤務の官吏である。ひょんなことから新憲法草案に書記官として関わることになる。目の前で大日本帝国憲法が破却され、まったく新しい憲法が作成される。
敗戦国の国民として、主人公・立木が見、そして感じたものは何だったのか。
そして、もうひとりの主人公がマッカーサーだ。
マッカーサーは焦っていた。何が何でも新憲法を大急ぎで作成しなければならなかった。「期限」までに。
それが極東の安定のため、そして彼自身のためでもあった。
連合国各国の利害・思惑が交錯する。だが、日本国民はそんな只中であることを何も知らない。ましてや、日本国の運命を左右する「期限」があることも・・・。
新憲法制定によって、日本国は危機から救われた。マッカーサーの強引なリーダーシップがなかったら、と思うとゾッとする。結果的に、マッカーサーは日本にとっての恩人となったと言えるのかもしれない。
余談ながら、後日、マッカーサーは米国上院外交軍事委員会において、日本が戦争に突き進んでいった主な動機は安全保障だった、という注目すべき証言もしている。
さて、日本国憲法制定は、当時の状況下ではやむを得なかった。だが、あくまでも当面の危機をしのぐためのワンポイント・リリーフであるべきだった。
本書で示されたような経緯で制定された憲法が、60年間も温存され改正論が盛り上がってこなかったことが異常なことだ。
ましてや今だに、頑迷な護憲論者が少なくないことは信じがたいほどである。
本書は小説だが、歴史の事実関係については史実に基づいている。
日本国憲法制定の経緯はもちろんのこと、スターリンの対日参戦について描かれた第5章なども、大変に注目すべき記述が詰まったところだ。熟読しておきたい。
政治評論家・三宅久之氏も絶賛しているという本書である。小説として楽しみながらも歴史の再確認をしておきたいものである。