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商品説明
21歳の大学生・佐倉聖は腹違いの弟を養うため、元大物国会議員・大堂剛の事務所に事務員として勤めている。ここに持ち込まれるのは、大堂の弟子にあたる議員からの様々な問題。飼い猫の毛の色が変わる謎、後援会幹部が何者かに殴打された事件の始末、宗教団体へ入信の秘書が寄進した絵画の奪還…などの厄介ごとに関わった聖は、元不良の負けん気と機転の利く頭で、センセイ方顔負けの“解決”を成しとげてしまうのであった—。昔は不良だった事務員が、元大物代議士のもとに持ち込まれる陳情、難題、要望から、その裏にある日常の謎を解決する現代ミステリー。【「BOOK」データベースの商品解説】
昔は不良だった青年事務員が、元大物代議士のもとに持ち込まれる陳情、難題、要望から、その裏にある日常の謎を解決する。センセイ方の実態もリアルな現代ミステリー。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
政治家事務所の一日 | 5-18 | |
---|---|---|
五色の猫 | 19-69 | |
白い背広 | 71-112 |
著者紹介
畠中 恵
- 略歴
- 〈畠中恵〉1959年生まれ。高知県出身。名古屋造形芸術短期大学ビジュアルデザインコース・イラスト科卒業。2001年「しゃばけ」で日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞。著書に「ゆめつげ」等。
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紙の本
政界にも畠中マジック
2006/01/21 10:16
9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:紫月 - この投稿者のレビュー一覧を見る
政治の世界に興味はないし、もちろんその世界を扱った小説にも惹かれるものは何もない。
けれどあの畠中恵さんの作品なので、ちょっと読んでみることにした。
舞台は、とある元国会議員の事務所。
そこで働くのは21の大学生にして12の弟を養っている佐倉聖。
もと不良少年。
早い話、この小説は短編集で、やたら議員やら秘書やらが出てくるが、内実はほのぼのとしたミステリー小説である。
そう。
あの『しゃばけ』シリーズを現代に持ってきて、主人公の若だんなを健康に、そして元気が良すぎるくらい元気にしたのが本書である。
と決め付けるのはいささか乱暴かもしれないが、でも、おおよそでいえばそんな感じだった。
主人公の佐倉聖は口は悪いしがさつだが、21とは思えないほどに物事のわかった気持のいい青年だ。
政治家に必要なものは?と問われれば、
『気力、体力、時の運。ついでに腕力もあれば』
と答える剛胆な若者でもある。
彼を取り巻く議員たちも色々なキャラクターが設定されていて楽しいのだが、これまたいい人たち。
扱われる事件もまた、血なまぐさいものではなく、ほのぼのとしたミステリーばかり。そこへ聖が人情味溢れる解決を図るというストーリー。
なにも無理に政治の世界を舞台にしなくても良かっのにと思えるほど、政治嫌いの人にも政治に疎い人にもすんなりと読める話である。
『しゃばけ』シリーズと違うのは、あの独特の設定がないことで、いっそうすらすらと読めることくらいだろうか。
とにかくこのほのぼのとした小説を読めば、うさんくさく見える政治家の面々も、なぜか、懸命に働いている善人に見えてくるから不思議だ。
畠中マジックのなせる技かもしれない。