仇敵

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いわれなき罪を背負い、大手都市銀行管理職の地位を追われて地方銀行員となった男。亡き友と己のプライドにかけて、男は復讐を誓う。メガバンクの内幕と地方銀行の実情を描いた銀行ミステリー。地方銀行で起こる数々の事件を通して、かつての敵を追い詰めていく。敵からの障害もありながら、最後には敵をやっつけるところまで、少しずつ高まっていくテンションが気持ちよい。お薦め連作短編集である。

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都市銀行の企画部からある不祥事の責任を取らされ、地方銀行の庶務行員になった恋窪が、ひょんなことから前の勤務先での悪事を暴いていく。
短編8作品。
ひょうひょうと達観した感のある恋窪だがじわじわと元の銀行の悪事に迫っていくところはなかなかおもしろいです。

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【仇敵】 池井戸潤さん

地方銀行の東都南銀行で庶務行員をやっている恋窪商太郎は
かつては東京首都銀行の企画部次長に席を置いていた。

企画部次長職にあった彼は、ある役員がからむ
不正融資疑惑を追っていた。

しかし、不正の全容を解明する前に、恋窪の動きを
察知した役員の姦計に嵌り辞職を余儀なくされたのだった。

出世欲や謀略が渦巻いていた世界から、庶務行員という
地位も名誉も無い立場になった恋窪は、そこで
今までの人生で欠落していたものを見つけた。

それは、優しさや思いやり、そして人生のゆとりという、
めまぐるしく変化する金融の最前線では、すべて無視
してきたものだった。

庶務行員とはいえ、かつてのスキルは健在である。
若手行員の融資の相談にのることもあった。

その相談内容の中で恋窪は、ある企業の役員欄に、
かつて彼を嵌めた相手、中島容山の名前を見つけた。

中島容山は白山総業という会社の代表者で
恋窪が役員との不正融資を追っていた人物でもあった。


ある日、恋窪はかつて東京首都銀行時代のライバル
桜井から「話したいことがらう」と電話を受け、
会う約束をするが、その場に桜井は来ずに、
翌日死体となって発見された。

恋窪は桜井の死に中島容山が関係していると考えた。
また、他の理由は考えられなかった。

庶務行員という新しい仕事を得て、あの東京首都銀行時代の
様々な軋轢や蹉跌を忘れようとしていた恋窪であったが、
かつて東京首都銀行で遣り残してきた仕事を忘れること
はできないのだと悟った。

庶務行員という立場では出来るコトは限られているが
彼は取引先のデータから白山総業を追い詰め、役員の
不正融資を暴く手がかりと掴もうとする。

☆

池井戸さんの銀行シリーズ。。

銀行って、その気になれば個人の資産の
現状を丸裸に出来るんですね。

いつ誰から振込みがあったか。
誰にどれだけ振り込んだか。。
どこに、どれだけの借金があるか。。

中小企業には、当事者（経営者）以上に
経営状況がよく分かっているかもしれません。

　

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主人公のキャラクター像が（ヴィジュアル的に）最後までくっきりしなかったので、低い評価。物語に入り込むために必要な要素だと思うので。

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いつもながら一気読みの面白さですが、最後が呆気なく、もっと峰岸を追い詰めるシーンが欲しかったかな。若干不完全燃焼で終りました。

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「下町ロケット」の感動の勢いで、池井戸潤を続けて読んだが、「下町ロケット」が突出してよかったみたいです。

それにしても銀行ってこんなに過酷な出世競争をしてるの？

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主人公の恋窪が過去の人脈と経験を通して様々な問題を解決していくバンカーの物語。短編小説的な構成で読みやすいし、かといってどこかで繋がっている。読みやすい小説でした。
池井戸潤の小説はあきないですねぇ！

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　連続テレビドラマを見ているような本。主人公は、陥れられて職を追われているが、仇敵を追い詰めていく。人はたくさん死んでいくが、その死によって真実を明るみに出すチャンスが次々におとずれてくる。そして、主人公は実力派であるのでうまくそのチャンスを生かして相手を追い詰めていく。お金を扱う仕事って恐ろしい。

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銀行を舞台にした小説。フィクションとはいえ、こんなに私腹を肥やしていいのか！主人公はギッタギッタにされても、意思を貫く。10年以上前の作品だが、中小企業を取り巻く環境は今、さらに厳しい。

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エリートバンカーが罠にかけられて銀行をクビになり、庶務行員として他銀行に再就職。
庶務行員として駐車場の整理等の雑務をこなしつつ、融資係の若者に助言したり、元の銀行の部下と連絡を取ったりして融資話をまとめたり、大型融資の裏にある罠を見破ったり。
ひとつひとつは短編なんだけど、全体をひとつの大きなテーマが流れていて最終的には自分を罠にかけた諸悪の根源と対決する。

主人公は悟りを啓いたように温厚な人となっている（一部そうでないときもあるけど）が、一時でもエリート銀行マンで出世街道まっしぐらだった人が１年や２年でそこまでなれるかなぁ。。とちょっと疑問でした。

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東京首都銀行のエリート銀行員だった主人公の恋窪は、行内の不正を暴こうとしたものの対立勢力の陰謀により職を追われ、地方銀行の東都南銀行の支店で庶務行員として働いていたが、かつてのライバルだった男の死をきっかけに再び古巣の不正を暴こうと立ち上がるというストーリー。
一つ一つ個別のエピソードが実は繋がっていて、大きな一つのストーリーになっていて、読みやすい作品でした。
池井戸作品の悪役はちょっと小狡い人間が多いが、本作の悪役である東京首都銀行の峰岸や白山総業の中島は自分の利権のためなら殺人も厭わないという大悪人として描かれています。その峰岸や中島に果敢に立ち向かう恋窪の姿には共感を覚えました。

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銀行員にも一般行員と庶務行員が居るとは知らなかった。エリートが出世を諦めたとき、桜を楽しみ、スイカを味わい。お金では感じることが出来ない心の豊かさを得ることが出来たが、過去のわだかまりに引きずられて金融事件を解決していく。乗り越えなければいけない問題を解決していく手腕はさすが元エリート銀行員

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普段は駐車場の案内など雑務をこなす庶務行員の主人公。

実は元エリートバンカー。

若手の銀行マンをフォローしつつ、問題を解決していきます。

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大手都市銀行の次長職から地方銀行の庶務行員となった恋窪商太郎。駐車場の整理とフロア案内の傍ら、融資に悩む後輩社員へアドバイスする…そんな日々に、以前より「人間らしさ」を取り戻した恋窪だったが―。「正義」を求めたばかりに組織を弾き出された男が、大銀行の闇に再び立ち向かう!メガバンクの内幕と、地方銀行の実情を描ききる銀行ミステリーの傑作。
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善悪が判りやすく、お約束のような勧善懲悪だが、そこがいい。いわれなき汚名を着せられて大銀行を追われ、地銀の庶務行員に甘んじている恋窪商太郎が、探偵役となって銀行がらみの事件を解き明かし、結果的に仇敵を追いつめるという設定には、おそらく誰もがカタルシスを感じるのではないだろうか。そしてそれを可能にするのは、やはり人脈なのである。池井戸作品では、毎回人脈のありがたみとパワーを見せつけられ、百人力を得た心地になる。恋窪の後継者がどんどん育ってくれるといいと願ってしまう一冊である。

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池井戸潤 金融 連作短編集。正義を追いライバルの罠に嵌り不祥事の責任を取らされ、大手銀行の次長職から地方の銀行庶務行員になってしまった恋窪商太郎の復讐劇。大手銀行の役員が絡む不正融資のからくりを平の銀行庶務行員が暴く。「不祥事」と同じ銀行内の不正だが、殺人・暴行事件が頻繁に起こり警察小説風、警察はまったく機能せず土壇場までだめだったが・・・・・