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商品説明
葉隠精神を生んだ佐賀藩藩祖が唱える「組織の成員の心構え」とは! 秀吉の朝鮮出兵と家康の関ヶ原の戦いに参加し、主家に代わり佐賀を支配、のちの「葉隠精神」を築いた名将の一代記。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
童門 冬二
- 略歴
- 〈童門冬二〉1927年東京生まれ。東京都庁にて政策室長などの要職を歴任後、退職して作家活動に入る。著書に「小説上杉鷹山」「参謀は名を秘す」などがある。
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紙の本
戦国武士の生きざま
2001/02/25 23:44
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投稿者:ブランカ - この投稿者のレビュー一覧を見る
葉隠には興味があった。隆慶一郎氏の「死ぬこととみつけたり」を読んで以来、私の頭から、葉隠という言葉が離れることなく、脳裏にこびりついてきた。私の葉隠のイメージは、忍者の「この葉隠れ」という忍術を連想し、なにか、忍びの話が書いてあるのだろう、という間違いも甚だしいものであった。
それが、苛烈な武士の生きざまをさすものであることを知ったとき、体の中を電流が走り抜けた感覚に、文字通りしびれたものだった。鍋島直茂・勝茂は「死ぬことと…」の中で、主君として登場する。だから、このときの私は隆氏の目を通して、いや、その小説の主人公の目を通して鍋島直茂・勝茂を見たといえる。今回、違った視点でその姿を見ることができることはうれしい限りである。
時は豊臣の時代から徳川時代の礎ができあがる過程である。全国の戦国大名にとって、自国が繁栄するも滅亡するも全て、時代の先を見る力に長けていることにかかっていた。その意味で、鍋島直茂は龍造寺家の家臣であったに関わらず、「静の下克上」といおうか、静かにその勢力を自国で拡大し、その上秀吉と家康という大勢力の元で、自国を保ち得た希代の武将であった。
本書は、龍造寺家との確執、秀吉、家康との駆けひき、国作りの様子など、様々な角度から、その半生を描いている。その生きざまは、いまのわたしたちが、学び生かすことによって、後世に引き継いでいくべき生き方である。そして、それは、とりもなおさず、日本の男が心に持つあこがれの男の姿である。
筆者、童門冬二氏の考えが随所に反映され披露されていることは、ある部分でストレートな読み方を妨げるかもしれないが、それは、それでよいのである。心の襞の底に男の生きざまをとどめておくのも一興ではないか。