「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
- カテゴリ:一般
- 発行年月:2000.3
- 出版社: 実業之日本社
- サイズ:20cm/277p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-408-53376-9
紙の本
貴船菊の白
著者 柴田 よしき (著)
待ち続けて、待ち続けて。野に咲く花のようにたおやかに、秘やかに…。殺人、裏切り、白昼夢、そして恋。古都・京都を舞台にサスペンスフルに綴る、初の作品集。書き下ろし作品を含む...
貴船菊の白
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
待ち続けて、待ち続けて。野に咲く花のようにたおやかに、秘やかに…。殺人、裏切り、白昼夢、そして恋。古都・京都を舞台にサスペンスフルに綴る、初の作品集。書き下ろし作品を含む全7編。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
貴船菊の白 | 5-42 | |
---|---|---|
銀の孔雀 | 43-80 | |
七月の喧噪 | 81-122 |
著者紹介
柴田 よしき
- 略歴
- 〈柴田よしき〉1959年東京都生まれ。青山学院大学卒業。「Riko」で第15回横溝正史賞を受賞。著書に「象牙色の眠り」「星の海を君と泳ごう時の鐘を君と鳴らそう」などがある。
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
『幸せの方角』
2001/05/20 17:21
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:seimei - この投稿者のレビュー一覧を見る
京都を舞台に題材にした短編集。柴田さんの描く京都は、人の男と女の艶と涼、情念が古都の風習と生活と絡まりあって、見てきた景色、見ていない景色と、女の生きる場所、男の死すべき処を暗示させる、艶やかで官能的な灯が点る場所だ。
僕が感銘を受けたのは『幸せの方角』という作品。吉田神社の節分祭を見に来た作家が、むかし編集者をしていた男と出会う。ふたりは酒を飲み交わしながらむかしの話に興じ、作家が愛した一人の女性との過去に行き着くが、そこから臆病な三人の恋が顕れるのだった。人の気持ちを慮ってしまう故に恋を告げられない男、不器用に夫を愛し続けた女、意地ゆえに我を張り一人の女を傷つけた男、みな不器用で臆病で、求める幸せの方向性を違えてしまった。恋し、傷つき、失い、生きていく、京都の桜を見上げ、巻き寿司を食べながら、また幸せを求め歩んでいく。そう人は歩んでいくのだ。何かを見上げながら。共に…。