シャビ バルサに生きる

　バルセロナとスペイ...

ジュンク堂書店大阪本店さん

　バルセロナとスペイン代表の中心であり、2010年バロンドール（欧州最優秀選手）最有力候補シャビ・エルナンデスの自伝。トップチームにデビュー後しばらくは「守備の出来ないひ弱なボランチ」として軽視された。大きく成長したのは2003/04シーズンにロナウジーニョやダーヴィッツとともにプレーし、中盤の底から前線の後にポジション変更してからである。絶妙なパスセンス、相手に奪われない巧みなボールコントロールでたちまちチームに不可欠になる。その後も同ポジションのデコに刺激を受け、後輩イニエスタと切磋琢磨しながら究極のパスサッカーの申し子に成長する。
　メッシやＣ・ロナウドになくてシャビにあるもの、それがサッカー的知性である。周囲を生かすコレクティビティ、基本に忠実なディシプリンの徹底など戦術的理解が高くピッチ上の監督と化す。先輩であり監督のグアルディオラはシャビの目標だった。個人的スキルだけを重視し組織の決まり事やチーム性を軽視するとあの「銀河系」のように崩壊する。「カリスマ店員」ともてはやすだけでなく店員全員のチーム戦術を磨くのが「書店以上の存在」かとバルセロニスタ書店員は痛感する。　　　大阪本店　Ｄ