神社でヒーリング

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目下、寺社仏閣参拝はパワースポット巡りとして、雑誌などで特集が組まれるようになっていますが、著者はそのブームの前から同種の本を出していたということ。
女優である著者の身体の異変や家族の不調などが語られ、そういった苦境が神社詣でにより解消したと、執筆の根拠が語られます。

特に神社関係者ではない、好きが高じて執筆に至った人だけに、専門性というよりは、一般的な人と同じ目線で語っているため、親近感が持てます。
文章からも、心から神社に畏敬の念を抱いていることが伝わってくるため、読んでいて変なつっかかりや違和感を感じることがありません。

かなり霊感のある人のようなので、私にはわからない感覚も体験しているようですが、それは人それぞれですし、神や仏といった類に関しては、感じ方に個人差があるものだとはじめから割り切って読まないと、頭に入っていかないものです。
そういった読者の反応をおそらく意識してか、著者の文章はどの箇所においても、自分の体験を交えて丁寧に書き連ねたものになっているため、見えないものを語るという難しい内容ながららも、自分の思うままをきちんと表現したいという誠実さが伝わってきます。

新宿の十二社とは、厄除けで名高い熊野三社の十二の社の神様を迎えて造られたものだとは知りませんでした。

著者の好きな日本中の神社が紹介されていましたが、箱根神社や伏見稲荷神社がありません。
また、東北以北の神社は、出羽三山神社しか載っておらず、鹿島神宮、香取神宮もないことが気になりました。

ただ、著者の見立てや感想が、すなわち神道のルールだというわけではありません。
神社との相性や好き嫌いは人それぞれ。
彼女の場合の神社との向き合い方が紹介されている本だと思って読んでいくと、自分の感覚と合わない箇所があっても、スムーズに読み進められます。
今度神社に参拝する時には、もっと意識的にお参りできそうな気がしました。

傾斜80度の絶壁を登って参拝するという愛媛の石槌神社に、いつか行ってみたいものです。