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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2008.3
  • 出版社: 実業之日本社
  • サイズ:20cm/252p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-408-10727-1

紙の本

ゲゲゲの女房 人生は…終わりよければ、すべてよし!!

著者 武良 布枝 (著)

巨人・水木しげると連れ添って半世紀。赤貧の時代、人気マンガ家の時代、妖怪研究者の時代、そして幸福とは何かを語る現在…。常に誰よりも身近に寄り添っていた妻が明かす、生きる伝...

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ゲゲゲの女房 人生は…終わりよければ、すべてよし!!

税込 1,320 12pt

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商品説明

巨人・水木しげると連れ添って半世紀。赤貧の時代、人気マンガ家の時代、妖怪研究者の時代、そして幸福とは何かを語る現在…。常に誰よりも身近に寄り添っていた妻が明かす、生きる伝説「水木サン」の真実。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

武良 布枝

略歴
〈武良布枝〉1932年島根県生まれ。61年に水木しげると結婚。以来、マンガ家・妖怪研究者として活躍する水木しげるを支え続けている。

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みんなのレビュー149件

みんなの評価4.0

評価内訳

紙の本

彼女はビビビ??

2009/08/29 08:58

14人中、13人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 著者の武良布枝さんは、人気漫画家水木しげる氏の「女房」です。
 氏の代表作といえば『ゲゲゲの鬼太郎』、だから本書は『ゲゲゲの女房』。おかしなタイトルですが、わかりやすい、いい書名です。
 水木しげる氏の著作のなかに『妖しい楽園』(2000年刊)という、氏の身辺雑記をつづった本がありますが、そのなかで氏は「父」や「母」あるいは「子供」については書いていますが、布枝夫人のことには触れられていません。
 唯一、自身の結婚の事情を描いた「結婚」という短文のなかに「長い顔の女がホホ笑んでいる」という文章があるばかりです。水木氏が丸顔だから余計にそう見えたのか、漫画に登場する「女房」も「長い顔」をしています。
 もっとも、本書口絵の「女房」の写真を拝見すると「長い顔」どころか、美人顔で、文章にも書かず、漫画でも揶揄するのは、おそらく水木氏の照れであろうと思われます。
 「ゲゲゲ」どころか、ねずみ男の「ビビビ(美美美)」の女房とお呼びしたいくらいです。
 本書は、そんな「女房」の、青春から今にいたる、一代記です。

 今でこそ水木しげる氏といえば故郷の島根県境港市に「記念館」があるほどの人気漫画家ですが、布枝夫人と結婚した頃は四十前のまだ貧しい貸本マンガ家で、しかも戦争で左手をなくしていました。その男性がこれほどの成功をおさめると、布枝さんは考えたわけではありません。
 見合いからわずか五日後に二人は結婚式をあげるのですが、これなどは現代では考えられないことかもしれない。
 「恋愛に価値があると思っておられる方々には、これ以上の不運はないと思われるかもしれません」と、「女房」は書いていますが、すぐさま「最初に燃え上がった恋愛感情だけで、その後の人生すべてが幸福になるとは、とても思えません」と記しています。このあたりは、現代の「婚活」にいそしむ女性たちはどう受けとめるのでしょうか。

 結婚はしたものの水木しげる氏の経済状況は好転するはずもなく、まして貸本マンガ界も不況にあえいでいました。
 「伴侶とともに歩んでいく過程で、お互いが「信頼関係」を築いていけるかどうかにこそ、すべてかかっていると思うのです」と書く布枝さんは、困窮生活のなかで一所懸命絵筆をふるう水木氏を見てきた「女房」でしたし、漫画週刊誌ブームにのって人気漫画家の仲間入りをした水木氏ではあっても「目を見て話してくれることがなくなったことが、寂しくて」たまらないと感じる、女性らしい優しい「女房」でもあったわけです。

 水木しげるご夫婦の物語は現代の成功物語かもしれません。しかし、「女房」の文章にはそんな奢りはありません。
 『ゲゲゲの女房』とは、「普通では味わえないような、喜びも悲しみも、誇らしさも口惜しさも経験」したことを感謝する、おおらかな「女房」の物語です。 

 ◆この書評のこぼれ話は「本のブログ ほん☆たす」でご覧いただけます。

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紙の本

天下の講談社から「少年マガジン」への執筆を依頼されるあたりでは読んでるほうもコブシに力が入っちゃうもんね

2009/12/21 11:38

14人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SnakeHole - この投稿者のレビュー一覧を見る

著者の武良布枝って誰だ? と思った人は書名をよく見るべし。その本名は知らずともこの世に「ゲゲゲの女房」と言ったら一人しかいるまい。あの漫画家・水木しげるセンセイの奥様である。昭和36年1月30日(これはオレが生まれる2日前である),見合い後5日で当時貸本マンガ家だった武良茂(水木しげるはペンネーム)と結婚。新婚旅行もヘチマもなく上京し,調布の水木宅で極貧の新婚生活を始める。

センセイの代わりに原稿料3万円を貰いに出版社に行き,「水木さんのは売れないから」と1万5千円に値切られて食い下がり,往復の電車賃だけ上乗せして貰って帰るくだりや,「こんな収入で生活して行けるはずがない」と申告所得を疑う税務署員にセンセイが質屋の赤札の束を突きつけて「われわれの生活がキサマらにわかるか!」と怒鳴りつけるシーンなど,涙なくては読めません。

「ガロ」(懐かしいなぁ)に掲載した「勲章」や「不老不死の術」(両方とも「ねずみ男の冒険」所収)が注目され,ついに天下の講談社から「少年マガジン」への執筆を依頼されるあたりでは読んでるほうもコブシに力が入っちゃうもんね。水木ファン必読の一冊。

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紙の本

生きる力

2010/07/27 04:36

11人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:コーチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る

 『ゲゲゲの鬼太郎』の作者水木しげる(本名武良茂)の妻、武良布枝が自分と夫のこれまでの人生をふり返った自伝的エッセイ。いうまでもなく、現在放映中のNHKの朝ドラ『ゲゲゲの女房』の原作である。これを読むと、ドラマが大体において原作に忠実であることに気づかされ、ドラマの感動があながちフィクションでないことに喜びを覚えた。
 島根県安来町に生まれ育った引っ込み思案な女性が、30近くになって嫁いだ先は東京の調布に住む漫画家であった。お見合い後わずか5日で結婚をし、そのまま東京にやって来た彼女を待っていたのは、想像だにしなかった極貧生活であった。
 夫の茂は当時、貸本漫画で生計を立てていたが、斜陽だったこの仕事からはろくな原稿料ももらえなかった。だから生活は常に火の車で、電気代も払えず電気をとめられることもあったし、質屋通いもした。あまりの収入の少なさに税務署から脱税の疑いまでかけられる始末...。
 こんな生活でも、布枝がおとなしく水木についてきたのは、まじめに仕事に打ち込む夫への愛情と尊敬からだった。ある日彼女は、戦争で左腕を失った茂が片手だけで無心に描き続ける姿に胸を打たれる。「精魂こめてマンガを描き続ける水木の後ろ姿に、私は正直、感動しました。これほど集中してひとつのことに打ち込む人間を、私はそれまでに見たことがありませんでした。」
 これ以来、彼女には夫の努力を自分だけが知っているという誇らしい気持ちがめばえる。夫の代わりに出版社に原稿を届けに行き、そこでマンガの悪口を言われたあげく、原稿料も約束の半分しかもらえなかった時には、悔しくて涙が出たという。同時に、夫がどれほどの屈辱に耐えて仕事を続けてきたのかも知った。
 そんな茂も少年マガジンでの連載をきっかけに注目を集める。さらに講談社児童漫画賞の受賞で、その人気が決定的となったとき、布枝は思った。来るべきときが来た!と。これほど努力をしている水木が「世間に認められないまま終わるはずはない。」
 不屈の精神によって成功を勝ち取り、貧乏生活と縁を切った水木にも、その後仕事の依頼が減り、落ち込む次期があった。「いまの人は、目に見えるものしか信じない。オレがいままでやってきたことはムダだったのか。妖怪なんていないのかもしれない」と弱気になる水木を力づけたのは、次女とのなごやかな会話だった。その他さまざまな困難を乗り越えた水木夫妻は、現在ともにしあわせな老後を送っている。
 夫に対するこまやかな愛情が行間にあふれている本書には、水木しげるの人生哲学も妻の目を通して印象的に語られる。中でも心打たれたのが、水木が後年、色紙などに書くようになった言葉と、それを解釈する著者の視点である。
 その言葉とは、「なまけ者になりなさい!」とか「がんばるなかれ!」だという。布枝は、あれほどの努力家である夫が、努力を否定するようなことを書くことには納得がゆかなかったが、今はそれを次のように解釈する。
 水木は戦争を生きのび、貧困を生きのびた。生きる知恵や本能を働かせたからこそ、ここまで生きてこられたのである。くそまじめに努力をするだけだったら、今彼はここにはいないだろう。「生きる力」こそ大切なのだ。
 本書には、水木の好きな作家ゲーテの次のような言葉が挙げられている。
 「精神の意志の力で成功しないような場合には、好機の到来を待つほかない」
 のんびりと時期の到来を待とう―こんな暢気さが、努力を否定するかに見える水木の言葉の真意かもしれない。そしてこれもまた、布枝の言う「生きる力」ではないだろうか。

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紙の本

いつもおまえがぼんやりと立ってたな。

2008/03/13 09:28

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:和田浦海岸 - この投稿者のレビュー一覧を見る

ゲゲゲの鬼太郎・悪魔くんを書いた水木しげる氏の夫人が、本を書きました。昨日。その本を読み、そして気分よく熟睡しました。

妖怪をはじめとするパンドラの箱をひっくりかえしたような水木作品を、正面から取り押えようとする作品論があるとすれば、この本は、袖から、そして水木しげるの背中ごしに語る人物論になっております。もちろん後ろからですから、水木氏の手もとなど見えないのですが、それがかえって筋の通った、力(りき)みの無いすがすがしさを読者に提供してくれております。

本の最後の方にこうありました。

「以前、富士山の小屋に行ったときに、水木に聞いたことがありました。
水木は小首をかしげた後に、空を見上げ、ポツリといいました。
『よかったんじゃないか、おまえで、いつもぼんやりしていて』
『ぼんやり? 私、ぼんやりしてる?』
『とんでもなく、ぼんやりだ』
『そうかなあ』
『ああ。横を見ると、いつもおまえがぼんやりと立ってたな』
そういって、にやりと笑うと、右手で私の背中をバシッと叩きました。」(p238)

装丁が素晴らしくてね。
もし、本屋にあったなら、手に取ってみてください。
と、つい薦めたくなる一冊。

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紙の本

何の衒いや気負いも陰もなくさらりとした感じで記述されている

2010/07/30 22:15

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 飾り気のない気取らない人柄の表れているような文章と内容である。かなり悲惨であったろう貧乏生活や寝る間もなく仕事におわれた時期も、何の衒いや気負いも陰もなくさらりとした感じで記述されている。このくらいの年代の人までは自分では平凡とはいいながらも、芯は強く気丈で、生活力・生命力のある人が多いようである。傍から見れば波瀾万丈の大変な生活・生涯もなんのその、前向きにめげずに生きてきたことがうかがえる。
 夫である水木しげるは漫画家という仕事に全身全霊を投入し、妻である著者は子供や夫を第一に思いやり支える。ついこの間までの日本にはよくみられた家族・家庭のすがたがある。この本の人気は、今や崩壊しつつある日本の家族・家庭のあり方にたいする共感・郷愁を、多くの人がまだいだいていることによるものであろうか。
 この本の書き出しは故郷の安来や境港の風景描写に始まり、その風景を眺めていることで終わる。そこには自然と人間の歳月をへて変ったものと変らないものと万感の思いとが凝集されている。

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紙の本

マイナスからのスタートの方が大きな力を発揮出来ると教えてくれる本

2008/06/30 11:42

14人中、14人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:甲斐小泉 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 今夏、実写版の映画第二弾が放映される「ゲゲゲの鬼太郎」の原作者、水木しげる先生の奥様の自叙伝で、ご自身の生い立ちから水木しげるさんとの結婚、極貧の下積み時代から、テレビ放映で人気が高まり、現在の「大家」として名を成すまでを、妻の目から描いていて、興味深い読み物でした。

 先ず、二人の出会いはそれなりの家柄の生まれとはいえ、「ないないづくし」「選べたもんじゃない」という状態から始まったのであり、当時はそれが普通だったというお見合い結婚の中でも、かなり異例なスピードで話が進みます。すなわち、著者自身は当時の娘の基準としては背が高すぎた(そう、少し前までは、女性の背が高すぎるのは嫁にいけない条件のひとつだったのです)ためにいわゆる婚期を逸した状態になっていた事、水木さん自身はよく知られているように戦争で片腕を失っておられたなど、いわば互いにハンディを背負っていた上、経済的な事情もあり、とにかくパッパと結婚してしまったのです。

 スピード結婚で上京すると・・・貸し本の漫画家をしているので稼ぎが月額3万円という当時としては上々だったはずの夫の収入の実態は、それとは程遠く、零細な貸し本業者からは値切られるは、踏み倒されるはの上、夫が先ずは自分の親やきょうだいを優先してしまうために、著者の家庭は赤貧洗うが如しという有様。申告所得が少なすぎるとやって来た税務署員に質札の束を突き出して、「われわれの生活がキサマらに分かるか」と水木氏が怒鳴るエピソードは圧巻です。そもそも結婚自体が成立しないような話ですが、こと、ここまで経済的に追い詰められ、しかも、夫が自分の家庭より身内を大事にしたら・・間違いなく離婚になり、周囲も妻側をいたく同情する事でしょう。

 しかし、著者は夫が漫画に打ち込む姿を見て、尊敬を感じ、絶対にこの人が世に理解される日が来ると信じ、文字通り健気に支え続けます。時として、収入度外視をしてどうしてこんなことをするのだろうと思いつつ、夫と共に戦艦を組み立てて遊んだりもする妻だったので、水木氏がとても幸せな人だったのが分かります。(重たいテーマ、不気味な話の中でも氏がユーモアを忘れないのは、この奥様の存在が大きいのかもと思わせてくれます。)

 暗くて、売れないよ、と言われていた水木さんの作品が世に知れ始めるのが、テレビの実写版「あくま君」。年齢がバレバレですが、子ども時代の私はあの番組がかなり好きで、特にねずみ男と合い通じるずるさ、せこさを持ってるのに憎めないメフィストが好きでした。(俳優さんの容貌や声色をいまだ覚えています)主題歌の作詞は水木さん自身ですが、この本に書いてある歌詞を全部覚えている程、あの頃は歌っていました。

 そしてアニメの「ゲゲゲの鬼太郎」で水木さんの人気は国民的なものになります。(あくま君以上に遠足、林間学校などの往復のバスの中で「ゲゲゲの鬼太郎」の歌は定番小学生唱歌として歌われていたものです。)鬼太郎、目玉のおやじ、ねずみ男をはじめとするユニークなキャラクターは、まんまるで可愛く陰がない、あるいは超未来的なヒーロー、ヒロインが大勢を占めていた中で、古い日本の不気味さや不思議さを秘めていて魅力的でした(それでいて、鬼太郎が闘うストーリーは現代的な問題を提起しているのも魅力でした)。

 子どもだった私が水木作品の魅力を享受している頃から、著者たちの暮らし向きはずっと楽になるものの、水木さんの周囲は一気に忙しくなり、家庭を顧ない夫の姿に著者は「貧しかった時の方が幸せだった」と思う事すらありました。しかし、ある時に、夫は家族は一心同体だと思っているからこそ、家族を後回しにするのだと理解し、さらに支え続けます。出世前の著名人と親しくなってしまう水木家の事や、慰霊の旅の事など、色々なエピソードが描かれ、現在の著者は実に幸せそうです。


 読んでいて、文字通りの内助の功を遂げた著者の芯の強さを感じましたが、それと共に、選べない、いわばどん底(これを一般的にはハングリーと言うのでしょう)からのスタートとなったが故の幸せというものを強く感じました。私の親世代位から上の世代は、その我慢と犠牲の上に成り立つ幸せというのを尊びましたが、私よりいくらか上の年代くらいで、大いに揺れて、下の世代は完全にハングリーな状態からのスタートを選ぶのは愚か、あるいは、本当にやむにやまれずのレアな状態になってしまいました。

 下手をすると「だから我慢が大事なのだ」「今時の若いもんは」と言う説教モードに持っていかれそうな部分があるのを著者は自分達は自分達だから、と流し、説教に堕してはいないのが、やはり著者がよく出来た人であると感じさせてくれます。

 我慢はしない、恵まれたところからのスタートが当たり前という現状が、ないものねだりや不安、不満感につながる事の多い今の風潮を見ていると、足らないところからのスタートでも、創意工夫を重ねて、自ら作り上げていく人生の方が充実感があるとはっきり言葉には出さず、感じさせてくれる本でもありました。

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紙の本

支えあう夫婦

2010/01/10 20:05

13人中、13人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る

ゲゲゲの女房 武良布枝(むらぬのえ) 実業之日本社

 ゲゲゲの鬼太郎を書いた水木しげるさんの奥さんなので、ゲゲゲの女房です。昭和7年生まれの方なので、わたしの親の世代です。
 ご主人の漫画家水木しげるさんは、最初から成功者だと思っていましたが、この本を読むと、ずいぶん違っていました。おふたりは、極貧生活を経験されています。わたしは去年、青森市にある縄文時代の遺跡である三内丸山(さんないまるやま)遺跡を見学してきました。その縄文時代の生活と水木さんご夫婦の新婚生活が重なるのです。食べるものとか、料理法は縄文時代も水木さんの新婚時代も同じです。案外人間の生活ってそれほど進歩していないのかもしれない。また、東北弁と島根県の安来地方の方言は似ている気がします。映画「砂の器(うつわ)」にも、そんな場面がありました。本書中の記述から、安来節とか三味線話は、青森のじょんがら節とか、津軽三味線を思い浮かばせてくれます。
 冒頭のページにある、ふるさと島根県を言い表した「小さいながらも高い文化をもつ地域」という言葉が気に入りました。そういった地域が日本のあちこちにあるけれど脚光は浴びていません。
 初期の頃のまんが作品は、しろうとである奥さんとの合作である点は、ほほえましい。水木氏は、左腕がない障害をもつ人とは知りませんでした。それを承知で結婚した奥さんは、ご主人をやさしく支えてくれます。相手がどんな人かもわからずに早々と見合い結婚をして、ご主人が、そこそこの収入がある人だと思っていたらだまされていて、それでもふたりで夢を追いかけて、最後に夢がかなう。にもかかわらず、24時間仕事続きの毎日になってしまい、それはそれでまた悩みになっていく。
 これは、生きる勇気が湧いてくる手記です。まんがへの夢を捨てない水木氏の執念と、そんな夫を捨てない奥さんに学ぶべきものがあります。

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2008/03/17 20:07

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2008/04/05 12:24

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2008/05/07 10:13

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2008/05/14 17:22

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2009/02/07 10:57

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