紙の本
書籍「太陽は動かない/吉田 修一著」心動くものは無かった
2012/08/02 18:11
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:soramove - この投稿者のレビュー一覧を見る
書籍「太陽は動かない/吉田 修一著」★★★
「新刊で予約してすぐに読んだが
感想をやっと書くことにした、
というかどーでも良い作品だった、
こういったエンタメも書けるよと言いたいのだろうが
目新しさは全くない、
どこかで見たようなシーンをつなぎ合わせた印象、
これを書く意味が分からない」
“息詰まる情報戦の末に巨万の富を得るのは誰か?
金、性愛、名誉、幸福……
狂おしいまでの「生命の欲求」に喘ぐ、
しなやかで艶やかな男女たち。
人間讃歌の新スパイ・エンターテイメント!”
(幻冬舎HPより)
編集者の「今度はスパイ小説でも
書きましょうか」
なんかそんな声が聞こえるようだ。
主要人物の紹介が終わると
いきなり動き出す
油田開発の利権争いは
日本だけでなくアジアに飛び火し
拉致監禁や瀕死の重傷を負うような
乱闘シーンと
映画のノンストップアクションのよう。
そのスピード感は心地良いし
はっきり言って一気読み
でも自分の吉田修一に求めるものは
ちょっと違う?
エンタメとしては完成度高く成立してるが
登場人物が皆、類型的で
驚きが全くない、
これじゃあ他の作家が書けばいいことで
人物描写を深く掘り下げないで
ただの駒のように散りばめ
あとは色んな困難が次々やってくるという
キーワードを当てはめて
ラストまで一気
面白く読んだけど
次の作品を読んでる頃には
細部はもとより
主人公の行動もスッパリ忘れてしまいそうだ。
この小説に何を求めていたかによるが
これじゃあ、全然物足りない
★100点満点で60点★
紙の本
残念な作品です
2017/07/20 17:31
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投稿者:koji - この投稿者のレビュー一覧を見る
吉田修一さんがこんなのも書くのかというのが読む前の印象で、読み終わった今はかなり残念な気分です。
今まで読んだ吉田修一さんの作品はどれも面白かっただけに余計にそう感じました。
全体と通して出てくる人物がみんないかにも作り物ぽっくて薄ぺらい感じです。
誰一人として存在感というのがなくてフィクションですよ、架空ですよという感じだけが臭ってくるようで。
物語も1970年代のTVドラマ「キイハンター」ような荒唐無稽のB級アクション活劇を今更見せられているようで退屈な作品でした。
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吉田修一がこんな作品も書くの?!という、スパイ&サスペンスアクション小説。
スリリングで面白かったし、登場人物が多い割には、きちんと人物像が描かれていて、いかにも映画にむいていそう。
惜しむらくは、その数の多さのために、あとひとつ人物に深みがなく、ちょっと消化不良なところがあったこと。
それぞれに人物像を描きたかったのだろうが、その律儀さがかえって仇となり、中途半端になってしまった感は否めず。
でも、そのややマイナス面を考慮しても、スピード感があり飽きずに物語に入り込めた。
単純に面白かったからヨシ。
とはいうものの、正直なところ、こういうのは他の作家に任せて、吉田氏には自分の一番の持ち味の、ごく普通の日常に暮らす人々の機微を書いてほしいかな~。
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一番大事なこと、主人公の、人を惹きつける魅力が、ない。
登場人物含めその辺の描写がお座なりなせいで、展開に説得力もなく、折角のストーリーも面白みが半減。
カッコいいとか悪いとかは関係なく、ガツンとくるエピソードでグッと心を掴んで話を進めてほしかった。
ただ、大好きなこのジャンル、ぜひとも極めてほしいなあ。
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油田開発、エネルギー開発に関する諜報戦。
確かに、新境地ではあったかな。
でも、国際謀略モノとか黒社会モノとか読みなれている人にとっては、かなり物足りない内容だと思う。今度は、いつもの感じでお願いしたいなぁ。
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完全にやられました!
最近読んだ本で1番です。
いきなり登場人物の説明しちゃってるし、人物多いし。とっつきにくい印象だったのに読み進めるのが惜しいくらいおもしろいエンターテイメント作品。
これは映画化されるでしょう!
これは読むべき。
当たり外れの激しい作家だけど。横道。悪人。と近年はいい感じです。
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いや、驚きました。
コレ本当に吉田修一?同姓同名の新人さん?
確かに今までも人間の持つどうしようもない弱さとかみにくさを描いてはいらっしゃいましたけどここまで激しい暗部まで踏み込んだ小説はないよね?
生に対する圧倒的な強い執着と、心のどこかに必ずわずかでも残っているヒトに対する信頼感。
やはり吉田修一的人間像に揺るぎはなかった。
新しい吉田修一が現れた!でもやはり吉田修一はここにいる!
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サスペンスというのとはちょっと違うんだけど…
「吉田修一ってこういう小説も描くんだぁ…」というのが正直な感想。
今まで4.5冊は読んだことあったけど、こういう作風は初めて。
産業スパイを描いた物語、これがすごい。
歴史の転換点には、裏でこういうタフな男たちの躍動があるのかも…と思わせる熾烈なスパイ合戦。
「スパイ」というと、どこか現実離れしたような感じもあって、なんでもこなす超人の活躍が描かれているのかというと、そんなこと無い。
窮地に追い込まれて命からがら生き延びたり、とんでもない方向に話が転がったり…。
最後の最後まで気が抜けない諜報戦が続く。
濃厚な一本の映画を見終えたような満足感。カッコいいラスト。
腹にドスンとくる極上エンターテインメント。
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スピード感ある展開で一気に読める。楡修平の作品を読んでいる感じもして、へぇ~これが吉田修一の作品かぁ~といった読後感。
変化の途中と期待します。
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<内容>
次世代エネルギーの開発をめぐる諜報戦。
<感想>
前作「平成猿蟹合戦図」に続き、エンターテイメント性の強い作品。原発問題のその後で、新しいエネルギーを創出していく中での、出し抜き出し抜かれの産業スパイの話で、状況が二転三転し、疾走感の溢れる物語だった。峯不二子を髣髴とさせるような美人スパイや、韓流スターのようなイケメンスパイなど読者を引き込むキャラクターの作り方は健在で、舞台は日本に留まらず、中国、韓国、モンゴルと飛び回り、日本をアジアの一部として意識している吉田修一の感性を強く感じた。
もちろんこういった話も面白く満足ではあるのだけど、人と人の関係や心理をえぐっていくような純文系の吉田作品も、そろそろまた読みたいなとも思う。
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映画みたい!すごい迫力でした。手に汗握るアクションシーンもいいけど、駆け引き、知能戦が魅力的です。
国と企業と、産業スパイ。利権を得るため権謀術数めぐらす彼ら。普段見られない、裏の世界を垣間見れた気がします。
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吉田修一新刊/自然エネルギー/中国・アジア/企業の情報戦...etc.という興味のある分野ばかりで手に取った一冊。GW中の現実逃避としては最高でした。
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悪人の吉田修一最新作はスパイものでした。エネルギー問題に絡む情報戦や政府の対応の遅れとか、今実際に起こっていても不思議じゃないと思わせるうまさと怖さがあります。
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吉田修一は初期のころの独特な文学的な作風から、エンターテインメントの作品に大きく舵をきったように思える。それでも、『太陽は動かない』は単純なエンターテイメントの領域にとどまることなく、衰退する日本、台頭する中国、エネルギー問題、情報の価値、といったcon-currentなテーマを題材として、
目次の最終章にあるように、"生き抜く"、ことを書いている。
堅苦しいことは抜きにして、小説の面白さを存分に味わえる一冊!
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今のエネルギー問題がテーマであってもおかしくない設定で面白く読めました。ただ吉田修一ならではの人物描写がちょっと物足りないなあ、と思うのは設定が超現実的だからなのかもしれない。次回作にもっと期待