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商品説明
今後の皇位継承に際しても参照されるであろう、近代的な践祚式・即位礼・大嘗祭・改元に関する主要な史料の原文と絵図、関係法令などの成立過程を解明した論考を収録する。平成大礼の諸儀式日程等も掲載。【「TRC MARC」の商品解説】
約150年前の明治維新では、若い天皇のもとで新政府による「王政復古の大号令」「五箇条の御誓文」などが次々と打ち出され、復古と革新が明治の改元と大礼の随所に見られる。それは『皇室典範』と『登極令』附式によって法制化され、両法令に基づいて大正4年と昭和3年の大礼は実施された。両法令は戦後廃止されたが、昭和22年「従来の例に準じて」行う通牒が出ているので、近代的な大礼は今後の皇位継承でも参考とされるに違いない。
Ⅰでは、古儀を踏まえつつも大胆な改革を実施した、明治大礼の関係史料を紹介。
第1章は、明治即位式の詳細な公式記録『戊辰御即位雑記』を翻刻。
第2章は、同上のうち、〈御即位新式〉の関係図版を紹介。
第3章は、明治大嘗祭の詳細な公式記録『辛未大嘗会雑記』を翻刻。章末に『太政類典』所収文書と「福羽美静草稿」を付す。
第4章は、『明治大嘗祭図』を紹介する。章末に阿波の忌部氏による〈あらたへ〉貢進復興の論拠を示した『阿波志料 践祚大嘗祭御贄考』を抄録。
Ⅱは、明治期に整備された大礼関係法令と、成立過程を追った論考。
第5章は、『皇室典範義解』の「践祚即位」原案に修正部分を注記。
第6章は、近代法令『登極令』の複雑な成立経緯を解明。
第7章は、賀茂百樹『登極令大要』の2種ある刊本の異同を注記して翻刻。
Ⅲは、大正・昭和の大礼に関する史料紹介と、その成立過程を追った論考。
第8章は、「登極令」を実施した初の詳細な公式記録である『大礼記録』「践祚の式」の翻刻。
第8章は、大正即位礼で披露された勅語と寿詞(よごと)の成立経緯を解明。
第10章は、『御即位大嘗祭絵巻』の絵巻と詞書を翻刻し、各場面を解説。
第11章は、即位礼で最も注目される高御座の来歴を、初めて体系的に解明。
第12章は、大正度と昭和度の『大礼の要旨』を翻刻。章末に裕仁皇太子が受講された『倫理御進講草案』から「御即位式と大嘗祭」を翻刻。
第13章は、内閣が大正大礼の詳細を記した膨大な『大礼記録』の成立経緯を概説し、全体目次を翻刻。
Ⅳは、近代の改元に関する史料の紹介と論考。
第14章は、一代一号が明治親政の原点である所以を論述。章末に、文部省『御諡号及年号読例』などにより作成した付表「「年号の読み方」一覧」を付す。
第15章は、『大礼記録』「改元」を翻刻し、〈大正〉関係の多様な史料を紹介。
第16章は、〈昭和〉改元の経緯および戦後の「元号法」成立過程を解明。
付1は、『登極令』と附式の全文を、昭和2年の附式改定箇所も注記して翻刻。
付2は、近現代の大礼に関する重要事項の略年表。
付3は、宮内庁発表資料をもとに作成した平成大礼の諸儀式日程。
付4は、明治・大正・昭和(近代)と平成(現代)の大礼(主に即位礼・大嘗祭)関係の重要な出版物を抄出。
明治・大正・昭和の3代にわたる近代的な大礼のもつ、政治史・文化史的な意義解明に資する基本史料を集大成。近代大礼のエッセンスがここにある。【商品解説】
目次
- Ⅰ 明治の『公文録』抄
- 第一章 明治元年の『御即位雑記』
- 第二章 新式取調掛の御即位式絵図
- 第三章 明治四年の『大嘗会雑記』
- 第四章 東京初例の『大嘗祭図』
- Ⅱ 近代的な大礼法制
- 第五章 伊藤博文『皇室典範義解』抄
- 第六章 『登極令』の成立過程
- 第七章 賀茂百樹講義の『登極令大要』
- Ⅲ 大正・昭和の大礼
著者紹介
所 功
- 略歴
- 〈所功〉昭和16年岐阜県生まれ。名古屋大学修士課程修了。京都産業大学名誉教授。モラロジー研究所教授(研究主幹)。麗澤大学客員教授。著書に「平安朝儀式書成立史の研究」など。
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