長嶋有漫画化計画

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小説を先に読んでいたので、補いながら読み進めることが出来ました。
正直に言って、それがなかったら辛かったかも。
漫画それ自体を楽しむためにも、原作小説での補完は不可欠と思います。

当然、小説のイメージとの差はありますが、それにがっかりするということはまったくなかったです。
むしろ、その差が醍醐味、どの作品も目から鱗が落ちる思いで読みました。

萩尾望都「十時間」は、小説のイメージを全く更新させられて衝撃的でした。
主人公の了解が読む者にも自然と納得される、その説得力の強さに驚きました。漫画ってすごい。

長嶋作品における《二大いい男》の視覚化も楽しみにしていましたが、期待以上でした。
「ぼくは落ち着きがない」のナス先輩は衿沢世衣子「ぼくは落ち着きがない」、よしもとよしとも「噛みながら」どちらもほんの数コマしか登場しませんが、どちらも「感心なほど」ナス先輩で嬉しくなりました。
もちろん内容も楽しかったです。
もうひとりのいい男、樋川さんは小玉ユキ「泣かない女はいない」において素敵なことこの上なかったです。

どの作品にも語りたくなる部分があります。長くなるのでこのあたりで切り上げ。

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長嶋有の著作を、いろいろな作家が漫画化する企画。

作品によってはかなり端折ってあって原作を読んでいないとわかりづらいし、単体で面白いといえるものは少ない。
とはいえ、それぞれの漫画家が長嶋有をどう料理するのか、という面白さはある。そもそも、こういう企画ができるのは現役芥川賞作家では長嶋有しかいない。
一番良かったのは、うめによる「パラレル」。男同士のホモソーシャルな友情関係をさらに発展させて、BLとして再解釈するというのは予想外だったしそれでいて完璧にはまっている。

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おもしろかった。
小説そのまんまなものも、小説の世界観を保ちつつ別の味を出しているものも。
とにかくひとつとして被ってない、独創性あふるる漫画家さんが
「長嶋有」という素材だけを共通してきちんと使って、生かしている。
それがすごく企画として、作品として、おもしろく読めた。

とりわけ　　島田虎之助　　が良かったなーーーー
ほんと、映画みたいだった。終わりかたも、主人公の顔も好き。
原作を読み返したくなるし
漫画家さんの作品読みたくなるし
おもうツボですね。

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長嶋有のまったり秀作多数と、ブルボン小林の人脈があってこその企画ものとおもわれます。どうしたってわたしはコンサバなものですから、小玉ユキさんの「泣かない女はいない」が一番すき。

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企画段階から知ってはいたが、形になってみるとこんなにも厚みのある本だったのかと驚いた。

単行本未収録の作品以外は、ほとんど読んでいたけれど、絵がつくと話が変わるというか、ああ、こういう読み方もあったのかと新たにきづかされたり。とはいえ、どの方も雰囲気をうまくつかんでいるなあと思った。

なんといっても、萩尾望都先生のマンガがいちばん驚いた。こんな話にもなるのかというか、小説のイメージを残しつつ見事に萩尾化されていた。

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大好きな長島先生！漫画化おめでとうございます。
豪華！！としかいいようにありません。
漫画にされたことで、馴染みの小説もまた別な側面が見られて
もう一度手にとってみようか、という気になります。

「ねたあとに」一番好きな本ですが、ん～物足りない。
人間じゃなくなってしまったのはgoodですが。

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おもしろかった〜。
長嶋有の作品はまだ1作しか読んだことないけど、いくつか読みたくなった。
『ぼくは落ち着きがない』『夕子ちゃんの近道』
『サイドカーに犬』
が読みたい。

唯一読んだことがある『パラレル』が原作と全く違ってＢＬ風になってたのはちょっとショックだった

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長嶋有が自作小説を漫画化する斬新な短編漫画集。
お気に入りは萩尾望都「十時間」
カラヤサトシ「夕子ちゃんの近道」
フジモトマサル「ねたあとに」
ウラモトユウコ「サイドカーに犬」

「十時間」「ねたあとに」の川上弘美を思わせる。動物による異化作用に萌える。
「夕子ちゃんの近道」のかきまぜ棒。かなり絵に破壊力。精神に刺さる力あり。
吉田戦車偉い。
ウラモトユウコ早く書籍を買いたい応援したい。

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『ジャージの二人』は映画化されているので、ご存知の方も多いと思います。それを、吉田戦車が漫画化してます。実にシュール。

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長嶋有作品をまだ読んでいない方、すでに読まれた方いずれにもオススメの漫画化計画。作家が違えども、ここまで忠実に「何かが起きそうでなにも起きない雰囲気。しかしするどい斬新さ」をもつ長嶋作品を再現しているとは！読後感よし。もう一回活字版を読み直したくなった次第。

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どの作品も原作に沿った(ある意味期待を裏切った）良い仕上がりなのですが、もう、なんといっても、萩尾望都先生の「十時間」が心に染みた。
ほんとうにほんとうによかったのだよ。

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原作を半分忘れかかっているのですが、比較しなくても良いのだと思います。楽しめました。ふきだしコラムが良かったです。漫画と小説の差異の指摘が具体的でなるほどと思いました。乗っている車の車種は？巨大団地とは？誰かに似せて描く…活字だとどうにでも書けることが、絵にするがゆえに、はっきりさせておきたいことに変わる事情をオモシロく感じました。

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「十時間」萩尾望都作．は驚くほど「訪問者」萩尾望都作．と共通した雰囲気がありました。
「パラレル」うめ作．はこれから　「パラレル」長嶋有著．と、うめのパラレル以外の作品を読みたいと思わされました。
しかし小説家自身が自分の作品を漫画化してほしい漫画作家に依頼して、漫画の作品集を作ってしまうとは、前代未聞。
この企画をまねする作家が続々出て来るといいのですが。

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15人の漫画家が小説をマンガ化、原作紹介と作者によるポイント解説、漫画家紹介。

1冊にまとまってみると、漫画家の絵のバリエーションが、よく詰め込んだなって感じ。
ひとつの絵に、文章のかなりの量が表現されていること、それは絵を読むことの難しさ。