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スーパーマリオ、ぷよぷよ、ドラクエなどの懐かしいゲームを素材に語られる5つの物語に、ゲーマーではない自分でもあの頃、あの空気、あの情熱を思い出し、胸が熱くなる。何よりも驚かされるのはそのストレートともいえる青春小説っぷり。詠坂作品なのにあまりひねくれてないなんてw
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ゲームをモチーフにした短編集、しかも大概古いタイトルを元にしているものですから、ある種上手に「おっさんホイホイ」している作品です。
実際これ、20代後半から30代の(かつての)男子なら、ここで取り上げられているそれぞれのゲームになんらかの思い出のひとつがあっても不思議ではありません。その普遍的な元ネタがあるので、それだけで面白く読める……はずなのですが。
なんだろう、響かない。
これは、それぞれの物語の終盤が、やたら説明くさい主人公の独白によってまとめられる、という構成のせいかと思います。筆者はミステリー作家らしく、物語の前半に「伏線」を仕込んで、それを後半で回収するわけですが、その回収に手練れさを感じない。結果、全体的に薄っぺらい感じがし、心に響くものがない。
かといって、ノスタルジーというほどにはこれも書ききっているワケでは無く、なんでしょうね、失礼を承知で言うなら、表現がありきたりで、全体的に「流して」しまうのです。
伏線とその回収、という手法を、人が死ぬミステリーでは無く展開したのは面白いと思いますし、その「伏線」という概念そのものを(ある意味で)「トリック」に用いている短編なんかは結構面白く読めたんですけど……いかんせん、もう数歩の深みが欲しいな、と感じました。
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ゲームをテーマにした軽ミステリといった感じだがミステリ色は薄く、どちらかというと古きよきゲームへのノスタルジーが基調となっている作品集。
ひとことで感想をいうなら「らしくない」感じ。
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ドラクエ好きな人やレトロゲーム好きは読むべしです。絶対楽しめます。そして、物語中の詠坂さんのボケと微妙なつっこみが面白いです。
ゲーム知らなくても楽しめるので安心です。
テンポもよいのでサラリと読めます。
が
感動は薄いです(笑)
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ゲーム雑誌「プレススタート」のライターをしている柵馬朋康と、柵馬のあこがれの先輩ライター流川映とが解き明かす、ゲームにまつわる日常の謎。
いやぁ、面白かった!でもこれはかなり読む世代を選ぶんじゃなかろうか?
なにしろ扱われているゲームがそれぞれ
「穴へはキノコをおいかけて」→マリオ
「残響ばよえ~ん」→ぷよぷよ
「俺より強いヤツ」→ストリートファイター
「インサート・コイン(ズ)」→ゼビウス(インベーダーゲーム?)
「そしてまわりこまれなかった」→ドラクエ
という。
どのゲームをやりこんでいたかによって、お気に入りの話が分かれてくると思われます。
私は当然「そしてまわりこまれなかった」。
ドラクエⅠ・Ⅱ・Ⅲをリアルタイムでやり、ハマっていましたので。
いまだに新作がでると聞くと、ワクワクしてしまいます。
だからもう、あの遺書とこのタイトル。本当にやられた。
まわりこまれていたら、違った展開になっていたのだろうか。
そしてこのゲームとこの作品を重ねた、最大の伏線。
今回はヒネてないなぁ詠坂さんなのに、って思っていたら、この遊び心。
とにかく全体的に甘酸っぱくて切なくて、青臭い。そしてラストが前向き。
「心のAボタン」だなんて。
でも作中の詠坂は相変わらず。だけど作品から浮いていないから、やっぱ詠坂作品なんだな、と納得したりもして。
とにかく、ゲームへの愛がひしひしと感じられ、思わず共感してしまった作品。
読むとあのころに戻れます。
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読書の感想よりも、ゲームの思い出でいっぱいになる物語でした。
マリオブラザーズが好きだったけど、持って無くて
友達の家に遊ばせてもらいに行ってたことや、
ドラクエ、自分で遊んでたってよりやってるのを見てたせいか、
印象に残ってるのはFFの方だったり。
でもあの音楽はゲーム好きには忘れられないインパクトだし。
シューティングゲームは、ファミコンでしかやってないけど、
今でもDSで懐かしいゲームとしてやってるから、
ゲーム好きはいつまでもこれからもなんだろうな。
ただ、ゲームセンターに行ってゲームをする経験が、
ほとんどないので、対戦ゲーム格闘ゲーム系はあんまり分からないんだよなあ。
その世界でしか分からない空気感とか。
ゲームセンター嵐とかまで思い出してしまった。
軽い感じで続くのかと思ったら結構重い部分もあったけど、
面白く読めました。
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懐かしのゲームをネタにした連作短編。ゲーム雑誌のライターがマリオやドラクエなどに絡めた、「日常の謎」系ミステリな内容であります。
例えば、古い友人が「ドラクエ3の最大の伏線は?」というメッセージを残して自殺する。ドラクエ・ファンであれば、その答えに納得するとともに、ストーリーと自分の甘酸っぱい記憶の交錯により、ついジーンとくるはず。
いやいや、どれも想定外に「いい話」でした。泣かせます。
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ノスタルジー。
90年代のゲームを題材にした本書は、昨今のゲームから様々なモノが失われてしまったことを、改めて呼び起させる。
貧弱なグラフィック(「ドット絵」)の先に広がる想像力の世界。人と人とが向き合って「手合わせ」する対戦台。スーパープレイヤー(「ハイローラー」)に続かんと腕を磨くプレイ...。
大容量のメモリと強力なグラフィック機能がまるで映画を見るようなエンターテイメントを実現し、クリエーターの想像力を表現できるようになったかわりに、プレイヤーから想像する(妄想する)余地を奪ってしまった。ネットワーク対戦で場所を問わず対戦相手を見つけることができるようになった代わりに、画面の向こうのプレイヤーの顔が見えなくなってしまった。高いインカムを稼ぐクレーンゲームが、ストイックなシューティングゲームをアーケードから追い出してしまった。
この作品には、古き良き時代のゲームへの、ノスタルジーとリスペクトが詰まっている。だが、それだけではない。ミステリー作家らしい「ひねり」もふんだんに盛り込みつつ、小説の形を取った「レトロゲーム文化論」としても成り立っている。それは、ゲーム記号論であったり、ゲームの文法(「お約束」)であったり。
主人公でゲーム誌ライターの「柵馬」と、先輩でそうしたゲーム論に詳しい「流川さん」の会話の形で語られる。面白いのは、作者が自身「詠坂」という人物を主人公の知りあいという形で登場させ、なかなか重要な役割(Role)を演じ(Play)させていることだ。いわば、NPC。
すっきりした読後感は無い。ゲームそのものを知らなければそれはきっとなおさらモヤモヤのままだろう。だから、本作は読者を選ぶ。万人にはオススメしかねる。
しかし、それらのゲームをプレイしたことがある読者なら、ストーリーを反芻しながらしばらくその余韻に浸ることができるだろう。ノスタルジーと一緒に。
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大森望推薦って事で読んだんだが、ゲームが好きだったアラサー向けと対象がかなりニッチすぎる事もあって結局最後までいまいちノレなかったなあと。
ただまあ表題作は素直に良かったと思いました。
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マリオ、ぷよぷよ、ストリートファイターなど往年の懐かしいゲームの思い出や蘊蓄にからめた日常の謎系連作短編集。
ゲーム誌に記事をかくライターが主人公なので、ストーリーよりも作中人物が語るゲーム関係の考察がすばらしく面白く、懐かしさで胸がいっぱいになった。ドラクエ1〜3はたぶん私はプレイしていないが、「そしてまわりこまれなかった」というタイトルにはしてやられた。
ただ、当時のゲームを全然知らない人が読んでもちょっとピンと来ないだろうなとは思う。
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Continue or Reset ? つづけるか、やりなおすか?
人生(ライフ)を削ってPLAYしてきたすべての仲間たちへ。
この本を読んで泣け。これが青春だ。――大森望
ゲーム、雑誌、先輩。三度、泣いた。
ゲームをつくってきて良かった。――米光一成(ゲームクリエーター、「ぷよぷよ」開発者)
投入せよ。コインもライフも全部。おまえの頭がよくなってしまう前に。
スーパーマリオ、ぷよぷよ、ストⅡ、ゼビウス、そしてドラクエ。
ビデオゲーム史に燦然と輝く巨大タイトルを、さんざん遊び倒したプレーヤーの視点から描く。
まっとうなゲーム小説って、ほんとうは、こういうことだ。
ビデオゲームの高度成長期に青春を消費したファミコン世代、必読。
シニカルな仮面の奥深く、やわい心を突き刺す傑作。
直接ゲームを扱うというよりは若干無理やりな気もしないでもないが、
とにかく本作は「スーパーマリオ、ぷよぷよ、ストⅡ、ゼビウス、ドラクエ」に関わってくる短編集である。
第5章『そしてまわりこめなかった』ではドラクエを扱っているのだけれど、その中で著者はミステりにおける伏線回収について深く触れている。
詳しくは以下URLを参照ですが、なかなか考察されています。
http://www.ne.jp/asahi/kaigo/aiai/p00_999_20120308.htm
文庫化したら読む順番を変えてみようかしら。
ミステリ :☆☆☆
ストーリー :☆☆☆☆
人物 :☆☆☆☆
文章 :☆☆☆☆
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各作品で考察したゲームのテーマがあまり共感できなかったというのと、ミステリーとしての解決を放棄して「おそらく彼等はこういう心境だったんじゃないかな?」という締め方なので終始モヤモヤした状態でした。ただ、スーパーマリオブラザーズ、ぷよぷよ、ストリートファイター、シューティングゲーム全般、ドラゴンクエストⅢに熱中した読者なら共感出来るかと思います。
個人的に【そしてまわりこまれなかった】のドラクエⅢに関する謎は共感することができ、一番面白かったです。
【残響ぱよえ〜ん】はテトリスじゃなくぷよぷよだからこそ可能なネタでなかなか巧妙でした。ミステリーとしては一番の出来でした。
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ばっちり作中でのゲームにリアルタイムで接した世代なので実に楽しく読めました。ぷよぷよの色の話とか作者の想像の範囲でもあるんだろうけど結構納得できました。
反面、ゲームにさほど興味のない人とか世代的にあんまり接してない人とかだとそんなには楽しめないんじゃないかなあ・・・と想像するピーキーな一冊。
次回作もあるようなのでぜひとも読んでみようと思います。
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古きよきゲームを題材とした連作短編集。俺らからちょい年代下ぐらいまでのゲーマーにとっての日常ミステリーもんと言えば良いのかなぁ、日常とは思えないこともあるけど。
ミステリーとしてなら、ぷよぷよを題材とした「残響ばよえーん」が一番の出来だが、俺的には最後の作品「そしてまわりこめなかった」が一番好き。
題材のゲームの中ではダントツに、ドラクエをやりこんだもんなぁ。格ゲも落としモンもシューティングもド下手だったからだけど(笑
ゲームをやりこんだ経験者なら、やりこんだゲームの種類によって好きな作品はバラけるのかも。っちゅうことで野球とかシュミレーションとか3Dダンジョンとかを題材にした作品も読んでみたい。
そういや、俺にもゲームにハマりまくっていた時期があったんだよなぁ。「さぁ、この連休は旅に出るぞ」と言って食糧買いこんで布団部屋に持ち込んで、3日連続ゲームやりこみとか…。今から考えると不健康だったなぁとは思うが、数千円(中古で買うと数百円の場合も)のソフトで長く楽しめたのだから、コンシューマー機で遊ぶ分には、お財布に優しい娯楽だったわけだ。
課金やなんやと、たかり体質な業界になってからはすっかり身を引いてしまったけど。
今や、経験値を稼いでレベルアップすることが現実世界ではどんだけ難しいかを、山とカベとランで身をもって痛感してるんだけど。
そんな色んな思いが胸中を去来する、そういう意味でも良い本だった。好みは分かれると思うが、俺は結構高めに評価します。
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これと、ナウローディングは個人的にたまらなく好き。
名作ゲームを題材にして、こんな話が出来上がるのか!と各章ワクワクした。
ドラクエプレイしてなくてごめんなさい。