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紙の本
美術の力 表現の原点を辿る (光文社新書)
著者 宮下 規久朗 (著)
初めてのイスラエルで訪ね歩いたキリストの事蹟から、津軽の供養人形まで、美術の本質を見つめ続けた美術史家が、「美の原点」をテーマに綴った全35編をカラー図版とともに収録。『...
美術の力 表現の原点を辿る (光文社新書)
美術の力~表現の原点を辿る~
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商品説明
初めてのイスラエルで訪ね歩いたキリストの事蹟から、津軽の供養人形まで、美術の本質を見つめ続けた美術史家が、「美の原点」をテーマに綴った全35編をカラー図版とともに収録。『産経新聞』夕刊連載記事に加筆して書籍化。【「TRC MARC」の商品解説】
博覧強記の美術史家による好評シリーズ『欲望の美術史』『美術の誘惑』に続く三部作完結編。今回は「美の原点」をテーマに綴る。【本の内容】
著者紹介
宮下 規久朗
- 略歴
- 〈宮下規久朗〉1963年愛知県生まれ。東京大学大学院修了。美術史家。神戸大学大学院人文学研究科教授。「カラヴァッジョ」でサントリー学芸賞などを受賞。他の著書に「モチーフで読む美術史」など。
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紙の本
生と生の永遠を願う人々の欲望の発露としての美術について考えさせられる
2018/01/27 12:09
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くりくり - この投稿者のレビュー一覧を見る
「表現の原点を辿る」と題するサブタイトルである。
著者は4年前に一人娘を亡くされている。そのため「この世に対する情熱の大半を失ってしまった」「虚無で荒廃した心境で、かろうじて興味を引いた美術について綴った」とあとがきに記されている。
「美術の原点の章」で取り上げられるのはアウトサイダーアート。知的障害・精神障害を持つ人の表現、死刑囚の絵画、供養人形、来世のヴィジョンなどが取り上げられる。死刑囚の絵画の記述では、死と生の狭間で「美術とは何か、人間が表現するとはどういうことか」の問いが突きつけられる。供養人形では故人の魂を供物に投影し、個人の永遠の願い、生者の「供養」という魂の安寧、慰めとなる。著者の苦しみと「美術の力」が交叉するものとなっている。
「かつて美術の主流であった宗教美術は寺社と不可分の関係似合った」「どこに飾られようと作品自体の質は変わらない。しかしどのような作品であれ美術は常に周囲の空間と一体化して観客に働きかける」「真に優れた美術は常に宗教的であり、美術と宗教は実は同じものだ」という著者の言葉には、生と生の永遠を願う人々の欲望の発露としての美術について考えさせられる。
しかし、本書はそうした、やや哲学的な絵画論だけではなく、クレパスの表現の可能性や美術館の特徴の違い、日本の絵画教育「思ったままに描け」は間違い、藤田嗣治の戦争絵画について語りながら、戦争画が日本で初めて美術が公共性を獲得した記念碑と紹介するなど、美術を総合的に知る上でも好著。
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タイトルと内容が違ってきた?
2018/05/07 16:27
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「美術とは人間のどういう力なのか」。これまでの著者の著述から、そろそろしっかりと著者の意見をまとめたものがでたかと期待したがちょっと違っていた。
世界中の美術を見て回る旅の記録。著者もあとがきで書いている通り、美術鑑賞をしながら心の救済を求めるような「美術巡礼」といった色合いが濃い。
それぞれの説明は十分楽しめたのだが、正直「しっかりとまとめたものを次に期待」という感想しかない。