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- カテゴリ:一般
- 発売日:2011/10/17
- 出版社: 河出書房新社
- サイズ:25cm/89p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-309-20577-9
紙の本
遠い町から来た話
町のはずれに住んでいた水牛のこと、覚えている?誰にも愛されなかった物からペットを手作りすることや結婚までのとても危険な道のりの話、それから異次元からのちっちゃな交換留学生...
遠い町から来た話
紙の本 |
セット商品 |
- 税込価格:4,730円(43pt)
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商品説明
町のはずれに住んでいた水牛のこと、覚えている?誰にも愛されなかった物からペットを手作りすることや結婚までのとても危険な道のりの話、それから異次元からのちっちゃな交換留学生のこと—。【「BOOK」データベースの商品解説】
町のはずれに住んでいた水牛、誰にも愛されなかった物から作り出したペット、異次元からのちっちゃな交換留学生…。平凡な毎日の奇妙な断片に光を当てて、様々なスタイルのイラストレーションと共に紡ぐ短編集。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
ショーン・タン
- 略歴
- 〈ショーン・タン〉1974年オーストラリア生まれ。絵本作家として活躍する一方、舞台監督、映画のコンセプトアーティストとしても活躍。オーストラリア児童図書賞、アカデミー賞短編アニメーション賞等を受賞。
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著者/著名人のレビュー
この本は、ショ-ン ...
ジュンク堂
この本は、ショ-ン タン、彼にしか創り出せないショ-ン・タンワ-ルドが広がっています。非日常の世界にいるようだけれど、でも懐かしく思えてしまう、そんな不思議な感触があります。彼の独特なつぶやきともとれる文章と異空間ともとれるイラストがとても見事に調和されていて、スト-リーに余韻と奥行きの深さを残しています。
具体的な何かを残してくれるのではなく、とらえどころのない何かを残してくれます。それは読み手によってきっとそれぞれ違うのかもしれません。
読後感をじっくり味わっていただきたい一冊です。
(児童書担当Y)
紙の本
心の奥底にずっととどまる物語。ショーン・タン「遠い町から来た話」。
2012/03/26 10:45
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オクー - この投稿者のレビュー一覧を見る
ショーン・タンの「アライバル」はグラフィック・ノヴェルとして秀
逸だった。その彼の日本での最新作がこの「遠い町から来た話」。まっ
たく文字がない「アライバル」と違ってこちらは絵があり文がある。全
部で15のストーリーだ。見返しに入っている彼の落書きみたいな絵が楽
しい。そして、タイトルが入った最初の見開きページ。そこに描かれた
不思議な絵。ボートに乗った赤い服を来た女性が住宅地の道路の上に浮
かんでいる。この絵を見ているうちに僕らはいつのまにかショーン・タ
ンワールドへと引き込まれていく。
話は短いものから長いものまでいろいろ。好きな話はたとえば、「遠
くに降る雨」。これは、誰かが書いた、読まれなかった詩、の話だ。往
生際の悪い詩が逃亡を図り、そのうちいろいろな詩と一緒になり巨大な
「詩の球」になってしまう。いいんです、これ。終わり方も好き。「底
を流れるもの」はいつもどなり声が聞こえる家の芝生の上に、ある日突
然、ジュゴンが現れる。大騒動のあと、ジュゴンは運ばれていく。その
夜、家から小さな男の子が出てきて…これ、余韻の残るいい話だ。「葬
送」は、飼っていた犬を殴り殺した男の家に百頭近くの犬が集まって来
る話。1ページの短いストーリーだがラストの数行には涙があふれる。
とにもかくにも、この日常と非日常、異形のものとふつうの人々、その
2つがない交ぜになった物語はショーン・タンの絵の魅力、岸本佐知子
の翻訳の見事さともあいまって、僕らの心の奥底にコトリと音を立てて
たどり着き、そこにずっとずっととどまっているような気がする。
残念なことがひとつ。切り貼りした紙に文字を連ねストーリーを進め
ていく物語がいくつかある。文字が英語ならいいのだろうけど、日本語
だとどうにもおさまりが悪い。しょうがないことではあるのだけど。
紙の本
「アライバル」とは変わって、こぼれ出る言葉で綴られるお話の数々。
2012/01/16 09:35
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アヴォカド - この投稿者のレビュー一覧を見る
こんなに言葉を持っている人だとは、思わなかった。
文字の言葉が一つもない「アライバル」で知った作家さんなので、寡黙な、文字でなく絵で語るタイプの作家さんなのかと思っていた。
言葉が、とてもとても豊富。こぼれるように紡ぎだされるお話の数々。
「あなたは考えたことがあるだろうか?/誰かが書いた詩の/その後について」で始まる「遠くに降る雨」は、いろんな人の手書き文字と絵で綴られる。散文詩のよう。
手書きの文字ってやっぱり味があるなあ。でもこれを全部でやっちゃうと効果が減ってしまうから、こうしてここぞで使うと効果あるなあ。(よくわかってるなあ)
昔の話は子どもにはホラ話のように聞こえるほど遠い話だけれど、でも本当なんだよ、「お祖父さんの話」は。
「エリック」は、とびきり可愛い別離話。
家の中の穴に中庭がある、という設定がたまらない「他にはない国」。
あ、そうだよね、そうだよね、これってやっぱりそうなるよね、町の果てってそうなってると思ってたよ、と何やらプリミティヴな感覚を思い起こさせられる「ぼくらの探検旅行」。
と、好きな話がたくさんある。
何度も穴を覗き込んでしまうように、何度でもめくって見てしまう。