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商品説明
フランス文学からSF、捕物帳、釣り、サルトル、金子光晴、辞典まで。行動する小説家・開高健の本と読書をめぐるエッセイを多数収録。書斎や蔵書、開高が編集兼発行人を務めたPR誌『洋酒天国』等もカラー写真で掲載する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
開高 健
- 略歴
- 〈開高健〉1930〜89年。大阪市生まれ。大阪市立大学法学部法学科卒業。「裸の王様」で芥川賞受賞。
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紙の本
眼を見開け、耳を立てろ、と開高健は云った
2021/10/28 16:53
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「本棚を見ればその人がわかる」と、昔をよく言われたものです。
最近は電子書籍も流通して、本棚に本が並ぶということも少なくなっているかもしれません。
まして、本を読まない人が多くなってきていることを考えれば、本棚というものも持っていない(当然そこに並ぶ本もない)ということも考えられます。
その点、開高健は子供の頃にすでに「古本屋のオジさん」になりたかったというくらいですから、戦時期でありながら「読んで読んで読みつづけた」という。
さらにその頃の友人に本の収集に没頭したものがいて、彼の住処に忍び込んでは風呂敷いっぱいに本を詰め込んで、紙魚(しみ)のように読んでいたと、本人が書いている。
では、開高の本棚にはどれだけの本が残されたかというと、これが生前の半分にも満たないという。(開高健が亡くなったのは1989年12月で、まだ58歳という若さだった)
なぜかといえば、彼が本を収集することに執着しなかったからで、読む前には箱であったり帯といったものを取り除き、読み終われば若い人にあげたり、古本屋に売ったそうだ。
それでも、この本の美しい写真で紹介されている開高健の蔵書となれば、一体どんな本が本棚に並んでいたのかと、眼を凝らしてしまう。
それにしても、本の写真というのはどうしてこんなにも美しいのだろう。
そんな写真に挟まるように、開高が残した本についてのエッセイの類が数編。
どちらが栞かわからないが、開高健曰く「読め」ということになる。