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商品説明
高校の修学旅行。あの夜の記憶を確かめるため、会社を休んで上京した有麻。そんな有麻が、いま一番会いたい人は…。好きなのに、なぜか会えない人がいる。「きょうのできごと」の著者が描く、恋よりも特別な思い。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
柴崎 友香
- 略歴
- 〈柴崎友香〉1973年大阪生まれ。「きょうのできごと」で作家デビュー。著書に「次の町まで、きみはどんな歌をうたうの?」「ショートカット」「フルタイムライフ」など。
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紙の本
それは『いつか』への余韻
2007/04/07 10:12
9人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オクヤマメグミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
高校時代に特別な想いを抱いていた人との再会。
ドラマティックな展開を期待させつつも、結局何も起こらない。
なのに退屈も落胆もせずに最後まで読めてしまうのは著者の魅力だと思う。
時間の流れがすごくいいのだ。
物語は有休を取って大阪から東京へやって来たOLの1週間のできごとなのだが、特別大きな事件はおこらない。
友達との食事や会話のシーン、冒頭の地下鉄から地上に出るまでの
主人公の目線など映像作品のようで描写が細かい。
初夏の地下鉄のむっとした空気感まで読み手に伝わってくる。
大阪弁もいい。
何気なくしている会話がリアルに見えてくる。
軸となる主人公と鳴海くんの気持ちも、『お互いが何となくわかってた』という曖昧な書かれ方しかしていない。
2人にしかわからない気持ちの交錯が二次元で展開する。
物足りないと思いつつも、断定するような描写をしたら著者の書いた空気がぶち壊されてしまう。
曖昧で、いいのだろう。
妙な余韻で閉じられた物語は、まるでタイトルの『また会う日まで』という『続き』を思い起こさせるのだ。